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[消炭の瞳は、まっすぐに壁を見る。
口調は、割とはっきりしていた]
…悔しい。悲しい。
そんなの、当たり前だろうが。
でも、さぁ。
[膝を抱え込む腕の先、握った手に僅かに力がこもる]
───それ以上に、頭にきてんの。
一発殴ってやんなきゃ、気がすまねぇ。
[ぎゅう、と手のひらの皮革が軋む。
消炭の瞳に、強い強い、光。
ひょいと治療台から降りるそれは、猫が尻尾揺らして地に降り立つにも似て]
やりたい事がわかってんなら、動けよ。
[さらりと言って。
立ち上がる様子に、くく、と低く笑む]
少なくとも、俺の知ってる黒猫は、後ろ向きにへこむのが似合うヤツじゃねぇ。
[そう言って、す、と扉の側を離れる。
右手の糸、その下の朱の紋様。
蒼は一瞬、それを見て、そして、前に向けられ。
ゆっくりと、歩き出す]
…うっさい、おっさん。
[べー、と舌を出して、それからにやりと笑う]
銀翼の孤狼は相変わらず面倒見がよろしいようで。
[リノリウムの上で足が動けばぺたりと足音が響く。
そろえられていた自分のブーツを引っつかんで、その姿は狼を追い抜いて、階段を上へと上がってゆく]
……だぁれがおっさんだ、このガキ。
[俺はまだ二十三だ、と。
駆けて行く背に、どこか子供っぽい主張をして。
ふ、と掠める笑みはどこか楽しげ]
……さて、行くか。
[笑みは一瞬で消え、孤狼は外へ。
踏み出した大気はひやり、と冷たく包み込んでくる]
―北部―
[一際高い岩の上へ腰掛けて、空を仰ぎ見る。
服にも、掌へ巻かれた白に滲んだ紅は
とうの昔に赤黒く色を変えて。
――どれぐらい経ったか。
ゆるりと上る、僅かに欠けた月が岩場へ短い陰を落とす。
チリ、と。
端末に括られた小さな鈴が、存在を証明するかの様に
風に揺れて微かに響いた。]
[空に向けて、銀が舞う。
その姿は一度、廃墟の上へ。
……静寂。
獣の感覚が何かを捉えたか。
翼が大気を打ち、舞う。
何かに引かれるよに、北へと]
[ぺたぺたと裸足のままリノリウムの上を走っていく。
扉に手を掛けたところで向かいの部屋に視線をやる。
ドアノブに掛けていた手を解く。
ブーツを持たない手が、こつり、と小さく向かいの扉を叩く]
─北部・荒野─
[そちらに行こうと思った理由を説明しろ、と言われたなら、多分、困る。
強いて言うなら、そこにいるような気がした、と。そんな所か。
区画の境界線を越えた所ではばたきを止め、滑空する。
いつかのように、空を滑る、銀翼]
……おっと。大当たり、か?
[舞い下りた先、感じた気配に。
ごくごく小さな呟きが零れて、風に乗った]
――…嗚呼、
[上から落ちる陰に、伏せていた翠を上げる。
月を遮るようにして現れた銀翼に、一度瞬くと
薄く、笑みを浮かべて――ゆるりと首を傾いだ。]
…此処に居たら。
何となく、来ると思ってました。
[着地した相手に、視線を向けて。
よ、っと小さな掛け声と共に立ち上がる。
左腕に纏った組紐が、しゃらりと音を立てて]
何となく、ねぇ。
そいつは奇遇、俺もここに来た理由は何となく、だからな。
[くく、と笑う。
浮かぶのは、孤狼の笑み]
……で、その様子だと。
お互い、ここにいる理由も同じようなもん……かね?
[静かな問い。
向けられる翠を見返す蒼は、ごく静かに]
[こつりと、叩いた扉をもう一度見てから、背を向け、間借りの自室の扉を閉める。
しばらくすれば水がタイルを叩く音に混じって、治りきらない傷にしみるのか短い悲鳴やらなにやら、呻くような声も混じっていたけれど]
[さらにしばらくすれば、すっかり血のあとを洗い流した姿の青少年が、以前からそこにあったらしい新品の人民服に袖を通している姿があった。
白いバンダナに残った赤いあとは薄く残ったけれど、そんなことかまわないとブーツの紐を締めれば一つ決意したような芯のある瞳を一つ瞬かせ、猫のような身軽さで窓からひらりと飛び降りて着地。
空の月を一度仰いで、当てもなく歩き出す]
――あれ、それは奇遇ですね。
気が合うのかもしれませんよ、もしかしたら。
[…こういう場でいう事じゃないかも知れませんけど。
くつりと喉を鳴らして、蒼へと対峙する。
向けられる問いに、金を揺らして]
でしょうね。……此処まで来たら、他に理由が無い。
――嗚呼、けどそうだ。
一つだけ。
[ふと、何かを思い出したように。ゆるりと瞬く。]
貴方に、伝言が。
――『銀翼の孤狼』。
気が合う……ねぇ。
こんな状況でなきゃ、笑い話ですむんだがな、それ。
[軽く、肩を竦めて言って。
理由がない、との言葉に一つ、頷くものの]
……伝言……俺に?
[唐突な言葉に、訝るような声が上がった]
――嗚呼、本当に。
[薄く、笑う。
リィン、と。白金が一つ鳴り響いた。]
ええ、他でもない貴方に。
――「大丈夫だ」と。
たくさん、心配しただろうから。だそうですよ。
[誰から、とは敢えて告げない。
ゆると、蒼を見据えて。翠を細める。]
尤も、心配しなくても。
――直ぐにそちらに送って差し上げる心算ですが。
[誰からと言われずとも、その伝言の主はすぐに知れる。
他に、自分宛のこんな言葉を託す者はいないだろう]
……ったく……。
[刹那、笑みが零れて。
伝言の後の言葉に、それは消え失せる]
……悪いが、送られて行く気は、ねぇ。
行くなら、それは、俺自身の意思で、だ。
[案内はしてもらうようだろうが、と、言いつつ。
こちらも蒼を細め、翠を見やる]
――…そう言うだろうと、思いました。
[答えは求めていなかったのか
浮かべる表情は、薄い笑みのまま。
パチン、とホルダーの外れる音と共に――
手の中へと、4本の白銀を滑り落とす。
岩の上へ佇んだまま、ゆるりと首を傾ぐ。
チリ、と。 小さく。白金が鳴った。]
伝える事は、伝えました。
…始めましょうか。
……当たり前だろ。
俺の行く先は、俺が決める。
行き方も、俺が選ぶ。
俺は、ずっと、そうやって生きてきた。
……勿論、これからも。
[静かな宣言、蒼に宿るもの。
それは不退転の意思。
ただ、先に進むのみ、と、それが物語り]
……ああ、そうだな。
理屈はいらねぇ……始めるか!
[言葉と共に、勢い良く地面を蹴る。
銀の翼が羽ばたき、その身は空へ。
繰り出されるのは、文字通りの飛翔蹴り]
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