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―自宅―
起きてるときは。
[親友にはそう答えた後に、
レナーテの消える気配、夢にウェンデルのことを見たときと同じように感じたそれ]
ああ、ゼル、ミハエル。
探しにいくぞ。
レナーテを。
[はっきりと、告げる言葉、ミハエルの様子に気付けば]
大丈夫か?
[コップが地面に落ちて、割れ、水が広がる]
─白雪亭─
[ごそごそと救急箱を探していたが]
あ、あったあった。
[それを持ってイレーネの元に戻る。
そうして、てきぱきとイレーネの怪我の手当をしていたが、]
!? そ、れは…………
[手のことに触れられると、ビクッと手が止まる。
わずか逡巡するが、立ち上がると左手の袖を捲くる。
長めの袖に隠されていた雪割草のしるしを見せると、]
あの時、これが浮かび上がってきたんだ。
痛かった以上に……怖くてね。それで座り込んじゃってたんだ。
[はは、と自嘲気味に笑いながら、自分も手近な椅子に座った。]
―ユリアン宅―
[滑り落ちていくコップ。
青年の立ち位置からでは、それに反応できずに]
……途切れた?
[ただ聞こえた声に、訝しげに眉を顰める]
―ユリアン宅―
[そうして次に親友が挙げたのは]
……レナーテ?
[この場にはいない人の名前。
間が空いて、……息を飲む]
まさか。
─道具屋─
……大丈夫、だ、よ?
[こてり、と首を傾げて問いに答える。
撫でようとする手は、避ける事はなかったけれど。
向けられる表情から、心配かけてる事に気づいて、少しだけ困った]
でも。
……レェねえ、が……。
[だからというわけでもないけれど。
次に口にするのは、消えてしまった人の妹を案ずる言葉]
─白雪亭─
あ、そんな大袈裟にしなくても…
うん、それだけでいいよ。ありがとう。
[てきぱきと手当てをしてくれるのを見れば、申し訳なさそうに笑って。
手のことを聞いたベッティが左手の袖に隠していたしるしを自分に見せ、怖かったというのを聞くと、そっか…と呟いた後、頭を軽く抱くようにして撫でた後微笑んだ。]
…うん。怖いよね。
あたしも、怖い。
[そういって首から胸元を隠していたスカーフを外してその下のボタンも数個はずし、肌の真中に咲いた蓮華草のしるしを見せた。]
[硝子の落ちて割れる音が、妙に遠い。]
──────。
[>>16 ユリアンが口にした名前に、
びくりと肩を揺らして]
レナーテ、は
……… みつ…、から…ない、と、…思う。
[割れたコップは視界に写っているのに、
謝らないと、と、思いいたるまでの思考がやけに鈍く]
─白雪亭─
あたしは誰にも、言えなかったから。
ベッティは、強いね。
[相手に印が無ければきっと、自分はこれを見せることができなかった。
ベッティのしるしをそっと撫で、哀しげに微笑んだ。]
─道具屋─
……大丈夫そうには、見えない。
[強がっている訳ではないのだろうけれど。大丈夫と言って首を傾げるユーディットを見て、思い切り眉根が寄った。ユーディットの頭を撫でていた手で少女の頭を自分の胸へと引き寄せる]
このことを知ったイレーネのことも心配だけど。
俺はお前がそんな顔をしているのを見る方が、辛い。
虫の。知らせと言うのがある──だろう?
[平坦な声が、目の前に置かれたゼルギウスの問いに、反応したように答える>>18。]
直感とか。
…天恵とか。
閃きとか。
昔から。
ふとすると、そう、いうのが、あって──…、
なんとなく…… わかる、ときが、あるんだ。
誰が、何を、背負っているか、とか。
[薬師の方を見て答えるは、意図せずのことでも、ちらりと──それを伺ってしまったからからか。]
―ユリアン宅―
[空虚に響くのは割れる音。
途切れがちの声に、漸く思考が廻り始め]
……怪我は。
[常ならば真っ先に問う筈の言葉を、随分遅れてミハエルへ向けた]
―自宅―
[ミハエルの頭をそっと撫でて]
そうか。
[そうとだけ、言い]
コップは問題ない。
新しいの持ってくる、少し座るといい。
[理由は知らないが、何かがミハエルにも見えたのだろうと。
恐らく自分と同じ結論にいたるものを]
─道具屋─
でも、ほんとにだ……。
[大丈夫、と言おうとした矢先に引き寄せられて。
言葉は、そのまま途切れた。
告げられた言葉に、微か、震えが走るのは伝わるか]
……ディが大丈夫、なのに。
なんで、リィにい、辛く、なるの。
[わかんないよ、と。
呟く声には、微かな戸惑い]
怪我?
[ぱち。と薬師に向けた目が瞬く。首が横に傾ぎ]
……。指先がじんじんとしていて、
息が苦しくて、
頭が痛いな。
[>>27 質問に、ごく素直に自分の状態を、客観的に整理して理解しようとするように──淡々とした声が答える。]
─白雪亭─
[自嘲の笑いを零していると、ふっと柔らかく抱き寄せられ、頭を撫でられる。
その温かさにスッと目元を細めていたが、]
……それは。…………そ、か、レーねぇも……
[離れたイレーネが胸元を開くとそこには自分と同じようなしるしが。
強いね、という言葉と共にしるしを撫でられれば、ふるふると首を横に振り、]
……ううん、強くなんて、ないよ。いっぱい泣いちゃったし。
ああ、でも、もしかしたら涙の数だけ強くなれたのかな。
怯えていても強くあっても、結果が同じだとしたら。
うん、先に消えた人に恥じないように、一生懸命『今』を生きようって。
……はは、まあ単なる空元気の強がりなんだけどね。
[そう言って、はにかみ笑いを漏らした。]
―ユリアン宅―
[親友の言葉には押し黙り。
ややあって、小さく頷いた]
……そうか。
[ミハエルの独白に、こちらを見るのに、視線を返す。
言葉は短い]
呼吸が困難で、
世界の音が遠い。
… どこも、切っては、いないと思う。
[怪我はない。と、指先と足先、両方を見て答え
撫でてくれる手にユリアンを見上げて>>28]
うっかりした。……すまないのだよ。
買って、きちんと、返す。
こういうしくじりは、
あまりやらない方であると思っていたのに。
…… 不思議だ。今日のボクは随分とだめだめだな。
─白雪亭─
[レーねぇも、という声には、困ったように微笑んで頷いた。]
…やっぱりベッティは強いよ。
あたしの方がお姉さんなのになぁ。
[一生懸命今を生きようというベッティに、苦笑めいた笑みとともに冗談めいた口調で言って。]
でも、本当に。
生きてる限り、頑張らなくちゃね。
[胸元をしまい、元通りきっちりとスカーフを締めベッティの方を向き。]
それじゃ、あんまり長居するのもなんだしそろそろ帰るね。
レナも待ってるし、木苺も悪くなっちゃうから。
手当てしてくれてありがと、これでゼルに怒られずに済むよ。
[そんなことを言って笑い、お裾分け、と木苺を取り分けてベッティに渡した後、食堂を後にした。]
―ユリアン宅―
[淡と紡がれる言葉に合わせ、指先を見る。
遠目には赤いものは見当たらなかったが。
立ち上がり、ミハエルの傍に近付いて]
……少し、休め。
[その頭に、手を*置こうと*]
予定変更。
[コップに水を入れて机の上におき、ミハエルから返される言葉>>33]
少し落ち着いてからにしよう。
それから、つらいときは、素直にそうするのもありだ。
[ゼルが休めと、ミハエルの傍に寄るのを、自分は見ていた]
─道具屋─
[震えが伝わっても離すことなく。逆に引き寄せた手と反対の手もユーディットの背へと回す]
お前が我慢しているように見えるから。
あんなに感情豊かだったのに、今のお前はそれを押し込めているように見える。
……辛い時や悲しい時は感情を抑える必要は無いんだ。
[囁くように言葉にし、腕に込める力を少し強める]
大切な奴がそんな状態だったら、俺も平気じゃ居られない。
[ぽつりと呟いた言葉。今になって気付いた自分の、想い]
─白雪亭─
はは、そんなことないよ。
だって自分のことでいっぱいいっぱいだもん。
こんな中でも他人を思いやれるレーねぇの方がずっと強いと思うよ。
[服を戻すイレーネに、苦笑いを浮かべつつそう返す。
帰るというイレーネに、そう、と呟くと、]
レナにぃにもよろしくね。
むしろ、こっちこそ簡単な手当くらいしか出せなくてごめんね。
それじゃ、また。
[そう言って、パタパタと手を振って見送る。]
[席に座る事を進められれば──拒絶することが思いつくようでもなく、騒ぐでもなく、すとん。と、席について
呆けたように、薬師の青年が近くに来るに顔の向きをあわせ
>>35 伸びる手を避ける事を思いつかず、]
おどろいた。
珍しい。
ゼルギウスが、まともに優しいぞ。
[言葉と手に。ひどく吃驚したように、
大きな猫目の翠を丸くした。]
─道具屋─
……だって、ないたら、みんな、心配、するし。
だから、我慢、しないとって、ずっと……。
[父が帰ってこなかった時に、泣いてわがままを言って。
その時の母が、酷く辛そうだったのを見て、それが苦しくて。
普通に泣けなくなったのは、それからの事]
……ふぇ?
[そうやって張り詰めていた虚勢に対する静かな否定は、俯いて聞いていたけれど。
回された腕の力が強まり、聞こえた言葉に、きょと、と驚いた様子で顔をあげ]
……たい、せつ?
え、と。
え?
[言葉がどこかに飛んだようで。零れるのは、どこか惚けたような、言葉の断片]
―自宅―
[驚く様子のミハエルには]
ゼルは、昔から優しい。
人を気遣って、思いやれる。
[親友だからこその、過大評価だと、他の人は言うかもしれないが、自分はそう思う。
親友の視線を受ければ、常のように]
事実を言っただけ。
悲しんでるやつを、追い込むようなやつじゃない。
泣くのは、悪いことじゃない。
[最後にぽつりと]
─白雪亭→村の通り─
ううん、あたしのは…あたしのワガママなだけ。
あたしがそうしてないと不安なだけだよ。
それじゃ、またね。
[ベッティからレーねぇのが強いと思うと言われると、苦笑して首を横に振って。
レナにもよろしくと言われればわかった、と笑顔で手を振った。
けれど、食堂を後にして向かった先は自宅ではなく。
ゲルダのいたパン屋だった。]
ゲルダ。
パン、美味しかった。ごちそうさま。
[そう、中に声をかける。
まるでそこに彼女がいるみたいに。]
ボクは、
……落ち着いていないようにみえるのだろうか。
[テーブルの前に置かれた水。
>>36 ユリアンの声に、翠は、ぱちくりと瞬いて]
でも。
でも、
レナーテは、…… 消える、覚悟は、
できていると、言って…いたんだ。
[ほうけた様だった翠が、口にした名前に、少し──揺れて]
─道具屋─
泣かなくても、泣いた時とは別の理由で心配になるよ。
我慢して我慢して我慢しすぎて、どこかで一気に爆発してしまわないかって。
普段のユーディットは表情をくるくると変えるのに、こう言う時だけ表情が変わらなくなるのが、俺は不安だ。
[思ったことを一つずつ口にして。驚きを示して顔を上げ、惚けたような声を出すのを見ると、穏やかな笑みを浮かべた]
そう、大切。
俺はユーディットが一番、大切。
……だから。
[続けて言葉を紡ぐ時、表情を少し心配げなものへと変えて]
ユーディットが辛い事、悲しい事を全部受け止めさせてくれないか。
全部一人で背負い込まずに、俺にも共有させてくれ。
───泣くのを我慢しなくても良いんだ。
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