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……違うよ、アマンダ。
[しばしの間輪を見つめておりましたが、ゆっくりと顔を挙げて、首を左右に振ります。そのかおから表情は消えており、いつものようにぼうっとしておりました。]
知りたかったのではない。
ただ、足りないものを、埋めたかった。
でも、この世界に生きるベアトリーチェでは駄目なんだ。
[それはやっぱり、謎かけのようであったでしょうか。]
……あとは、最後の、均衡を。
[ぽつんと呟かれた言葉は、ひとりごとのようでした。]
[いつもとは様子の違う少女の様子に
ああ、対とも言える時空の消滅が堪えたんだろうな、と勝手に判断し]
なあ、ベアトリーチェ?どうした?
疲れたのか?
[そっと触れようとして、手を止めた]
『え、今なんて言った?』
[傷口に手を差し込み、欠けた鎖骨に触れる。
髄の覗くまで深く断たれた骨を、補うように、一時的にその骨の代わりを果たせるように、強く、溶けぬように氷を造る]
[膨大な血は、ミハエルの腕を伝って袖口から肘もとまでを濡らす。]
[ミハエルの腕は、小さく震えて居る。
触れる傷口も、流れる血も暖かいのに。]
[ダーヴィッドの傷口から手を引き抜き]
[こぼれ落ちた、捩れた輪を拾い上げた。
それは血濡れの手の中で、血にまみれてしまって]
……また、失われた。
[アマンダは、ベアトリーチェの言葉を静かに聴いた。
もう、わかったから。鍵の書を持っているのが、目の前のこの小さな子どもなのだと]
…ねえ、ベア。
足りないものは、埋めないといけないのかな?
補い合っては、ダメなのかな…
[アマンダは、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
何が言いたいのかも、はっきりとは分からぬままに]
寂しいなら、寄り添うのは…?
対は、互いが苦手だけど。寄り添う事で、均衡になるよ。
二人でも寂しいなら、もっとたくさん集えば賑やかだよ?
埋めたくて、埋めようとして、みな居なくなった…よね。
たくさん集まってたあの時と今、ベアはどっちが寂しい…?
[最後の囁きは、独り言のように静かに]
私が居なくなったら、ベアは幸せになるのかな…?
[ベアトリーチェは、わらいます。ユリアンに、アマンダに、わらいます。]
……大丈夫だよ。
また、逢えるもの。
[とても空虚に、わらうのでした。そのかおは微笑っている筈なのに、どこか泣き出してしまいそうにも見えたかもしれません。でもベアトリーチェは、その方法を知らないのでした。]
もう、後戻りは出来ないんだよ。
ベアトリーチェも、……フィロメーラも。
揺らがない。揺らいでは、ならないんだ。
[そうして、彼女の――自分の中にある精霊の名を紡いだのでした。]
[アマンダが頬に触れたのなら、内にある精霊の存在が感じられたでしょう。それは以前にブリジットが触れたときよりも、強いものとして。
けれどもそれに構うこともなく、ベアトリーチェは握っていた指環を、指に嵌めます。こどもには大き過ぎる筈のそれは、通した瞬間にぴたりとちょうどよい大きさに変ったのでした。ふわり、天聖の力が、透明な光が零れてゆきます。]
[アマンダは、わらいながら、なきそうな、子どもを見つめる。
頬に触れた指からは、強い精霊の気配が伝わって。
それが、「フィロメーラ」なのだろうと思った]
また、逢えるのに…後戻り出来ないの?
ベアも…フィロメーラも…
揺らいでいるのなら、立ち止まってみればいい。
本当に開けたい【扉】は、【鍵の書】でしか開かないのかな?
[彼女が指輪を嵌めると、零れた光がひび割れた爪を元へと戻す。
叶うならば、アマンダは大地のように優しく包もうとするだろう]
私はきっとどこかで、友だと思っていたのだな。
疑っても、彼奴の事を。
[捻れた環には表も裏も無い、無限の象徴。時の環。]
[透明な、光が目の前を通り過ぎる。天聖。
その力の来たほうを見た。
泣き出しそうな子供の貌を。]
……駄目だよ。
[拒絶はしませんでしたけれども、ベアトリーチェはアマンダから離れて、ゆっくりと左右に首を振ります。]
ベアトリーチェ=ブルーメンガルデンは、
この世界では、生きていかれないのだから。
[ふっと翳が過り、また、人形のようなかおになりました。]
[アマンダは、離れ行くベアトリーチェを静かに見つめる。
人形のようなかお。
アマンダと千花。
器としての――人形]
フィロメーラ、君は……
ベアを…人の子を、器に…?
[一度死に掛けた…死ぬ筈だった、子どもの中にある、精霊。
あっているかはわからない。
けれどその考えは、まるで陶磁器の人形に宿っていたアマンダ自身には真実のように思えて、動けずに]
[拾い上げた環を、もう一度地面へ置き
ダーヴィッドの傷に触れる。
傷口を合わせるように寄せて、流れる血を凍らせてゆく。これ以上、失われてゆかないようにと。
鎧の下、断ち切られた服を割いて、その上からきつく巻いていく。意識があれば、酷い痛みを覚えるだろう。
布きれに染みた血が滴る。]
…ひとの体を器にして。
[流血の勢いは漸く治まり、弱いながらも打ち続ける鼓動と身に秘めたぬくもりが、未だ命が保たれていることを示している。
意識はまだ戻らず、唇から漏れるのは微かな吐息だけ。]
[裂いた服の下は、その身を守る本能ゆえか、
それとも擬態するほどの力が残っていないのか、
真紅の鱗に覆われ、同じ色の血に塗れている。]
……フィロメーラは、助けて呉れたんだよ。
[短くそう云って、一歩、二歩と下がりますと、左の拳を握り、右の手は鎖の輪へと触れました。それから眼を閉じて、小夜啼鳥が夜ぞらを巡る様子を画きます。そして緩やかに手を延ばすのに合わせて、イメージを広げてゆきます。]
今日は、帰るよ。
[すると、ふわり、とその背に白い光の翼が現れたのでした。薄く光を纏うベアトリーチェの姿は、“神の御子”と云うのに相応しかったかもしれません。]
お休み、皆。“また、明日。”
[まるで、いつものように挨拶をして、ぺこりとお辞儀をします。
そうして地を蹴ると、小さなからだはそらへと舞い上がり音も鳴く羽搏いて、闇の彼方へと向ってゆくのでした。
月の雫のように零れ落ちた光の粒子は、傷附いたものたちを優しく包み込んで、癒そうとすることでしょう。それがベアトリーチェ自身の意志なのか、強過ぎる天聖の力の影響なのかは、わかりませんけれども。]
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