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[壁にgrungeがぶつかる音が響く。
すぐさま駆けて暖炉の傍にあった火掻き棒を左手で掴むと、そのまま振り被ってgrungeへと振り下ろした。
けれど、壁際に居たために切先が壁に引っかかり威力が減じ、一撃目はgrungeの頬を掠るに留まる。
舌打ちの後、火掻き棒を右手に持ち替え、逃げようとするgrungeの胸倉を掴もうとした。
だが、彼が暴れたために伸ばした左手は弾かれ、更には意図せぬ拳が自分の左頬へと届く。
よろけることは無かったものの、その一撃で口の中が切れ、鉄錆の味が口の中で広がった]
こッ、の──!
[思わぬ反撃に頭に血が上り、握っていた火掻き棒をgrungeに突き刺すべく右腕を動かした。
火掻き棒の切先がgrungeの腹部へと吸い込まれていく。
その一撃では動きを止められても、致命傷にはなり得ないだろう。
刺した箇所から赤を零しながら前のめりになる彼に向けて、留めの一撃を振り下ろした。
狙うのは、前のめりになることで低い位置になった彼の──頭]
[悲鳴が上がったかは分からない。
自分の耳に届いたのは、grungeの頭を殴った時の鈍い、音。
渾身の力を込めた一撃は彼の頭部に深い傷を負わせ、残る勢いのまま床落ち、火掻き棒が突き刺さった。
ゆっくりとした動きでgrungeの身体が床へと落ちて行く。
床に倒れた彼はピクリとも動かなかった]
──────っ 、 ハ、ァ 。
はあ ……… っ、は、ぁ。
[鼓動が早くなるのを感じる。
如何に覚悟をしていたとしても、人を殺すことに慣れているなんてことはなく。
追い詰めていた側なのに、とかく必死でことを為そうとしていた。
火掻き棒を握っていた右手が、床にぶつかった時の衝撃と自分が手にかけたという事実に刹那、震える]
[時間にして1分にも満たない攻防。
額から、全身から汗が噴出し、顔を伝って落ちる汗に混じり、唇の端も切れていたのであろう、赤いものが床へと落ちた]
─ 廊下 ─
[その苦笑も、yuyuの言葉>>2:477に色を失くす。
なんて言えばいいのか解らない、でも何か言わないととは思いながら─]
あぁ。
ずるいよ、ゆうさん。
[ichinino>>9の言葉を、繰り返した。]
―広間―
……ちょっ、 krutさん!?
[宣>>14。
弾かれたように頭を上げ]
……、
[手を伸ばすが、追い切れない。
命の掛かった激しい攻防を前に、戸惑った顔になる]
[廊下での立ち話はどれ程の時間だったか。
会話が途切れれば、誰からともなく移動しようとなっただろう。
自分は、他の皆が集まりそうなところに行こうと広間に向かうことにして。
──そこで、日が進んだことを知る。**]
[普段の村なら、こんな気持ちにならないのに。
funny>>11の言い様に、胸底にわきあがる、ぐずぐずとした「情」が表面にあふれてきそうになる。]
その言葉……。
私が思うに、「funny」が語った発言の中で、一番説得力のある意見だったよ。
はは。
[そっと、目を伏せた。]
覚悟が決まって無いのは私の方か。
ふふ……肝が座った。
[目を開いて、funnyとyuyuを見ながら]
狼を見つけ、吊ろう。
ちょ、ッと、
落ち着いて――、
[それでも近づいて、krutの腕を掴もうと。
掴もうと、したのだが]
――あ 、
[それより早く、鈍い音>16が響く。間に合わなかった。
大きく目を瞠り、暫しその体勢で立ち尽くした]
― 広間 ―
[krutがアズマに詰め寄る様が見える。
ピリと空気が張り詰めるような感覚に息をのんだ。
仲裁したいと思うのに、krutの気迫に圧倒され動けない]
―――…え、選ぶ、って、
[疑わしきは――。
前後の言葉からkrutが意図するものは読み取れたが
彼がそれを今、実行するとは思いもよらない。
入り口傍から暖炉側までの距離。
当然、手を伸ばしても届くものでなく
アズマが壁にぶつかる鈍い音に足が竦む]
―広間―
[アズマが動かなくなってから、どのくらい経った頃か]
…… ッ。
[mibouの時のように、震える拳を握る。唇は叫び出す代わりに噛み締められた。
自分が先程まで使っていた毛布を手に取って]
……。
[アズマの上から掛けた]
ちょっと、krutさん?
[なんか突然すぎて、私は入り口前であわあわすることしかできなくて、
だってだって、そんなよく分からないけど突然krutさんがアズマさんとすごい険悪な感じだったし]
やっ、だめだよっ!
[そんな言葉出すことしか私できなくて、アズマさんが壁にぶつかる音と、krutさんが殴られた音とか、
ああ、コノ音とかダメ、止めなきゃって思うのに、足がすくんで動けない。
やっと動けたときはね……
見える、赤いの、燃える火、熱された鉄の色の火かき棒、流れる赤い赤い…血が]
きゃーーーーーー!
[大声がどうのとかじゃなくて本当の悲鳴だよ。
だって目の前で人が、助けないと、止めないと、いけな……いのに……]
しかし、やっかいだな。
狂人まで潜伏しているのは……。
潜伏案はそれが嫌だよ。
[やれやれと、肩をすくめてfunnyとyuyuを見つめながら]
ところで、私の笑い話を聞いてくれないか?
私はな、くるくんの布靴に彼のIDを縫おうとしたんだ。そしたらな、「homo」って綴りになってしまったんだよ。
はは、刺繍を始めて長いが、そんな大きな間違えしたことなかった。
……手が、勝手に滑ったんだ。
[そういって、困ったように笑った。]
さ!こんなところで立ち話もしょーもない。
他にも起きている奴はいるだろうし、とりあえず広間に行こうか。
[そうして広間に向かおうと。
なんとなく。
なんとなく、この二人を村側だと信じてみたいと思った。**]
[思わず目を閉じてしまったから
二人の攻防の多くは瑠衣の目には映らない。
鈍い、鈍い、音が。
生々しいその音と、遅れて漂う血のにおい。
恐る恐る目を開ければ、血に濡れたアズマの頭部が網膜に焼き付く]
あ……、あ…、
[悪い夢でもみているかのようだった。
瞠られた眸が認識したくはない現実を映している]
い、や、ぁぁああっ。
[悲鳴染みた声が漏れる。
口許を覆い、泣きそうな表情のまま
その場に膝をつき、力なく座り込んだ]
―広間―
[何かの音>>24には反応を見せなかった]
……オレは、
[遺体の傍に屈んだ。後ろは振り向かない]
ゲームとは違うし、能力者が出なくたって仕方ねーとは思う。思うけど。
…… じゃあ、村人が生き残りたいって思うのって、そんなにダメっスかね?
そりゃ、アズマっちが何だったかなんて、分からないケド。……本当に狼だったかも知れねーけど。
でも、能力がねーから、能力がある人に出てもらって、どーにか守ってもらいたいって…… そう思うのはいけないコトなんスかね。
ゲームと同じみたいに、能力者の盾になんのが正しいのかな。
[krutさんが出て行こうとして、こっちにくるよ]
あっ……krutさん……
[震えるからだがとまらないよ。
見上げる目がゆれてるの自分でも感じる。
何も声にでない、目がちょっと合ったよ。
それで…本当になにも言葉かけることできなく、ただ見てたよ]
…… なーんて。
[口調は一転、明るく。
けれど表情は、見せない。
出て行こうとする者を止めることもない]
アズマっちの部屋ってドコでしたっけ。
……それとも奥の部屋がいいかな。運んでくるっス。
あ、スープ、オレの分取っておいてね?
[アズマが作ったスープはテーブルの上。
毛布に包んだ遺体を持ち上げようと手を伸ばす**]
─ →井戸 ─
[入口に居る者達に目もくれず、僅かに視線を投げるだけで広間を出た。
右腕を押さえ、俯き加減で廊下を進み、建物の裏へと出るべく台所を目指す。
噴き出て止まらない汗が歩く廊下にぽたぽたと雫を落としていった。
台所へと入り、通用口を抜けて、井戸へ。
水を飲もうと思って来たけれど、井戸の縁に手をかけたところで大きく咳き込んでしまった]
げほっ! ごほごほ!
……─── は、ぁ………。
[ようやく呼吸が落ち着いてきて、それに気が抜けたか井戸に背を預けて地面へと座り込む。
僅かに震え続ける右手を軽く持ち上げて視線を落とすと、は、と息を吐くように、笑った]
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