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地酒か…値段が高くなければ、買って帰りたいところだな。
なにぶん、見習いの身分じゃ相応の給金だしな。
祭で、お神酒として振舞われたりするのを期待したいもんだ。
[けらりと笑う]
嗜好品も意地も…一度はまると抜けにくいからな…。
っと、そんなことを言ってるから、覚悟が足りないと叱られるんだけどな。
[晴美を居間へと案内し、座布団を勧めて。
自分は台所へと入ると日本茶を淹れはじめる]
お客様用の湯飲みは、と。
[奥に仕舞われているそれを引き出しながら、小さく溜息一つ。
どうして本人はさっさと戻ってこないんだと、内心だけで八つ当たりしながら道具を揃えて]
割り切っちゃえばいいんだろうけどな。
それはそれで…。
[ブツブツと呟きながら薬缶を火にかける。
そして沸騰させたお湯を少し冷ましてからお茶を淹れた。
手つきはかなり慣れたものだ]
すぐに戻るから。
[笑いかけて玲の背中をやさしくぽんぽんと叩いてから、奥で着替え。
やはり勝手知ったる他人の家、置いてあった自分の服を出してきて…、]
むぅ、これしかないか。
[薄水色のシンプルなタイプのワンピースに、
髪は梳かしてそのまま腰のあたりまでたらしたままに。
晴美の待つ居間へと向かう。]
おまたせ。
[笑いかけながら居間にやってくる]
あら、じゃぁどうやってデベソかどうか調べるつもりだったのか。
正直に本人に聞くとか?
[何か言ってて肯定されそうな気がした。]
そりゃそう簡単には剥かないから恥ずかしいわよふつー。涼ちゃんがやるのかと思ってただけで。
[剥いちゃ駄目という涼に、あはと声を立てて*笑った。*]
んー、値段、どうなのかねぇ。
営利目的じゃなくて、純粋に技術継承のために商売してるよーなとこだし。
[交渉次第だな、と、けらりと笑って]
ま、簡単に抜け出せんのは確かだな。
煙草と、たまの疾走は必要不可欠だし。
[どうやら、公僕に見つかるとヤバい走りは日常にも取り入れられているらしい]
[聡の笑顔を内心珍しく思っていたが、あっさりとそれが転じるのには、けらけらと笑って]
その呼び方って…さっちゃん、か?
っふふ。この呼び方は、似合わないからこそ、止めるつもりはないんだが。
[名前を忘れている様子への意趣返しらしい]
ええ。やはり故郷というのは恋しくなってしまうものなのでしょうね
[疑うそぶりもない孝博に、そんなこと思ってもいないのにそうであるようにいって]
…史人が…それは…意外ですね
[それは、帰ってきていたこと、同じタイミングであること。両方の意味で意外であるわけで…少しだけ声のことを思い出したが、祭りであるという理由なのだろうと勝手に解釈。そういえば、櫻木家と仲がよかったようであるし。]
おや、それは残念。引き止めてしまって申し訳ない。
私も後で見にいきますかね。戻ってきたのですから
[何に残念なのかは声にすることもなく。同じように桜のほうを見た後]
では、一旦家に戻ろうと思います。
ここまでくるのは疲れましたからね
…年でしょうかねぇ
[はは。と笑いながらも言って。ついて来るならばいきましょうと。
特に引き止められたりせねば一人で目的地に向かうだろう]
お待たせしました。
[お盆にお茶と、二人分の小さな饅頭を乗せて居間へと戻った。
晴美の前に客用の、その正面に琉璃の湯飲みと皿を置いて。
自分は琉璃の横へと湯飲みだけを持って座る]
…琉璃兄、後で結おうか?
[簡単に梳かされただけ、と見える髪にポツリとそんな感想。
寝癖を見つけてしまったらしい]
う、うーん。それは考えてなかったけど。
本人に聞くのがてっとりばやいかなぁ。
って、わたしがやらなきゃだめー!?
[びっくりだよびっくり!]
いくらなんでも高校生なんだから出来ないよ!
一年前ならやったかも、だけど。
[小学生なんて勘違いされてるって、*わかるわけもないんだってば*]
地鎮祭……か。
イメージとしては、そんなとこ。
[初対面の相手に物怖じした様子もなく問いを重ねる青年の様子に、ほんの少し、目を細め]
むかーしむかしに、色々と騒動起こした巫女さんの魂……だったかね。
……しかし、祭の事を知らんでこの時期にここに来るとか、珍しいねぇ。
[昨日目にはしたが、すぐに入れ違いに去ってしまった青年であったために、聡に関しては声をかけられても疑問符が飛ぶ]
こん、にちは?
ええと。
[挨拶までは返したが、続く疑問には何だか言葉が出なくて。そうこうしている間に史人が返答したようなので、ちょっとだけそっちに任せたり。
軽い口調で返してくる史人の言葉には]
うん、ごめん…。
小説のために、色々調べたりもしたから、ちょっと。
心配、させちゃダメだよね。
[確認するように、自分に言い聞かせるように言って、頷いた]
ふふ、裕樹君も住んでみる?
慣れれば…うん、慣れれば、悪い所でも、無いよ。
[暮らしてみたい、と言う呟きに最初は笑って返したが、続けた言葉に一旦ハッとするようにして言葉が途切れ。少し気を取り直した様子で言い直した]
利吉さん、すぐ見抜いたもんね。
私の、眼力がないだけかもしれないけど、バレにくいと、思うよ。
…ああ、何だか、分かるかも。
推敲も、やっぱり難しいし。
違う職種なのに、似てるね。
ありがとう玲ちゃん。
いいお嫁さんになれるよ。
[くすりと笑いかけて、湯飲みを手にずずっと一口]
結った方がいいかな?
[寝癖には気づいていない様子で首をかしげる]
紅い巫女の伝説、か。
[史人と聡の会話にぽつり、と思い当たる単語を述べて]
…そう言えば、さっちゃんは何でこの村に?
わざわざ来るからには、理由のひとつもあるんだろ?
[呼び名は変わらないが、気軽な様子でそう声をかける]
そーだなァ。
向こうはなんつーか、あくせくしてッしねェ。
[笑う顔に、矢張り疑う様子は無かった。]
んン、びっくりしたなァ。
丁度オレと同じ頃に出て、戻って来たのも同じなんてな。
[普通に考えれば、7年前に故郷を発った蓮実が、3年前に史人が同じように出て行ったことを知る筈は無いのだが、当人はそれに気づいてはいないよう。]
んー、ごめんなァ。また今度にするわ。
気ィつけて。
[家に戻ろうとする蓮実をひらと手を振り見送って、自身は桜の元に向かおうと背を向けた。]
調べたって、ああ、桜の伝承か。
……お前、ほんとにそういうのに影響受けやすいよなぁ……。
子供の頃、でっち上げの怪談話とかも結構本気にしてたろ?
考えすぎなんだよ、少し。
[またどこか思いつめたようにも見える榛名の様子に、やれやれとため息をつき]
……ダメとか。そういう風に考えるのは、止めとけ?
自分が滅入るだけだぜ。
お嫁さん?
[思わぬ表現に目をパチクリ]
ええと、うん、まぁ。
家のことは結局私がやらなきゃだし。綾姉にも教わってるけど。
[微妙に困ったような表情を浮かべつつ。
首を傾げるのには頷いて]
そこ、撥ねてるし。変な癖の付き方しちゃうよ。
琉璃兄の髪だと、濡らしただけじゃ無理でしょ。
[兄を付けて呼びつつ、琉璃の髪に触れるその仕草は姉か何かに対するものに近いかもしれない]
まぁ、後で、ね。
[チラリと晴美の方を見た。深い意味はなさそうだが]
本当。奇妙な偶然。
祭りが引き寄せたのでしょうかねぇ
[のんびりとした口調ではあったが、少しだけ声のことがまた浮かんで、すぐ消して]
しばらく村にいるので、親父さんにもよろしく伝えといてくださいな。
ではまた
[と言って、孝博と別れてまた歩き出した]
地酒の値段は交渉次第、か。
そっちにも熱意を持たないとならなそうだな。
…疾走って……、あんまり危険な事はしないようにな?
バレたら、妹さんに怒られるんじゃないか?
[にい、と笑う様子は、史人の弱みを握れたように思えたからか]
ま、言われてできるようなら、とっくにしてるか。
[居間で待つ間、鉄球を弄んでいたが、笑いながら居間へやってきた瑠璃の姿に]
なんというか。相も変わらず……いや、それは禁句だったか。聞かなかったことにしてくれ。
[そうしているうちに、玲がお茶と饅頭を持って戻ってくる。]
ふむ、苦しゅうない。と言うか、無理に気を回さずとも構わんよ。
玲が俺を嫌っていることは把握しているからな。
[そう言って、茶を啜る。]
[七年ぶりに家に戻ってみれば、庭も荒れ放題に荒れているとも想像していたのに、どうやら本当に管理はされていた様子。
玄関まで歩き、扉を掴んで横に引けば、昔のように開いた。
元から泥棒などというものなどそうそう寄り付くような村でもないわけだが
外から戻ってきた己には不用心だろうと思いながらも入った
しん。という音すら聞こえてきそうなほどひっそりとした家。]
ただいま……一応ですがね。
[はたしてここを自分の家といっていいのかどうか。戻ってみればやはり複雑であって。
荷を居間において。まずは、と仏壇へ]
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