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……まったく。
とはいえ、俺としても無視はできないしね……色々な意味で。
できるだけの事はさせてもらいますよ、機鋼王殿。
……で、肝心の機鋼竜は、いつ頃動けるように?
[表情と声音を引き締めて問えば、クロムはありがとう、という言葉の後に、翼が完成してから、と問いに答える。
参考になるやも知れぬから、後で翼を見せていだきたい、との申し出には、はいはい、と軽く頷いて]
とにかく、今の内は俺にやる事はない、と。
まあ、正直な所、ずっと虚で眠っていて、この姿は久しぶりなので。
本格的に働かなきゃならなくなるまで、身体を慣らさせてもらいますか。
「もてなしの準備は整えてある。
ここにおられる間は、この中央塔以外の区画で自由に過ごして構わない。
この界は、【界の狭間】を模しつつ、あちらにはないものもあるからな。飽きはせぬだろう」
そうか。
じゃあ、楽しみにさせてもらいましょう。
[クロムの言葉ににこりと笑って頷くのと。
傍らのセレスティンがはっとしたように身を震わせるのとは、どちらが先だったろうか。
一歩遅れて、左の肩に止まる相棒──白梟のヴィンターがばさり、と翼を羽ばたかせる]
……どうした……っ!?
[問いは、途中で途切れる。
異変の気配──それが、感じられたから]
不意の力の揺らぎ。
それを感じ取った者は、果たしてどれほどいたろうか。
機鋼の界、それ自体を揺るがして。
力あるものへと投げられし、力。
訴えるよに、縋るよに。
それでいて、有無を言わせる事なきそれが行おうとしているのは──
─人間界・田舎町のとある宿─
「……っ!?」
大きな──大きすぎる、力の揺らぎ。
おおよそ『均衡』とはかけ離れたその波動を、彼が感知するのはある種の必然か。
遠くて近いその場所から感じた、波動。
それが力の均衡を大きく乱しつつある事は、容易に察せられた。
「……ハーヴェイ?」
突然息を飲んで虚空を見上げる様子を訝るように、名が呼ばれる。
それに答える事無く力の流れを辿った彼──影輝の精霊王は一つ、息を吐いた。
「……機鋼の精霊界で、何か、起きている。いや……起きかけて、いる?」
続いて零れ落ちたのは、こんな呟き。
「ここからじゃ、どうもはっきりしないな……一度、戻るべきか……」
「戻る……精霊界に?」
「ああ」
頷いて、かけていた眼鏡を外す。
碧から貴紫への、色彩の変化。
「何事もなければいいが……こういう時は、大抵何か起きるもんだし……な」
どこか冗談めかして言いつつも、その表情の真剣さは、事の重大さを容易に物語る。
『機鋼界では、確か今……備えておくべき……か?』
声なき声にて呟きつつ。
力ある王はあるべき場へと。
やがて異変に気づいたなら。
界を離れし諸王もそれぞれ場へと向かおうか。
十五番目の属の行く末、思いつつ。
─機鋼界中央塔・管制室─
「ギュンター、状況は」
「……界の境界に対する、関与の痕跡を探知。
現在精査中ですが、界の外部よりの立ち入りが複数感知されております」
機精の報告に、機鋼王は表情に僅かな険しさを滲ませる。
「なに……?
ギュンター、お前は界の見回りと、それから機精たちに過去の行動情報を提出させ、内容を精査せよ。
私は、念のため彼の『仔』の様子を見てくる」
御意に、と頷いて姿を消す機精を見送ると、機鋼王の視線は時空竜へと向けられる。
「……貴殿も、感じられたかと思うが……どうやら、覚えなき客人が来ているらしい。
もし、そのような迷い子を見かけたら、東部エリアの屋敷に案内していただきたい。貴殿も、滞在中はそちらで寛いでいてくれ」
[交わされる機鋼の王と精霊の言葉。
その内容に、翠と紫は険しさを帯びて]
……何やら、慌しいご様子で……。
わかった、もし見かけたら集めときましょう。
俺の方でも、探してはみる。
[客人の手を煩わせては、との言葉には、くく、と笑って]
なに、だいぶ長く寝てたんで、色々と勘が鈍ってる可能性もありますんで。
少し、エターナル・ロンドに力を通しておきたいってだけですから、お気遣いなく?
[冗談めかした口調でこう言うと、まだ落ち着かない白梟を宥め、それから、困惑した様子のセレスティンを振り返る]
……さて、それじゃ俺は行くけど。
君も一緒に来るかい?
─中央塔・外周通路─
[頷いたセレスティンを伴い、塔を取り巻く外周通路へ。
やや表情を引き締めた後、右手の腕輪に意識を集中する。
じゃらり、という音が響き、精霊鋼に良く似た銀の鎖が腕輪から落ち、次いで、金属音を響かせつつ、空間に陣を展開した]
エターナル・ロンド……力を、追え。
[外部より立ち入った者がある、と彼らは言っていた。
ならば、その者たちはこの地では異質な力の持ち主である、と言えるだろう。
機鋼の属を帯びた者は、世界の成長の度合いにもよるが、さほど多くはない。
界の力に紛れる事は稀だろう、と思いつつ]
……にしても。
起き抜けにこんな騒ぎにぶち当たるとは……やれやれ。
[思わず口をついたのは、こんな呟き]
少年 ティルがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(少年 ティルは村を出ました)
シスター ナターリエ が参加しました。
―西部エリア北西部:針葉樹の森―
[指先が痺れる感覚に、私(わたくし)は重い瞼を開ける。
視界に入る真白の羽は、横たわる身体に音もなく舞い降り続ける]
ゆ、き……何ゆえ…に…?
[呟きは天からの冷たき羽――雪に吸い込まれ、答える者はない。
凍える身体を真白の褥から起こし、私は淡い菫色の瞳をどこか見知らぬ森へと向けた]
学生 リディ が参加しました。
死ねば良い。
死んでしまえば良い、と思っていた。
勿論、そのときだって本気で生命が断絶してしまえば良いと思っていた訳ではない。
事実、自分がそう思った所為で誰かが死んでしまったら途方に暮れてしまうだろうし、しれは非常に困ったことになるという現実的な想像も認識も容易に出来た。そもそも、安易に他人の死を願うほど、生命というものを軽んじてはならないことはよく承知していた。
だから、ただの反抗心なのだろう。
それでもやはり、死ねば良いと思っていた。
時刻は少し遡る。
精霊界、翠樹王の居住地、緑の森には常と変わらぬ様子で木漏れ日が満ちていた。
「お母さまがしっかりしないからオヤジがつけあがるっていつも言ってんじゃん!
アンタ達二人、周りから何て呼ばれてるか知ってる?
『精霊界の割れ鍋に綴じ蓋』よ、恥ずかしい!」
ヒステリックな面罵を受けても、不遜に指を突きつけられても、翠樹王はただ、首を少し傾けて微笑むだけである。
そんな様子が益々腹立たしくて、
手の中でいまにも握り潰されんとしていた、赤いペンギンのぬいぐるみを地面に叩き付けた。ぼしゃり。
そば殻でも入っているのだろうか。重い音を立てて地面にめり込んだ赤ペンギンに、翠樹王の手がそっと伸びる。拾い上げようと屈んだとき、王の長い金髪が、柔らかく地面に広がった。
「リューディア。投げたら、可愛そう」
赤ペンギンをそっと胸に抱く翠樹王、もとい母親に対して、リディはかつてないほどの怒りを感じた。
時刻は少し現在に近付く。
精霊界、雷撃王の居住地では、常と変わらず乾いた風が岩肌のおもてを吹き抜けていた。
「ぬいぐるみなんか送って来るなって何度言えば判ンの?!
キモイっつってんじゃん!ていうかウザイし!
ていうか何でペンギンのくせに赤?!」
矢継ぎ早に罵声を浴びせられても、雷撃王は巌のように佇むばかりである。
そんな様子が益々腹立たしくて、
更に激昂して続ける。
「お母さまもお母さまよ、いつもヘラヘラして何の役にも立ちゃしないんだから、マジウザイし!馬鹿みたいだし!」
リディの矛先が余所へ向いたことを咎める為、雷撃王はリディの肩へ手を置いた。言葉を発する前に、諌めるような視線を送る。厳然とした顔付きは「裁定者」たる雷撃王に相応しく、有無を言わさぬ様相で厳しい。
しかし、リディは肩に置かれた雷撃王の分厚い手を払い除け
「触んなって言ってるでしょ!
オヤジ臭い!あたしまでオヤジ臭くなるし!ていうかキモイし!」
リディは、褐色の長い──母親/翠樹王によく似た──髪の根元を掴み
人間界へ遊びに行くようになってから護身用にと──父親/雷撃王に渡された──持ち歩いていた精霊鋼の小ぶりなナイフで切り落とし、
「もうこんな家、出てってやるっ!!
××××くそじじーっ」
雷撃王の反論の余地も無いまま、精霊界を飛び出した。
要するに、唯の反抗期だった。
余人に雷撃王の胸中に去来する思いを計ることは出来ない。
昔はあんなじゃなかったのに、というような内容の呟きが、吹きすさぶ風の切れ間に聞こえた気がした。
─機鋼界・中枢部外周区画へ連結する、エリア間通路のいずれか─
[いつものように(といっても今回は遊びに行くんじゃなくて家出のつもりだったけど)人間界へ向かった筈なのに、見たことの無い場所に立っていた]
あれぇ……。
ドコよここぉ……。
あの××オヤジ、何か細工しやがったな……!
ていうか意味判んないし!
もー……。
[未だ、誰にも発見されることは無く、進むことも戻ることもせずただ、広くも無い通路にぺたんと座り込んで、無理に切り落としたためにざんバラになってしまった短い髪を弄って*いた。*]
[此処より前に居た処を思い起こそうと、目を閉じて記憶を辿る。
瞼の裏に浮かぶのは、一面の空の青と白き雲海。
そう、私は――天を渡っていたはず]
……私は、悪しき夢に捕まったのであろうか。
否、夢であればいつかは覚める…それよりも、
[白金の蓬髪を緩やかに振り、薄布のように纏い付く雪を払う]
…せめて、天の青の見える処へと行かねばの。
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