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[ゆる、と瞬いて。
ここはどこだったかと、しばし、悩み]
……じゃ、ない……。
[ぽつり、零れた呟きには、微かに安堵の響きもあろうか。
それから、抱えていた物の喪失に気づき、ひとつ、まばたく]
……鞠……。
[どこへ行ったかと見回せば、そこでようやく、縁側で寛ぐ姿に目に留めて]
[手を伸ばすや否や、迷う内に視界に入る藍墨茶。
琥珀の眼差しを上げれば、笑み湛えるよに細めし紫黒。]
さて、そなたもかなたのもお目覚めか。
[ぼうとした童に視線を投げて、そう呟く。]
[ゆるり、夢から目覚めればとうに見慣れた天井が視界に入る。
思わずはあと溜息を吐き]
―夢にしちゃあ流石にちと長過ぎやしないかね?
[そのままゆるりと身を起こし、遅い朝餉の席につく]
ええと……おはよう? ねえさま方。
[起き出して、礼を一つ。
音彩はまだ寝ているのかどうか、それを確かめる猶予も今はなきようで。
掛けられていた薄布を丁寧に掛けなおし、自身は転がる朱と金の華の紋を追う]
朝なのか昼なのか夜なのか、
さても目覚めの時はお早うと言えるかな。
[組んだ腕は藍墨茶の袖の内に隠される]
夢なのか現なのか幻なのか、
さても今ここにあれば何れも同じたるかな。
[庭へと落ちて汚れる前に、朱と金の華をすくいて差し出さん。]
ほれ、そなた。
迷わぬようしかと抱いておれ。
[舞扇を失くした自身を思うたか、やや眉は顰められたままに。]
[転がる華の紋は、差し伸べられし白き手に止められ。
言葉と共に差し出されたそれを、そう、と両手で受け取る]
あ、ありがとう……ええと?
[安堵の声を漏らしつ、名を呼ぼうとして。
未だ、それを聞かぬままと気づき、首を傾げる]
目覚めたであれば、お早うでよかろ。
我は先に朝餉をいただいたがの。
[誰とはなしに告げて、摘んだままの干菓子を口へと放り込む。
指を舐めるは我慢した。]
[朝餉を終えてなんともなしに縁側へと出てみればまたも見知らぬ顔が一つと知った顔が二つ]
お早う、あやめの姐さんは早起きなこって―
迷い子の多いことだね。
見つかれば好いのだけれど。
さてな、こちらは疾うに頂いた。
濃色の童、風の坊はいかがかな。
[朝餉は、と問うて、こてり、首傾げ]
お早う、象牙の旦那。
はてなさてな、
然様なつもりはなかったけれど、
其方が遅起きなのではないかな。
[返す声には悪戯な響きを帯びさせる]
ねえさま?
そなたはあやめ殿の身内かの。
…髪色は似ておるが。さてさて。
[袖を前に組むおなごと童を見比べ、やや首を傾ける。]
ああ、我か。
我はゑゐか…えいかじゃ。
[首を傾げる姿に短く告げて、冷たきびいどろに撫子色を寄せた。]
[やって来た雅詠にぺこりと礼をし。
あやめから投げられし問いに、ゆる、とまばたく]
風漣は、今、目が覚めたの。
[だからまだ、と、そう返し]
えいかの……ねえさま?
[告げられた名を、首を傾げつ、呼んで。
身内か、という問いにはふるり、首を振る]
……どうなのだろ? 風漣にはわからない。
風漣は、目上のひとは、にいさま、ねえさまとお呼びしなさいといわれたから、そうお呼びしているの。
[誰に言われたか、は霞の彼方なれど、その言いつけだけは残るが故に、そう呼んでいるにすぎぬと。
童にとってはそれだけの事、特に意図などはなく]
身内。
さてな、どうだろうね。
そうであればうれしやと思うけれど。
[真似るように首を傾いで口許に笑み作る]
生憎と、生憎と。
物心のつきし頃にはひとりであったと記憶している――
はて、不思議だね、名以外にも覚えがあるとは。
遅いつもりはねぇんだがな。
[あやめの言葉に苦笑いを返し、他の二人の方に]
俺は雅詠ってんだ―何時までかはわからねぇが今しばらくの間宜しくな。
[ぴくり、と微かに指先が振るえ、そして蜜色が光を見る。
少し眩しそうに瞳を一度二度瞬かせ]
…我は誰そ。
……我は揺藍。…揺藍。
[言葉を重ねる。小さく、小さく欠伸を一つ。ふわり。
するすると袴の裾を引きずりながら童子を探す]
…湯浴みをしたいのだが。
[梔子色の結わきを解けばくすんだ空色が風に踊ってさらりと落ちる。
童子に導かれるように奥の間へと進み]
[あたたかな湯はどうやら天然のものであるらしい。
衣を脱ぎ捨て湯に身をしずめ──
暫しすれば濡れた髪を下ろしたままふらふらと縁側に現われようか]
そうかい、それなら朝餉を貰うと好い。
育ち盛りの坊に足りるかはわからぬけれど。
[猫の如き眼細め浮かぶ微笑は柔らかく]
その前に顔を洗うた方が好いかも知れぬね。
寝惚け眼の侭ではまた鞠に逃げられてしまう。
[露に濡れたびいどろを置けば、象牙の髪のおのこの姿。
それに礼をする童の声に、琥珀の眼差しは揺れて伏せられる。]
風漣か、よい名じゃの。
[そう呟くは、せせらぎを模した菓子を見つめてか。
されど己を呼ぶ幼き声音には、ゆると頭を揺らして見上げ、]
さてさて、どうであろうの。
我はそなたに敬意を払われるものではなかろうて。
[えいかでよい、と言い置いて。
空のびいどろと干菓子を残し、袖翻して立ち上がる。]
[朝餉を、との言葉に、ひとつ頷き]
鞠、逃げてしまう……?
[ついだ言葉に、思わず腕の中の鞠を見やり、それから、はあい、と頷いた]
……でも……よいの?
[言い置かれたえいかの言葉に、また首を傾げ。
新たに現れた空の色彩にまた、ゆる、とまばたいて]
なぁに、象牙の旦那。
其方が此方を早いと感じたように、
此方は其方を遅いと感じたのだから、
仕方なかろうて。
[言の葉にて遊ぶような物言いして眼移す]
空の君もお早うかな、
濡れた髪なればまるで海のようだけれど。
そうか、すまぬの。
[遠まわしに否と言うあやめに短く詫びて、続く言葉に瞼伏せ、]
いかな不思議も天狗の仕業。
なれば不思議も不思議にあらず。
[すいと琥珀を逸らして傍をすり抜けんとす。]
好い返事だね、風の坊。
そうそ、逃げられては大変だからね。
失くさぬよう、しっかりその手にお収めよ。
己が手に届くものは大切にしておくと好い。
離れてしまえばもうかえりはせぬのだから。
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