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[やがて葬儀は終わります。
降りしきる雨の中、牧師は人々が帰っていくのを見送って
弔いの鐘を鳴らした所で]
……。
[くぅ、くぅと牧師のお腹が二回、鳴ります]
やれやれ、少々疲れましたね。
食事にでも行きましょうか。
[遠くでからからと、雷の鳴る音。
綺麗な月は、きっと雲の向こうです。
牧師は自分の影を確かめてから、教会から外へと出て*行きました*]
[斧を持つ腕からは赤い雫が滴ります。
身を守る術を持つ旅人へ斧を振るうのと、木を切るのとではまったく違います。
木こりは最後までルイの名を呼びません。
ドミニクにとっては余所者でしかなかったのでした。**]
〜 ×××××の牧場 〜
〔朝が来るのは、いつだって変わらない。
けれどアナが見た光は朝陽ではなくて、ランタンに灯る炎。
きれいな色だった。
ただの白、とは言いづらいそれは、まるで銀のきらめきのよう。
早く誰かに見せようと、アナは、身支度も忘れて、部屋から出て行った。〕
あのね、あのね、
〔けれど、そこは、しずかなもの。
さわがしいのは、外だった。
めぇめぇ、めぇめぇ、羊が鳴いている。〕
〔いつの間に、小屋から出てしまったのだろう。
真っ白な羊の毛は、その日は、なんだか赤かった。
緑の中に、赤い果実が転がってる。
ここは牧場で、農場ではないのにね。〕
……アルベリヒさん、どこにいるの?
〔きょとんとしたアナは、ランタンの炎を見る。
そこにいるのは、違う人。
ぽつんと尋ねたけれど、答えは、アナには聞こえない。〕
〔ぱたぱたぱた、
アナはパジャマ姿のまま、村へと駆けていく。
誰かを見かけたら、こう言うんだ。〕
アルベリヒさん、いなくなっちゃった。
からだをなくしちゃった。
それから、誰か、もうひとりも。
〔アナの腕の中、ランタンの中。
* きれいな灯りがゆらゆら、揺れている。*〕
[教会に帰り着いたのは、葬儀が終わる頃でした。
まだ人は残っていたようでしたけど、濡れたままでご挨拶をするのは失礼かしら、と奥へ回ります。
支度を整えた頃には、教会には人の姿はありません。]
……牧師様、お出かけになられたのかしら?
[空を見て、呟いて。
それから、誰も居ないその場所で、神様にお祈りを捧げます。
部屋に戻ると、昨夜眠れなかったせいでしょうか、すぐに眠りの精がやってくるのでした。]
[やがて朝が訪れます。
始まるのは、いつも通りのお仕事。
ご飯の支度やお掃除などを一通り済ませて部屋に戻ると、ふわり、魔法の蛍が戻ってきて花の中へと入り込みました。]
ああ、おかえりなさ……え?
[どのくらい、そうやって立ち尽くしていたのでしょうか。]
とにかく。
誰かに、お話しないと。
[誰か、って言っても、限られてしまうんですけれど。
とにかく、籠を手に取ると、外へと駆け出しました。
籠の持ち手に挿した、天鵞絨のように艶やかな黒い花が風に揺れました。**]
[気づくと自分が毛布と膝をかかえこむようにソファで眠っていたことがわかりました。
傍らにはベリエスが何も掛けずに鼾をかいています。]
ありがとう、そばに居てくれて。
[起こさないようにそっと毛布を掛け返します。
それから何かを思い出して食堂に向かいます。]
[食堂はルイの作った夕食が手つかずのままになっていました。]
ルイ…戻ってないのね。
[せめて朝食は支度しておこうと準備にとりかかるのでした]
[ゼルマは朝食を済ませるとまだ眠っているベリエスに出かけてくると書置きを残して宿を出ました。
特に当てがあったわけではありません。
ルイが、ドミニクが、アナが、それぞれに心配でした。
そうして、聞いた話をもう一度牧師に相談してみよう、そう思うのでした。]
会って話してみよう。昼間は人間に化けているのだから、その間ならあたしでも多分食われない。
[ぶつぶつと考え事をなかば呟きながらゼルマは*先を急ぐのでした。*]
―村の道―
[宿へと急ぐ途中、出会ったのはゼルマでした。]
あら、ゼルマ様。
ルイさんは、宿におられますかしら。
[問いかけに、返されたのは昨夜から戻らないという言葉でした。]
え……だって昨日、宿に戻るって……。
[言葉にできない不安にかられ、籠を抱きしめます。
黒の花が、揺れました。]
……とにかく、わたくしも探してみます……。
ゼルマ様は、どちらへ?
[嫌な予感を押さえながら尋ねかけます。
いつになく落ち着きない様子は、不思議に見えるかもしれませんけれど。
そうしてゼルマとの話が終わったなら、ルイを探しに行くのです。**]
[夜半が過ぎ、黒い森に不気味な声が響く中
お腹がいっぱいになった牧師は、教会へと戻って行きました。
あくる朝]
私たちの日ごとのかてを、今日もお与え下さい。
[牧師はお祈りの言葉を発するのです]
[くぅ、くぅと寝息を立てて眠っている間
たとえ頭の辺りを淡い光が舞っていたとしても
牧師はそんなことは知りません。
喉の渇きを覚えた牧師は、寝起きのお茶を求めて
寝室から出てきました]
ドロテアさん、ドロテアさん。
どこにいらっしゃるのですか?
[いつもの服に着替えた牧師は、
ドロテアさんの姿を求めて
教会の中を探し歩きます。しかし、誰の姿も見えません]
いったい、どこへ行ってしまったのでしょう。
村では物騒な噂が立っているというのに。
困ったものですねぇ。
[牧師は溜息をついた後、教会から外へと向かいました]
[ドミニクは今日も木こり小屋。
けれど薪を割る音ではなく、斧を研ぐ音がします。
鉄色の刃が動く度、小山のような背が揺れました。]
……こんなもんか。
[やがて木こりの手は止まり、研ぎあがった刃に触れます。
その腕には乱暴に手当てした包帯が巻きついていました。]
人狼は二人。
まだ…よそ者以外にも村にいる。
[腰布に斧を差して大男はのそりと動きます。]
……その前に、何か食わないとな。
いざという時に動けない。
[木こりが何を思ったかは木こり以外には分かりません。
ぼそり呟く抑揚が乏しいのも、いつものことです。]
……アルベリヒにでもチーズ分けてもらえばいいさ。
[踏み出した足は、村外れの小さな牧場へと向かいます。]
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