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[暫く窓の外を眺めていると、先程の二人の客人のものとは違う、赤い髪の色が目に映った]
嗚呼、また外にいらしたのか。
[息のような声を洩らす。
それから窓を離れ、墓守は部屋を出た]
旅の方……
[女の抑える金色の鮮やかさに、ほうと息を吐いて]
私は、麓の村の方から…久しぶりに、顔を出そうと思って。
特別に呼ばれた訳じゃないんですけど、以前はそれなりに訪れていた場所ですから。
[扉に手をかけた丁度その時、使用人が顔を出しただろうか]
久しぶり。ソフィーです。
アーヴァインおじさまはお元気?
[使用人と、館の中に向って声を発する]
[玄関前に居た女性はどちらも見覚えはあった。
見覚えがあったとは言え、進んで声をかけるほど親しく─ラッセルにとっては大概の人物がその対象なのだが─はなく。
けれど見知っているが故に声をかけるかどうかを迷う。
両腕に籠を抱えたまま、玄関前に居る女性二人をラッセルは困惑した表情で見ていた。
玄関に入りたいが、二人が居るために近付きにくいと言うように。
玄関からではなく、裏口から入ると言う考えにまでは至らなかったらしい]
ああ、村の方。
久しぶり、という事は、里帰りか何かかしら。
[何気ない口調でこんな事を言いながら。
開いた扉の向こうに見知った使用人の姿を認めれば、優雅な笑みと共に一礼を]
お久しぶり、また寄らせていただいたわ。
アーヴ殿は、お元気?
[それから、ゆっくりと視線を巡らせる。
碧が捉えるのは、野菜の籠を抱えた青年]
そんな所で、どうしたのかしら?
[呼びかける声は、からかうような響きを帯びて]
ええ、そうですね。
里帰りというか……まあ、里帰りです。
[帰るだけで、二度と行かない里帰り。
積極的に口に出す話題でもないから、適当に話を濁す。
紅の女の声に、誰かまだ外に居たのかしらと首を傾げるが。
使用人に従って、素直に館の中へと足を踏み入れた]
……三年経っただけじゃ、あまり変わらないものよね。
[屋内特有の温かな空気に、安堵の息を、ひとつ]
― 一階廊下 ―
[部屋を出た墓守は階段を降りる。
使用人の応対の声と、名乗る声を耳にした]
成程。
どなたかと思えば、ゲイル様ですか。
[記憶を引き出しながら一階まで降りた。
丁度使用人の後ろに、推測した通りの客人の姿が見える]
久方振りです。
[腰を曲げて一礼した]
[赤を纏う女性──キャロルの視線がこちらを向き、ラッセルは小さく身を竦ませる。
少し後退ってしまうのも、いつものことだった]
………なん、でも。
[押し殺すような、掠れた声は相手に届いただろうか。
顎を引くような仕草をし、前髪で目元を隠した]
[濁された話題は、特に追求するでなく、そう、とだけ返す。
元より、そう深い意図があった言葉でもなく]
あらあら……相変わらずですこと。
[後ずさり、掠れた声を返す青年の様子に、ふふ、とたのしげに笑う]
それより、中に入りましょう?
風が冷たくなってきていてよ?
[足を止めていた理由は何となく察しながら、それを表に出す事はなく。
こんな言葉を投げて、館へと足を踏み入れる]
ユージーン!
ええ、こちらこそ。お久しぶりね。
[姓を呼ばれて、少々くすぐったそうに笑いながら。
記憶の中の、確かに見た顔に、安堵の笑みを深くする]
ごめんなさいね、急に尋ねてきちゃって。
村に戻ってきた以上は、おじさまの所にも顔をだしておきたいと思ったから……
せめて連絡はしておくべきだったかしら。
[礼を向けられれば、こちらも深々と礼を返した]
お変わりないようで。
[相手の深い笑みに返すように、墓守は目を細め、口角を上げた]
いいえ。
御主人は喜ばれると思いますよ。
元よりこのような場所では、連絡もし辛いでしょう。
[首を傾け、言葉を続ける]
[笑われて、更に視線が下を向く。
表情を隠したまま、眉根を寄せ、眉尻を落とした。
人と対面して話すのが苦手なのは変わらず、変えられないのだ]
…………。
[中へ、との言葉に返す言葉は出て来ない。
キャロルが中へと入ったなら、少し後にラッセルも玄関内へと入り。
そのまま玄関に居る者達をすり抜け、厨房へ向かおうと足を速めた]
あなたも、相変わらずのようね。
お墓の方はどう?
[ユージーンの表情に、笑みを崩さずに頷いた]
おじさまが喜んでくれるのなら、これ以上の事はないわ。
小うるさい小娘だと思われていないと良いのだけれど。
[ついにくすくすと笑い声を洩らす。少しだけ自嘲気味に響いたかもしれない。背後の気配には顔を上げて、小さく礼を向けた]
[玄関からの声に、改めて首をそちらに向けた]
久方振りです、オレアンダー様。
[姿を現したもう一人の客人に、先程のように腰を折り、深く一礼をする]
御帰りなさい。
[擦り抜けて行く青年には、見送りつつ声だけを投げた]
[答えがないものいつものこと、とわかっているから更に言葉を重ねる事はなく。
こちらを見、深く礼をする墓守に流れるよな一礼を返す]
お久しぶり、墓守殿。
近くまで来たから、また、寄らせてもらったわ?
そうですね。
このところ風化が酷くなっていまして。
今度石工さんに頼みに行こうかと思っています。
[墓についての問いには少しばかり眉が下がるも、表情は然程変わらなかった]
とんでもない。
このところは客人がなく、寂しがっていましたから。
[言葉に混じる自嘲の色には気付いたか否か。
墓守は静かに笑んでいるのみ]
そうでしたか。
賑やかになって、御主人も喜ばれるでしょう。
[踊り子にもまた、先程と似たような言葉を向ける。
それから少し足を進め、振り返る]
ぼくは少し外に出て来ます。
どうぞごゆっくり。
[二人の客人にまた深く礼をして、墓守は玄関へと*向かった*]
雨は仕方がないし、ここは風も強いものね。
お疲れ様。
[語彙の少なさを微かに呪いながら、ねぎらいの言葉をかけて。玄関へと向かう墓守の姿を何気なく見送った]
[埃も何もついていないのだけれど、穿いている黒いスカートを一度払って。廊下の窓から、ぼんやりと曇る空を見上げている**]
アーヴ殿は、賑やかなのがお好きですものね。
[墓守の言葉にたのしげに相槌を打ち]
いってらっしゃい。
[外へと向かう背に、こんな言葉を投げかける]
それでは、まずはアーヴ殿にご挨拶、かしら。
天気もよくなさそうだし、しばらくお世話になるかも知れないし。
[一瞬、窓の外へと視線を走らせてから。
女は小さく、*呟いた*]
[人の居る場所から離れようと、逸るように足は動く。
先に玄関に居た女性──ソフィーにも挨拶などはせず、共にこの屋敷で過ごしている墓守──ユージーンに声をかけられても、いつも返す一言も無く軽く視線を向けるのみとなった]
[玄関から離れ、話し声が遠ざかって行く。
厨房が近くなって、ようやく歩く速度が緩んだ]
……しばらく居る、んだろうな……。
[小さな溜息が零れる。
『人と話す』ことが苦手であるため、来訪者と顔を合わせるのは時によって苦痛に近い。
話を聞けると楽しみにしている使用人達の気持ちは理解し難かった]
……この家に居る人でさえ、話し難いのに。
[腕に抱えた籠に視線を落としながら、小さく呟いた。
そうして近付いた厨房へと入って行く。
誰かが居ても声をかけることなく、そっとテーブルの上に籠を置き。
逃げるようにして厨房を立ち去るの*だった*]
さて、廊下で佇んでいても仕方ないわね。
……アーヴ殿にご挨拶をしたいのだけれど、よろしくて?
[シャラン。
使用人を振り返って問う動きに合わせ、腕に通した銀色の輪を連ねた腕輪が音を立てる]
今は、書斎?
ああ、案内はいらないわ。
覚えているから。
[使用人からの返答に優雅に微笑むと、勝手知ったる様子で館の主の書斎へと向かう。
女性が共に、と言うならば、連れ立って歩き。
名を問われるなら、冗談めかした口調で告げる──『夾竹桃の舞手』と]
お久しぶりね、アーヴ殿。
皆様、お変わりなくて?
[久しぶりに顔を合わせた主と、二言三言、他愛ないやり取りをして]
天気があまりよくないわ。
長逗留になりそうだけれど、よろしくて?
対価は、いつものよに舞と、遠方の物語になるけれど。
[冗談めかした言葉に返るのは、承諾の言葉。
部屋の用意ができるまでは広間で寛いでくれ、と言われ、浮かべるのは感謝の笑み]
ありがとう。
……ああ、ところで。温室の花々も、変わりないのかしら?
……そう。なら、後でお邪魔するわ。
[去り際、こんな言葉を投げてから。
シャラン。
銀色の輪を鳴らしつつ、広間へと]
─広間─
[広間には、既に茶の支度が整えられ。
熱い紅茶のカップを手に、窓辺に佇む]
……酷く荒れなければよいのだけれど。
[呟きつつ、見やるのは、窓の向こうで揺れる白の花]
―外―
[玄関先で黒い外套を纏い、墓守は館の外へ出た。
白い花の咲く間を踏んで、黒い墓石の元へと辿り着く]
嫌な空ですね。
[周囲に人が居らずとも、墓守の口調は然程変わらない。
石の天辺に片手を置き、曇天を仰いだ]
雨で道が崩れたりしなければ良いんですが。
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