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―港・船近く―
種は種でも、ものがたりの種よぉ。
アル先輩みたいにしらべるためじゃなくてぇ。
あたくしの仕事は、その種を花にすることよん。
[ふたりのふしぎそうな様子にけたけたとわらった]
あらぁ、ベルちゃんはこの島のひとじゃなかったのかしら。
[なんとなく、くちぶりからは、そんなふうに読みとれた]
ふふ、えぇ、なんていうか呼吸が楽なかんじ…。
─港・船の上─
奴とは船乗り時代からの付き合いだからな。
あいつはまだ現役、今も腕ぇ磨いてやがる。
腕が衰える気配を一切見せやがらねぇ奴だ。
[親友を思い出しながら言葉を紡ぎ、楽しげな表情を浮かべ続ける。向けた言葉に対し苦笑と共に返されると]
あー、そりゃまた…。
痛んだままの船で航海を続けるのは命取りだ。
命あっての人生、おめぇの判断は正しいよ。
ま、船は今度来る時に見せてくれりゃ良いさ。
[水平線を見やるアーベルに笑いかけた]
[クロエの言葉を受けて泣きそうだった顔が笑顔に変わり]
んー!クロエはいい子だー!
[そう叫ぶと力一杯抱きしめた。ちなみに大工仕事をしてる事もあってか、力は同年代の女性の中ではかなり強い部類に入る]
クロエもあれよ?なんかあったらいつでもおいでよ?昼はバタバタしてるけど、夜は大抵、家に居るし。居なかったら宿でご飯食べてるしさ!
[幼馴染みが、言葉足らずを埋めてくれるのを、
少し首を傾げて見る。
そして、ゆるりと珈琲カップに手を伸ばし、
きょろりと一度視線を彷徨わす。]
嗚呼、本当に、ご本人は何処に居られるのでしょう。
[云いながら、それ以上探すでもなく。
何処までもマイペースに珈琲に口をつけた。]
─港・船の上─
[ヘルムートの説明に合点が言ったように右の拳を左の掌に打ち付けた]
ああ、なるほどな。
話の種を拾って花を咲かせる、か。
その表現からして作家の発想だぁなぁ。
[相手の笑う様子に合わせるように笑い声を上げた]
…そうか。
なら、いくつか、作っておく。
[ライの言葉を聞くと、少し表情を和らげて頷き。
だが、続いた言葉に硬い表情に戻ってしまい無意識に外へと視線を向けて]
あぁ…心配、だな。
慣れた奴なら、こんな時に漁にも出ないだろうが。
動けない奴は、耐えるしかない。
……阿呆か。
そういう呼び方もあるっつーコトだ。
俺だって滅多に名前じゃ呼ばれねぇしな。
[遠慮も何もない余計な一言の後に、あまり親切でない説明が続く。
口が悪いのは元々だが、相手が普通の年頃の少女に見えているということもあるだろう]
別に本読む為の場所じゃねぇが……まぁいい。
読みたいならついて来い。
[言うなり返事も待たずに扉を開けて、さっさと中に入って行く]
―自宅・リビング―
[拾った男はまだお風呂だろう。
さらに男二人を迎え入れたこの家の男女比率など女はマッタク気にしないまま、ライヒアルトの言葉>>393に首をかしげた。
それを補足する兄の言葉>>396にむう、と膨れた。]
だってつい夢中になって……。
ああ、そっか、そういう意味なんだ。
[なる程と頷きながら、けれど、軽く首を振った。]
あたし、まだ名前しか聞いてないからなあ。
でも名前をちゃんと名乗れたから、記憶喪失の可能性は低いかも?
[そして二人が男のゆくえを気にするなら、ちらりと浴室のほうへと視線を向けた。]
そろそろお風呂から出てくるんじゃないかなー
え?ハンカチ?
[なんのことだろうかと、おもわずまたたき]
あぁ、きのう買ったのがあったわねぇ。
えぇ。ぜひに、また寄らせてもらうわぁん。
[おおきなこえでなく、ヴェルトに興味津々]
相棒ってことは、むかしから一緒なのかしら?
うらやましいわぁ。
─雑貨屋・前─
て、わっ。
[抱きしめられるのは予想外で、思わずひっくり返った声が上がる。
仕事柄それなりに力はついているものの、さすがに、力仕事をしている幼馴染には及ばない]
カヤ、ちょっと、ちょっとだけ、力抜いてー!
[そんな事を言いながらも、かけられた言葉のせいか、表情は柔らかなもの]
……ん、ありがとね。
なんかあったら、焼き菓子持って遊びにいくわ。
―港・船近く―
物語の種。
これは失礼、作家さんでしたか。
ああ、母がここの出身なんで顔見知りも多いですが。
俺自身は別の港で育ちました。
[ルーミィという女流作家には覚えが無く、小さく頭を下げた。
笑われれば肩を竦めながら疑問に答えて]
そう、穏やかな場所ですからね。
[もらった細工物はきちんと補完しておいた。
嵐の心配をする二人に、早起き云々はおいとくとしてほんとに来そうなことを察して。]
あらしかあ、やだなあ……
[しかし漁に出るわけでも、学者のように自然の心配をするわけでもない女にとっては、戸締りなどが面倒という、その一言に尽きた。]
?
[ウェンデルの言葉に目をぱちくり]
変なの。
「ライヒアルト」は「ライヒアルト」って名前がちゃんとあるのに、他の名前で呼ぶなんて。
私は、「リディ」って名前気に入っているんだもん。他の名前で呼ばれたくないな。
みんなは自分の名前が好きじゃないのかな?
[少女の想いはただ純粋に]
あ。うん。行くー。
[同意しながらウェンデルの後をついていくと、その動作に合わさるように鈴がチリンチリンと鳴った]
―港・船近く―
[頬をかくアーベルには、ゆるやかに首を横にふり]
いいのよぉう、そういうおとこらしさも好・き・だ・か・ら。
[辺りにハートマークをばらまきつつ、くねくね。
船のようすがたいへんそうなのには、あらあらとまたたくばかり]
─港・船の上─
なんでぇ、買ったばかりのを忘れてったのかい。
折角買ったんだ、ちゃんと持ちかえってくれよ。
[一瞬理解出来ていなかったらしいヘルムートに苦笑が漏れる。ヴェルトのことを訊ねられると一度首を横に振って]
昔からっちゃあ昔からだが、こいつは二代目なんだ。
昔、船に乗ってた時に一代目を飼ってたんだが…7年ほど前にこいつを残して死んじまってな。
ま、12年も生きた大往生だったんだがよ。
なんで、こいつとは7・8年目になるのかね。
[船の縁に止まるヴェルトの頭を撫でてやる。話を分かってるのか分かって無いのか、ヴェルトは、ヴぁー、と鳴いた]
そうですね……。
[その1つの言葉に、幼馴染に対して、
『作っておいてくれることの感謝』と、
『嵐に対しての想い』に返す。
珈琲で喉を潤して、ゆっくりと視線をゲルダに向け、
その視線の先を追う。]
おや、そうなのですか。
けれど、もしかしたら
リディさんのことを知ってらっしゃるかもしれませんので、
少しばかり、お話させていただいても?
[偶然にしても同じような時期に外の人が……等々、
やはり少しばかりすっ飛ばしつつ、
相手を待つ体勢でまた一口、珈琲を啜った。]
名前しか、覚えていないこともある。
ゆっくり休ませて、話を聞いた方が良い。
[ゲルダにそういいながら、コーヒーを飲み。
拾った人間が男だということは知らないが、知ったとしても態度はあまり変わらないだろう。
ただ、ゲルダの家に泊めることは難色を示すかもしれないが、その時は自分の家へ泊めると言うだろうか。]
―港・船近く―
それなら信頼も一際だね。
今も現役の親方か。いいな、そういうの。
[共感はあれど、まだその心境を悟りきるまでには至らない。
海の向こうを見ながら]
気をつけてはいたんだけどさ。
最近危なくなってきたって言われてたから。
ん。まあそういわけで。
彼女が綺麗に装い終わったらまた連れて来るよ。
[答えると肩の力を抜いて、笑みを浮かべ直した]
[力を抜いて、と言われてやっと自分が『思い切り』抱きしめている事に気がついて]
んあっ?ごめんごめんっ。あんまりクロエがいい子だからさー。
[言い訳にすらならない言葉で謝りながら力を緩めてとすんと離す]
焼き菓子?ほんとに?
[何度か食べたことのある味が思い出されて顔が綻ぶ。が『何かあったら』の部分を思い出し]
あ、あれよ?何も無くても来てもいいんだからね?
[慌ててそれを付け足した]
そっか。うん、いいよー。
まあ流れ着いた人とか、記憶喪失な人とかめずらしいもんねえ。
[言葉足らずなライヒアルトはそんなものだと認識してるから、話がしたいと言うことだけを理解して頷いておいた。
ヴィリーには、そうかも、と答え。]
あー、そっか。
まあお風呂から出てきたらわかるよ。
ダーヴィッドって名前らしいし。
[うんうん、と頷きながらのんびりと珈琲を飲む。]
―ゲルダの家―
[湯で汚れと潮を流し、借りた服を着てリビングの方へ向かう。
みしらぬ顔が増えているのに気付き、会釈をする。]
お風呂と着替え、ありがとうございました。
んー、どーいたしまして。
珈琲あるよ。
[ほい、と開いてる席のところにカップを置く。
そして、ダーヴィッドにヴィリーとライヒアルトを紹介した。]
こちらがヴィリー、あたしの兄さんみたいな人。
で、その友達のライヒアルト。
なんかダーヴィッドさんに聞きたい事があるんだってー。
─港・船の上─
そろそろ奴も後継者を見つけてる頃だろうが…仕事から離れられんのは性格なんだろうな。
妙に気真面目で実益主義だからよ。
……船を狙って略奪行為を働く奴らは昔から減らんからなぁ。
全く、船乗りにはいい迷惑だよ。
昔の方がまだ大人しかったかもな。
[危なくなって来たとの言葉には眉間に皺が寄る。それらを嫌悪していると言うのは傍目からも明らかだろう]
おぅ、そん時を楽しみにしとくわ。
[連れて来るとの言葉には、また表情を喜色へと戻した]
…心配なら、手伝うが?
[植物を何株か避難させるかも知れないと考え、ライにそう申し出る。
ゲルダの返答には、少し眉を上げて瞬きをし。]
拾った人、というのは…男、か。
怪我とかは、していないか?
…それと、飯はもう、済ませたか?
[男が行き倒れるということは、人為的に何かあったか、空腹の為かどちらかだろうと考え。]
好きだの嫌いだのそーいうんじゃなく、そっちのほうが呼びやすいんだろ。
本人が気にしてないんなら、別にいいんじゃねぇの。
[そういう感性はやっぱり理解しない男であった。
此処にいないライヒアルトが実際どう思っているのかは分からないが]
ともかく、お前はリディって呼べばいいんだな。
[そう確認しながら、礼拝堂を通り抜けて書庫へと向かう。
声か鈴の音かを聞きつけたらしき4〜5人の子供たちが、物陰から客人を珍しそうに覗き見ていた]
[力を緩められ、ほっと一息。
どちらかというと小柄な体躯には、今のは少しだけきいたかも]
もー、いい子、てなに、いい子、て。
そりゃあ、ウチの方が生まれたのは後だから、カヤの方が上かも知れんけどさぁ。
[やや論点のずれた文句を返し。
焼き菓子、への反応に、一つ瞬いた]
んー……今なら、焼き立てがあったりするけど。
時間大丈夫なら、ちょっと、寄ってく? お客さんも来そうな感じじゃないし。
[自作の菓子は、店の商品の一つ。
台所には、包むだけの焼き菓子が並んでいたりする]
[見知らぬ男から挨拶をされると、自分も同じように頭を下げ。
ゲルダに紹介されると、こいつがそうか。と呟き。]
…ヴィリーだ。
身体の方は、大丈夫そうだな。
腹は、減っていないか?
―港・船近く―
そういわれれば、そぉねぇ。
作家だから、なんてふうに、自分では思ってなかったけどぉ。
[なんということはないのだが、照れて口をつぐんだり。
アーベルの出身には、金の髪をゆらしうなずいて]
そういうこともあるのねぇ。
あたくしも、父のほうとはほとんど会ったことがないし。
[母は、妾にすぎず、父の興味はつねに本妻の息子である兄にむかっていたから]
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