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[ダーヴィッドに薬物に関する経緯を話している間に、データの保存終了を知らせる機械音が実験室に響いた。瞬きをする。その時の部屋の中は奇妙に静かだった。]
ペルセウス。
印刷して他の者にも見せよう。
[ナターリエに、答えた。]
ダーヴィッドは、
研究室に印刷に行く間、此処で休んでいるか?
今は、蛇も随分片付いて──
[大きな音が響いて来る。それから誰かが駆けて行く慌ただしい足音。]
[示される解析図上の星>>338。
そこを基点に組み立てたなら、それは形を結ぶ]
……どうやら、何か騒動がおきたようだな。
[飛び込んできたゲルダの声>>337に、は、と一つ息を吐いて]
とにかく、様子を見に行くか。
……荒事は、専門じゃないんだが。
───そう。
[大きな音]
[ブリジットの残していった言葉]
[笑う]
飛べると、いいね。
[追いかけるには]
[身体が追い付かない]
[もうひとつ]
[姿が駆け抜けていった]
[ゆっくりゆっくり]
[そのあとを追いかける]
[追いかけているには思えない早さ]
[保存データを素早くポケットに仕舞い、廊下へ。]
おまえは、後からゆっくりで良い。
ただし、石化病の進行で動き難い事で、
自分を責めるな──。
[よろめいて椅子に座ったばかりの赤毛の男には、そう言って。]
……否定、できるのか?
[ボケみたいな、という所にはきっちり返しつつ。
行こう、という言葉に頷いて走り出す。
部屋を飛び出し、向かう先。
目に入る光景に、天鵞絨は険しさを帯びた]
[押さえつけられる。強い力。咳き込む声]
ツヴァイさん?
私を、殺すの?
だ、め。
[色んな声が、聞こえた]
私は、殺されるわけに行かないの。
それがツヴァイさんでも。
目を、覚まして。
[護りたいんだ…。]
『壊れてしまえば。』
[相反する気持ちは]
[どちらも男にとって本当のもので。]
[ベアトリーチェのベルトに指先が引っかかる。]
[知っている。――男の力で強く引けばそれが外れること。]
[ライヒアルトの突っ込みに言い返せず。
騒ぎは三階の休憩室から研究室へ行く途中で起こっていた。]
ツヴァイ、なに、一体。まさか、ピューリトゥーイ、
[ハインリヒがそうではないと結果が出ている事は知らないから、ピューリトゥーイなのだろうと思った。]
>>346
議員……
[言われていることが図星で、何も言い返せなかった。]
[そう、こんなんじゃ、今は誰も、僕では石にはできない。
飛び立たせるのは無理だ。
少しだけ、休むよ……
仲間に囁きながら……。]
駄目よ、 駄目、
[だめだ。それは。だめだ。
ちがうのに。ちがうのに。ちがうのに!
声が震えた。
だめ。そんなことをしたら、ころされて
いやだ。いやだ。おねがい]
ハインリヒ…!!
[腕を抑えるような格好。力にかなうか。どうか。
ベアトリーチェの手が伸びていくのが見えた。]
─ 廊下 ─
[最初に扉に寄り掛かっているゲルダを見付け、それから彼女が示す先に目を向けて、ハインリヒがか細い少女の喉に手を掛けている、その光景に目を大きく見開く。]
ベアトリーチェ!
[小さな、白い花が空を舞い、ヘルムートが居る場所に流れて来る。]
……っ!
[絞められた喉元。熱くて、痛い。バンドも、それに掛かる指先も、見えない。
それでも、首を絞める男の心は、視えた気がした]
こ、ろ、さ、ない、で。
あ、な、たと、あの、ひと、の、ため、に。
[口で形を作る]
―――…殺すんじゃない。
…助けるんだ。
[虚ろな紺青はベアトリーチェを映して、映さず。
そう――…あの時は。ミヒャエルの時は…。
できなくて、自らの手で 断ち切らせてしまったから。
今度は…今度こそ。救わなくては。救わなくては。]
[救わなくては。]
…リーチェ、 ごめん な…。
[背中の重み…誰の ものだろう。振り返ることはできない。
振り返ったら…男は、ベアトリーチェに ゆっくりと囁いて]
……それはわからん、が。
普通と言うか。
……正気には、見えんのは確かだな。
[ナターリエに答えつつ。
舞い散る白に、天鵞絨を数度瞬く]
……花?
なんで……。
[先に、通ったときにはなかったはずのもの]
−3F−
───ッ、何。
[ゆっくりゆっくり]
[遅れてやってくる]
[カメラは手放さないまま]
[息は上がらないけれど]
[上がるほどの速さではなかったし]
[漸く]
[辿り着いた渦中の場所]
[いばらは惑う 惑う
呼応するように 揺れている
花は咲いているのに
いばらが舞う]
アルドルフ!!!
[叫んだ。
抱きついた腕、頚に回すようにして]
やめ ―――なさいッ。
[彼をこうしてしまったのが
私の重ねていく罪なら]
……ッ
[苦しい。息が詰まる。
それでも―――彼がその手を緩めないのなら
腰に手を伸ばしてレイピアに手を掛けた。]
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