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[部屋に戻り、一つ、息を吐く。
表情に浮かぶのは、陰りの色彩]
っとに……かなわねぇ、な。
[掠めるのは自嘲の笑み。
それを振り落とすようにふるり、と首を振り。
荷物の中から着替えを引っ張り出しつつ、ふと、窓の向こうに広がる空へ目を向けた]
ん……。
荒れそう……だな。
[重苦しい曇天に眉を寄せつつ、ぽつり、小さな声で*呟いた*]
…………。
[利吉の言葉に少し考えた]
小百合は利吉さんの言葉を聞いた後、彼女の思うまま素直にスルーするような。
なるほど。納得した。
スルーじゃなければ、鉄拳制裁か。
[小百合から聞こえてきた言葉に、うむうむ、と言った風情で何度も頷く]
二人も落ち着いたら来るのですか…んー…二人はどうでしたか?
[どちらかといえばそちらも気になる。綾野に関して言えばむしろあの兄妹が一番ショックを受けている可能性が高くて琉璃に聞き
やってみるという榛名に柔和な笑みを浮かべ頷きつつ]
そりゃね。なかなか難しいものですよ。
[嘆息しそうになり、誤魔化すような笑みを浮かべる]
うーん、どうにも、猫に嫌われる家系みたいなのよねー。うちの家族みんなそうだったし。
…可愛いのになぁ。
[可愛いものは好きなので。撫でられないのはやっぱり残念。
しょぼんとしていたら裕樹に頭を撫でられ、ちょっときょとんとして。それから嬉しそうに笑った。]
ありがと。撫でられるとは思わなかったわ。
[慣れない感覚に、ちょっと照れたかもしれない。]
あ……玲ちゃんにも、お礼、言わなきゃ…。
…落ち着いたら…。
綾野の、こと、だね…。
[先程聞いた事実。表情に翳が落ちた。自分よりもきっと、史人の方がショックだったろうと思う。昔から、随分と気にかけていたようだったから。
そう考えている折、琉璃に頬を突付かれた。不意を突かれたような形になり、「わ」と声を漏らす]
気にしすぎ、って、言われても…。
…気に、なっちゃう、し…。
すぐには、治らない、よ…。
[自分がほとんど出来ない負い目が今の榛名を作り上げているのだろう。それが長く続けられた今、すぐに改善すると言うのは難しい話だった]
[蓮実にも微笑みかけて]
榛名のこと送ってくれてたんだね、
ありがとう。
昨日はあのまま…いろいろあったからね。
[ぼかしながら]
榛名も、ごめんね傍にいて上げられなくて。
[走り出そうとする涼と静止する裕樹。そして気づいた事柄。]
…そういえば私もご飯食べてなかったわ。
[今からでは遅いので、簡単に食べれるようなものを注文したら、ベーコンエッグの乗ったトーストと珈琲が出てきた。それを少し早めに齧りながら。]
そうね、桜を見終わったら点検かしら。
…そういえば、さっき窓から外をみたら天気、良くなかったから、早め早めに行動した方がいいわね。
[言って、裕樹が食事を終えるのとほぼ変わらない時間で食事を終えて。]
そろそろ行く?
[そう促す。]
[首を横にふりながら]
すぐにとは言わないよ?
それにボクも榛名も…、もういい年?だし?
下手すればお互いおじちゃんおばちゃんだし。
[冗談めかすようにそういって笑いかけてからすぐに表情は真剣なものに]
うん、綾野のことは一番つらいのは史人だと思う。平静はよそおっていたけども……。
そういうときに支えてあげることとか、
一緒にいるだけでも、ね?だいぶ違うから。
できないことは頼る、そうしながらそうやって相手のために返してあげる。
榛名はもらってるだけじゃないよ。
前にも話したよね?ボクがこうしているのは榛名のおかげでもあるんだって。
すぐにじゃなくても少しずつ、少しずつね。
[もうそういった話をするのが何度目なのかはわからないが]
[微笑み、榛名のことで礼を言う琉璃に、軽く首を横に振って]
…ま、仕方ないですよ
何の因果かちょうど帰ってきていますから、できることはやりますよ
[最も半ば外部の自分にできることなど限られている気はしているが]
難しい……。
そう、だよね。
世の中、そんなに、簡単じゃ、ない、や。
[身体のことだけでなく、仕事のことでも当てはまること。誰もが皆、順風満帆とは行かない。蓮実の返答は言及せず、納得するように頷いた。
謝ってくる琉璃には]
ううん、気に、しないで。
何があったのかは、分からない、けど。
私は、こうして、体調、戻せた、から。
[完全に戻ったわけでは無いが、あの時よりはマシな状態なわけで。ふるりと首を横に振ってから、小さく笑んだ]
遺伝で猫に嫌われるなんてのは、初めて聞いたな。
…好きな相手に、嫌われるのは……つらい、な。
[呟きつつ、頭を撫でて]
琉璃も、可愛いものが好きと言っていたし、会ったら会話が弾むのかもしれないな。
…ん?礼を言われるような事をしたか?
ああ、撫でられるのが嫌だったならすまない。
[照れた様子を勘違いしたのか、そんな事を告げた]
支えあうことは大事だし、ね?
[蓮実に笑いかけて]
都会は冷たくなったって聞くけど、
蓮実は冷たくなってないみたいでよかったよ。
できることだけでも、
やっぱりそういうのって、うれしいしね?
[部屋の隅に行く利吉には、一応灰皿を放って。
ぽつり呟いた小百合の言葉に自分の事を棚に上げ]
なんだ。まだ、小百合は食べてなかったのか。
そうだな。とは言っても、車に詳しいわけでもない。
故障していても直せはしないんだが。
ああ、天気が悪化しそうなら早めに行動すべきだな。
[食事を食べるスピードを速め、食べ終えれば片付けを。
小百合の促しに、一つ頷いて]
そうだな。涼ちゃんが、お待ちかねだ。
[けらりと笑った]
ありがとう榛名、そういってもらえるとうれしいな。
世の中、いろいろとうまくいけば。
皆幸せなのかな?
思い通りにならないことばかりじゃなければ…。
[呟く言葉は何に対してであろうか?
ふと空を見上げると雲行きはあやしく]
んっ、なんだか空模様があやしいね。
雨、振る前に榛名の家にいこうか。
[榛名と蓮実に同意をもとるように笑いかける]
歩きながらでもお話はできるしね。
30、近い、もんね。
[冗談めかす口調と内容に、ようやく少し明るい、おかしそうな笑みが浮かぶ]
支える…一緒に、居る、くらいなら、出来る、かな…。
支えられるかは、分からない、けど。
琉璃には、返せて、る?
私でも、誰かのために、何か、出来てる…?
少し、ずつでも、返せてる、のかな…。
はい。簡単じゃありません。
…ま、私の場合は仕方ないといえば仕方ないんですけどね。
[思い出すのは昔から今にかけての様々なことになるわけだが]
そりゃ、私は私。全くとは言いませんが、そうそう本質というのは変わりませんよ。
…ま、あまり過度の期待はしないでくださいね
[最後は困ったような表情で琉璃に応え、空模様を指摘されれば確かにそうで、頷き、榛名も同意すればやはり榛名の歩調に合わせて歩き出すだろう]
世の中が、上手く、いけば…。
どう、なんだろう。
皆、幸せに、なるのかな…。
なれると、良い、んだけど。
[「どう、なんだろう、ね?」と琉璃に首を傾げる。天候のことを言われると空を見上げて]
本当、だ。
降らなきゃ、良いんだけど。
[降る前に、と言う琉璃に頷いて、ゆっくりと歩き始める]
そうそう、もうすぐ三十路。
史人に言われちゃったよ。
[笑いかけながら]
うん、ボクもいっぱいもらっているよ。
二年前の時も、それよりも前にも後にも、いっぱいね。
それに榛名の本を見てたくさんの人が楽しんでいる。
それだけでもこれは大きなことじゃないのかな?
[世の中が上手くという二人の言葉には無言でこめかみをかく。困った時や、何か考えるときの癖で
もし己が上手くいく状態というのであるならば、そもそもからが違うのか。それとも己の性格がやはり起因しているのか。]
二人ともまだまだ若く感じますがね
[ただそれだけを、嘘でもなく言うが、考えれば自分が一番年下だった]
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