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[しばし呆然としていたが、気を取り直すと]
……とりあえず、ベアトリーチェを横にさせる方が先決ですね
アーベルさん、こちらに
[そう言って教会の中に]
―西の桜―
[「地と風がドンパチ」発言で目をそらしたものの、
空から圧倒的なナニカが近くに落ちてきて。
慌てて振り返った瞬間、そのナニカはハインリヒをからめ取り、そして「消えた」]
……!!
[驚きで声がでない。へたん座り込んだ]
遺跡でのものと…同じ。
[引き込まれぬように、その力に抗おうとした矢先]
[歪みの矛先は目前の男へ向かい]
[咄嗟に掴んでいた手を離して]
お前一人が焦って抑えきれるものなのか。落ち着け。
[乱れた空気に呷られぬよう、器の内に冷気を満たし]
[地を踏み締める]
[全然困ってないようなクレメンツの様子にいらり]
[立ち上がるとクレメンツに詰め寄り]
ていうか、あんた人が一人目の前で消えたのに、
なんでそんなに平然としてられるんだよ!
[クレメンツの襟ぐらをつかんんで、がしっと桜の幹に押し付けた。]
き、消えちゃった。
陽光の、エーリヒさんの気配も。
[先にそちらを感じ取ってしまったのは、やはり自分と親しい属性だったからだろうか]
そう、おじさまと、一緒。
[小さく震えながらもミハエルに肯いて]
全部なんて無理。でも少しでも安定させないと。
[その視線は意外にもしっかりとしたものだった]
[ユリアンに詰め寄られ、幹に押し付けられても、動じず]
いえ、人が一人と言われましても、まあ正直、私は人ではありませんので、今ひとつ実感が…申し訳ない。
[ゆっくりと、ユリアンの腕を握って、襟元から外そうとする。穏やかな動きだが、その力は強い]
それに、私のようなものが、動揺しては、この街そのものの平穏が危ない。
そうしたものなのですよ。
[礼拝堂の長椅子のひとつにベアを寝かせるようお願いしたあと、倉庫から毛布を持ってきてベアに掛けてあげる
アーベルからの問いに]
……ええ、おそらく
行き先はわかりませんが、此処ではない何処かへ転送されたという感覚でした
[対のあらぬ力はとどまることを知らず、
崩れたバランスをさらに崩してゆきそうな己の力に
苗床はただ一つ、それしか方法を選べないことを悟る。
もう少し壊れていなければ、他にも考えられたのだろうけれど。]
ケイ。
――出て来い
[その命令に茎が、枯れた右腕の中から現れる。
同時にできた、空白。
力の器の空白にめがけ、翠樹の力が入り込む。]
陽光と、雷撃…。
お前まで巻き込まれたいのか。
[言ったものの、”支える”事が出来る訳でもなく、ただ己を保つ事が出来るだけだから、ブリジットのする事を見ているしか無い]
[ユリアンと、クレメンスの様子も気掛かりで]
[相変わらずのんびりしたクレメンツに口調に...の勢いは削がれ、手を離す]
……あんたも「人ならざるもの」なのか。
まあ、そんな予想はしていたけど。
つうか、この街に人間じゃない人は何人いるんだ。
やっぱり「一人見かけたら三十人はいると疑え」の世界なのか?
[...は脱力]
[じっとクレメンスを見た。
けれどユリアンが激昂したままに詰め寄るのを見れば]
だめだよ。
今ここでこれ以上均衡を崩したら、もっと酷いことになる。
それに。
[陽光の気配が消える時。
その力はいつもと変わりないもので]
まだ、終わったわけじゃないんだから。
始まって、しまったのだから。
[皆で力を合わせないと、と静かに告げる。
彼から今にも放たれそうな疾風の気配も宥めながら]
……あ。
[ユリアンは何も知らないのだと気が付き]
うん、まあね?
[ここにいるのも後は全員人間じゃないんだけどなと思いつつ。
どうすれば衝撃を与えずにそれを教えられるだろうかと悩んだ]
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