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[外からの不穏な気配に、パトラッシュと同じようにメンテナンスをしていたジョエルの装置を止めたところで、どさり、と何かが落ちる音がした。]
──…え?
[後ろから聞こえた音に視線を向けると、そこには倒れている同僚とそちらに銃を向けたまま立ち竦んでいる同僚の姿があった。]
……何を、した。
[かろうじて問う声は出たものの、それは掠れて聞こえ。
銃を持った同僚は返事をすることはなく、こちらに向ける瞳は虚ろなものだった。
手にされていた銃は、そのままこちらに向けられて。]
───……っ!
[咄嗟に銃に手をかけ、同僚へと引き金を引いた。]
─ 第一階層・通路 ─
[ズボンに結えられた子供用の端末は、使い慣れしてないせいで飾りと化していた。
腰の辺りでぴこぴこ点滅し受信を表している>>11のだが、上着に隠れて気づかない。
なおバイブレーション機能は普段走り回るせいで全く意味を成していなかった。
と、遠くで何やら音がした。
普段は全く聞いたことがないが、ゲームや何かで聞くものに似た音だった。
ぴたりと足を止めて、きょとりと周囲を見回すと、先のほうにあった扉が開いて知った顔が見えた。]
あっ、ノブにーちゃん!
[その背後で外へ出て行くノブに対して怒鳴り声のようなものは聞こえたが、いまいち理解出来てはいない。
ともあれ子供は知った顔めざして、わりかしでかい声で名を呼びながら駆け出していた。]
―第一階層・整備室―
[ジョエルの問いかけにもいつもならば反応したのだろうが、今は目を向けすらしなかった。
許しを得て整備台から降ろされた機械犬は、落ち着かない様子でたたと部屋内を駆ける]
「今の音は」
「PMC」「見つかった?」
「擬態するって…」
「まさか――」「違う、オレは」
[立てたままの耳は、断片的に周囲の言葉を拾い]
[勿論、ごく近い場所で起きた銃声も例外なく]
[放たれたエネルギーはそのまま同僚の額を撃ち抜いて。
ゆっくりとした動きで後ろに倒れ込んだその体から、何かが這い出てくるのが見え。
平べったいゼリーのような、粘ついているようなそれは這い出てそのまま力尽きたように動かなくなった。]
……あれ、は…
あれが、PMC、か…?
[その疑問に答えるものはあったろうか。
しばらくの間、呆然と*それを見ていた。*]
―第一階層・整備室―
[銃声。倒れる整備士。銃を向ける虚ろな目。
一瞬にして静まり返った整備室。
リディアの掠れた声>>20ですら、機械犬の耳がクリアに拾う程に]
[リディアが装置を止めてくれる>>20と身体が自由になる。緩く目を伏せ、脳内で電子音-piiii-を響かせた。正常起動完了の合図だ。
いつもなら一瞬のソレでも、今はその一瞬が命取り。
どさり、
音がして、少しの間の後、顔を上げる。
対峙するのは知った顔同士。
脳内で響いたのは、電子音-vuuuuuu-。]
リディア、
[銃声を止めるには遅すぎた。止めるための声だったかもわからない。目の前で倒れた整備士の一人から出て来たのは、見たことのないもの。]
あれが?
[電子音-vuuu-の後に答える声は、いつもと違う事もない。]
情報と合わせるとその可能性は高いか
ひとつ、退治だな
―第一階層・整備室―
[発されたエネルギー。
倒れた身体から這い出る生物。
「PMC」のことば。
肯定する声>>26は、はっきりとしたものではなかったが、それでも]
[張り詰めていた空気が爆発を起こすには、十分すぎる燃料]
─ 第一階層・通路 ─
なに?何かあったの?怒られた?
[異様な雰囲気は感じ取るものの、その深刻さまではやっぱり察知できなかったが。
ノブの足元に何かが飛んできたのを見ると、びくりと一瞬身を竦ませた。
それが何か、をきちんと理解する前に、怒られたりなんたりしたせいで人恋しいのもあって、どーんと父親にするのと同じように抱きついた。]
だってボタンに手ぇ届かなかったんだもん。
[上まで来たいいわけはそんな感じで言うが、多分説明は足りてない。
ノブがレーザー銃に手を伸ばすのを、きょとんとした調子で見ていた。]
─ 第一階層・整備室 ─
[静まり返った整備室に、うっかりその声は響いてしまったのだろう。パトラッシュの思考>>27の通りなのかどうか、空気は、爆発する。]
「…、…… ひっ」
[別の整備員から悲鳴があがる。]
「うわああああああああああああああッ!」
[搾り出すような悲鳴が整備室にも響き渡った。
持っていたレーザー銃がジョエルを狙う。左腕を掠めた。反射的に声が出るようにも出来ていないので、無言で瞬く。]
…
「知ってる、知ってるんだお前が手先なんだろうこっちでもメンテしてやってたのに恩を仇で返しやがってどうせあいつのPMCもお前が持ち込んだんだろ!!」
[言われる言葉に瞬きと同時に電子音が頭の奥からもれる。-jeeeee-
どうやらサボタージュ回線の常連らしかったその整備員は、火種>>1:193>>1:194を 表に出した。
連鎖するように、辺りでも声があがるだろう。]
―第一階層・整備室―
[さて、現段階で機械犬に赦されているのは、明らかな敵に対する攻撃行為。
この場合の“明らかな敵”とは、己を害しようとする者のこと。
警備ロボットに危害を加える必要など、乗組員にはないからだ――通常ならば]
[それはこのイレギュラーな場でも“正常に”働いた。
ジョエルに対してのものか、それとも他の者へ向けられたものか。
一つの流れ弾が、落ち着きなく動き回っていた機械犬の鼻先を掠めたことによって]
─ 第一階層・通路 ─
ああ、ちょっとね。
お前を探しに行こうとしたから怒られたんだよ!
[タックル状態>>28を抱き止めてから、ぺし、とデコピン狙い一発。呼び方が前より気安くなっていた]
第二階層の方が低い位置にあるだろ!
そも一緒にいた人に頼んで押してもらえば良かったんだ。
まあいい。怪我の功名だと思おう。
[言い合ってる内に扉が開いて人影が飛び出してきた。
その手元が光って顔を掠めるように光が背後まで抜けていった。
振り返るとこちらも同じように構えて引き金を引く。
胸近くを線が貫いて倒れる相手。ヒクヒクと痙攣している]
頼むから離れてくれるなよ。
カルロスさんのような専門家じゃないんだから。
─ 第一階層・整備室 → 廊下 ─
[ジョエルに向かった銃弾が、誰かを掠める。その誰かがさらに銃弾を、そしてまた、 連鎖。
電子音 -緊急事態確認--プロテクト解除--コードOK--…- -piiiiiii- リディアに施された簡易解除が作動する。解除に沿うように、携帯したレーザー銃を一度、人間に向けようとして、]
…
[電子音-viiiiiiii…-]
[やめ、そのまま走り整備室を出ようとする。
銃弾が辺りを駆ける。
運動機能は高性能な方だったが、銃弾を避けるレベルではない。元々戦闘には向いていないタイプなのだ。
最初の彼の言葉から、とりあえずの標的は自分のようなので、ここから離れたら整備室は静かになるだろうと思考は回った。――それが正しいかどうかは、解らないが。]
パト
[一発の流れ弾がパトラッシュへと飛んだのが傍目に見えた。名前を一つ呼んだだけ。リディアも避難はしているだろうか。
連鎖のおかげか、運がよかったのか、ジョエルの整備室からの脱出は叶うだろう。]
―第一階層・整備室―
[機械の脳は、それを“敵”の攻撃と見なした。
金膜の奥の赤い光は整備士の一人を捉え、
常より機械的な動きで開いた口からは銃口が覗き、
躊躇うことなく銃弾を撃ち込んだ]
―→第一階層・廊下―
[彼の人物がPMCに憑かれていたかどうかなど犬は知らない。
知っているのは、先程の弾を放ったのが彼であるという事実だけ。
“通常ならば”それだけで十分。
だからその顛末も、それにより更に悪化する状況も、機械の目は捉えることなく]
おんっ
[ジョエルの呼び掛けへの遅れた返事か。
一声鳴いて、部屋を飛び出した**]
─ 第一階層・通路 ─
に゛ぎゃー!ごめんなさーい!
[自分のせいとか言われてべしぃされたら>>31、ちょっと痛かったし謝った。]
おれ二階も一階も届かないんだってば!
しょーがねーから、銃投げて押したんだもん。そしたらこっちに当たったー。
[残念な事に二回投げるという頭も無かった。
もっとも何度も投げて、うっかりどこかに当たって暴発なんて事態にならなかったのはきっと幸いだ。
押してもらえばとか言われたら、あっとか今更おもいつくのだった。]
そっか、おっちゃんに押してもらえば良かったんだ!
にーちゃん頭いいなー。
[こうみょう、がよく分らないまま感心していたら、何かがノブの顔元を掠めていった。
ぱちりと瞬く。何が通っていったのか、実弾など見たことのない子供には理解が追いつかなかったが。
その後でノブが銃を取り引き金を引く動作を、目を丸くして見ていた。]
[視線は銃口が向いた先へと移る。そこには胸を貫かれて倒れる人がいた。
レーザー銃で撃たれたのなら、血はさほど流れてはいないだろうか。
どのみちそれらを少しの間、硬直したまま凝視していた。
離れるな、との声よりも、父親の名前にようやく頷いて反応を返し。
ノブの服の裾をぎゅうっと握って、離れようとはしなかった。]
に、にーちゃん…何?
なんであの人、にーちゃん撃ったの倒れたの?
[まだ、震えてはいないが。
ようやくじわりと感じ取った事態の異様さに、ただただ身体を強張らせていた。]
― サボタージュ回線 ―
[既にその名で呼ばれるにはふさわしくない内容の回線は、煽りと情報、誤情報で溢れ返っていた。
逃げたジョエルに気付いただろう常連の整備員は、整備室を出、探し回りながらも回線をつなげただろう。]
『あのゾンビ野郎!
PMCを持ち込んだ事否定しやがらなかった!!』
『はあ?なにそれどういうこと??』
『整備室もダメだ、PMCが居た もうだめだ!
同僚が目の前でとち狂ったんだよ!』
『こっちでもみた 』
『どんだけいるんだ…』
[火種も波紋も、表に広がる。]
―第二階層・エレベーター前―
[後ろの方でどたばたと駆ける足音、まっすぐにこちらに向かってきている。
振り向いてレーザーガンはいつでも抜けるようにそちらに手をやり。
見えた姿、4人が武器を持っているのを確認すると迷わず手にしてからそちらに向けて]
廊下は走るなって、先生に教わらなかったか?
[冷静さは失わない。息子のことも気がかりだが、自分が動じていては元も子もない。
子供に諭すかのような言い方は、ただでさえ平時ではない向こうをさらにいらだたせることにはなるか]
何があった?PMCか?それとも早まった馬鹿がでたか?
[問いかけにいっせいに口を開くので話が理解できない]
ったく…、お前が説明しろ。
[一番右端にいたやつに説明をさせると、どうやら同僚の一人が突然叫んで一人を打って、そいつを別のやつが撃とうとして隣のやつを撃ってしまい、
それから乱戦のようになって自分達は逃げてきたと、エレベーターに向かったのは他の階層、できれば安全そうな第一階層に向かおうとしてと説明された]
なるほどな。それでその中にPMCのやつはいたのか?
[わからないけどなんか粘っこい物体が染み出したやつがいたと。
ちょうどよかったから第一階層に連れて行ってほしいとついでに告げられると首を横に振り]
俺からその許可を下ろすことはできない。
そもそもお前達のIDではいけないはずの場所だ。
[上でも騒ぎが起こっていることはまだ知らず、そこにまで騒ぎを広げないために通すつもりはなかった。
それでも銃口を向けながら、通さないと撃つと告げる相手に迷わず銃口を向けて引き金をひく。
他の3人がそちらを驚いた様子でみている]
銃口を向けたら撃たれる覚悟はしておけ、と言ってももう聞こえていないか。
[額を貫かれた死体からうじゅーっと何かアメーバ状の物体が染み出していく]
[他の3人が慌ててこちらに銃口を向けてきたので]
話…聞いてなかったか?
[一人、二人と続けてその額を撃ち抜き、3人目の発砲は体を横にそらして避ける。
素人の撃つもの、しかも銃口をわかりやすく向けて確認してから撃ってくるのに簡単にあたるつもりもない。
最後に一発三人目の額にも穴を空けて倒れる死体からはそれぞれうじゅーっとPMCが染み出して動かなくなる]
4人ともかよ……
[通さなくて正解だったなと心中で呟き、エレベターの端末を改めて操作しようとIDカードを*かざした*]
― 第一階層・通路 ―
少しでも安全な場所を探そう。
冷静な相手とは一緒に行動するようにして。
[今はまた閉まっている艦橋の扉を見る。
エリカは無事だろうか。荒事の経験もあると言っていたのを信じるしかない。オーフェンを連れて戻ることは出来ないし、かえって足手まといになる可能性もある]
カルロスさんとも合流しないとな。
心配してるぞ。
[不安だろう少年を落ち着かせるために。
なんとか笑顔を作るとそう言って、移動しやすいように手を握り*直した*]
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