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[広場に差し掛かったところで、ふと空を見上げた]
能力者の血脈、か。
[その昔、追い求めたもの。
人狼に対抗できる力。すなわち人狼を下すことのできる力]
…今はもう、欲しくも無い…。
[ミリィの家へと向かう足が止まる。
口の中の苦さに、僅か眉を寄せた]
嫌がっても、事実は事実ですからね。
[首を振って、くすりと笑う。
流れるピアノの音に、耳を傾ける。目を閉じる。]
……綺麗な音。
[世界がこれぐらい綺麗だったら良いのに、と思った。]
……ああ、昔から知ってる者同士なら。
そうですね。
いえ、ひとつのヒントにはなるんじゃないでしょうか。
……じゃあ、イレーネさんの方が怪しい?
[問い返す。]
変容に。
変容が、
重ね…… 聞、えた。……る。
ああ、――嗚呼!
――赤いモザイク!
[身体を丸めるように座り込んだまま。押さえられるのはいつしか両耳になり。指先から始まった震えが徐々に全身へ伝わっていく。声も少しずつ高さを増し、最後には叫び声となって]
……そういう問題なのかと。
[はあ、と。零れるのはため息一つ。
鍵盤の上、織り成されるのは穏やかな旋律。
風と空を思わせるような]
ま、ある意味では腐れ縁だけどね。
……怪しい、というか。
信じるための要素が、足りん。
行動に整合性はあるが、何か……見え難いとでも、いえばいいか。
俺が、あの子の事をよく知らないのを差し引いても、ね。
馬鹿だな。
[嘲りを帯びた笑みは、何に対してか。
先ずは青い髪の女の傍に膝を突いた。
口煩くて御節介で勝気で、それでいて心配性な姉の首筋は掻き切られて、顔までもが真っ赤だった。左の掌で、袖で拭い取り、目蓋を閉じさせた。
そして、己の腹部に手を添える横たわる女の傍らに。それはまるで、喪くした子を求めるが如く。
優しい姉だった。人の醜い部分など、持ち合わせていないかのようで――だから。
待ち望んでいた子は世を見ることはなく、彼女の微笑を見ることもない。
頬を撫ぜる。
それから、彼女の左手を取った。薬指には、誓いの輪。
其処にそっと、口接けを落とす]
……ごめんね?
[嘆く事もなく。ただ。口唇は微かに、弧を描いた]
……くッ、
[息が漏れる]
あ、はは、は、は、は、はははは――
[途切れ途切れに、それでも、笑いが込み上げた。
彼方此方は血に濡れて、酷い状態だと思った。他者が見れば如何思うだろうか。そんなことも考えはしたけれど、如何でも良かった。
嗚呼、可笑しい。
次第に呼吸が出来なくなり、噎せた。
それで漸く涙が滲むだなんて、笑い話でしかない]
[ピアノの傍にやってきて、それが奏でる旋律を楽しみながら]
良いじゃないですか。
羨ましいですよ。誰かとそういう関係があるって、素敵です。
信じる要素が足りない、ですか。
確かに、そういうところはあるのかもしれません。
私がアーベルを信じかけてるのは、んー……
巧く言えませんが、人狼がこんな風に、
私だけに能力のことを教えるだとか、
それを元に色々考える、だとか、
そんな面倒なことやって何のメリットがあるのかなぁ、って。
そう思ったからで。
あと、アーベルは判り難い人ですけど……その真意は判ることが多いんです。
ですから、信じられるかな、って。
[静寂の中、声は妙に響いた。
不意に、ぴたりと収める。
表情は失せて、其処には何も無い。
立ち上がり寝台から毛布を剥ぎ取ると、二人に被せて]
... In Paradisum deducant te Angeli,
お休み。姉さん。
[小さく、小さく、囁いた]
う……う、……嗚呼。
暗き影は、……来たり。
崩れたる塔は、地に染み渡らん。
[呻くように言いながら、ゆっくりと立ち上がり。おぼつかない足取りで広場へと向かう。入り口に着き、噴水の辺りまで来たところで一旦足を止め、耳を押さえる手の力を強めた。視線を彷徨わせ]
行かねば、
[カウンターにも誰も居らず、注文も出来ずに立ち尽くす。
厨房に居るのかと奥に声をかけようとした時だった]
……?
[宿屋の奥から微かに聞こえる笑い声。
その声は途中で噎せるものへと変わり。
一体何事かと奥を窺った。
聞こえた笑い声は聞き覚えのあるもの]
…アーベル?
[奥のどこに居るか分からないために従業員用通路へと顔を覗かせるだけにして、声の主の名を呼んだ]
[口許を拭う。
既に手も染まっていたから、それは、赤を広げるだけに過ぎなかったが。
微かに、音――己の名を呼ぶ声が届く。
軋む扉を押し開け、閉めもしない侭に、薄暗い廊下へと出た。
声のした方へと、顔を向ける。幽鬼にも似た態で]
…ねぇミリィ。
一つだけ、謝らなきゃいけない事があるの。
[眠れる親友の傍らに顔を埋めながら、ぽつりぽつりと呟く。]
私…信用するのは二人だけ、ってユリアンに言ったんだけど。
その二人の中に、ミリィは居なかったの。
…ごめんね。
[抑揚のない声色は、傍に居ると書き残した親友に届いただろうか。]
[広場に踏み入り、一度奥へと視線を投げる。
昏い翠が虚ろに静寂に包まれた宿を見る]
[しかしすぐに首を振ってミリィの家へと歩き出す。
イレーネを待たせてしまっている。すぐにも騒ぎになるであろう状態で、一人のままにはしておけなかった]
そういうもの、かな。
まあ……そうなのかも知れないけど。
[繋がりに関する言葉には、曖昧な呟きを落とし]
あの子の場合は他者との接触が限られる分、表現下手なのかも知れんが、ね。
……ま、普通に考えたら、人狼がわざわざ家に来てあんな話をする必要はない。そういう視点からも、信は傾く。
[言いつつ、ふ、と手を止めてユーディットを見やり]
その評価は、同意しよう。
[最後の言葉に向けたのは、どこか冗談めいた言葉]
……さて、取りあえずは、今浮かんだ音をまとめちまうか……忘れない内に、書き留めておかないとね。
それが一段落したら、少し、外に出るから。何か、変化があったかも知れないし。
[言いつつ、再び譜面とペンとを手に取る。
後に知る『変化』の事は、未だ*知らぬままに*]
でも、ミリィが私を信じてくれてるのも、私を好きでいてくれるのも、たくさん優しいのを、あたたかいものをくれた事も、みんな嬉しかった。
嘘をついたけど、親友だと思っていたのは本当だよ。
ミリィしか、いない。私の親友、たった一人の。
大好きだった…ううん、今も大好きだよ。
[そこには真摯な響きがあった。]
だから…よかったのかもしれない。
貴女が今死んで。
何もかも真実を知る前に、私達に何も言えなくなって。
[語る言葉は小さい。内緒話をするように、小さく小さくミリィの亡骸に囁く。]
[薄暗い通路の奥で扉の開く音がした。
誰かがこちらへと歩いて来る。
ややあって、その全容が見えてくると、思わず息を飲んだ]
……お、まえ。
んだよその格好…!
[血濡れの服、赤に染まる手と顔。
尋常ではないことが起きたのは確かだった]
――や。
[挨拶は何時ものようで、
けれど、何時もの笑みは無い]
悪いね。店を開けて。
何、と言われても。
見れば解る、でも、見ない方がいいかな。
[己の歩んで来た方へと、視線を流した。
開かれた侭の扉。示した先は、明白だった]
[広場を抜けたところで、予想通り二人組の自衛団員と会う。
どこへ行くと尋ねられれば素直にミリィの家へと答え]
ミリィは、亡くなりました。
ああ、狼に襲われたわけではありません。
ある種の突然死…だったのでしょうか。
[静かにポツリポツリと語る。
団員達は絶句した後に、片方はついてくると言い、片方は詰め所へと走っていった]
ええ、私が看取りましたよ。
夕方様子を見に行った時には、既に倒れていたのです。
[沈んだ声は演技でも何でもない。
ミリィの家へと歩きながら、暗い表情で必要な事実だけを伝えた]
[一歩一歩と歩き出す。静かにざわめくそこへ、宿へと向かう。いつもより明らかに多くの時間をかけて辿り着くと、店を、戸を見据え、暫く耳を澄ますようにしてから]
……。
[無言のまま、その戸を開いた]
[アーベルが纏う赤。
それが何から成されているものなのか。
匂いからも嫌でも想像がつく]
…店とか、言ってる場合じゃねぇだろ、それ。
……誰の、だよ。
[纏う赤を見つめながら、短く問うた。
見れば分かると言われても、そこへ向かうには勇気が要る]
そうですよ。
そういうものは、大事にしなきゃ。
[一度狂気に陥り、全てを奪われた自分には。
もう、そういったものは残されていない。
一瞬、寂しげな声が混じった。]
イレーネさんが特に変だとか、そういったことはないんです。
でも、アーベルと比べると。
……どっちも本物なら良い話なんですけどね。
[その眼差しはどこか遠い。
同意の言葉には、くす、と笑った。]
はい、わかりました。
お邪魔してしまってすみませんでした。
……曲ができるの、楽しみにしてます。
[ちゃんと食事も摂って下さいね、と声をかけて*部屋を後にした。*]
それも、そうだね。
[微かに笑う。
薄闇に紛れて、見えるかは怪しいが]
――ノーラ姉と、エルザ姉。
[短く、はっきりと。その二つの名を、紡いだ]
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