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ちょっと昨日はあんまり眠れなかったのよねぇ。
[なれた手つきで袋に品物をつめつつ]
あ、あるわ、薬屋さんよりちょっぴり高いけれどね?
[棚の上の、良い香りのする石鹸を指差した]
ん……ウィッシュー?
[声をかければ、黒猫は立ち止まって振り返り、一声鳴いて。
それからまた、ととと、と歩き出す]
……どうも、落ち着かないな、あいつも。
[小さな呟きは、少年にまで届いただろうか。
ともあれ、手を離し、代金を払った買い物の袋を持ち直し。
尻尾を揺らして進む黒猫を追う。
黒猫の歩みは、広場の方へと向いているらしい]
[からり、扉を開けて、レベッカの店に入り]
こんにちは、レベッカさん。
一つ、扇子をいただけないかしら。
忘れてきてしまったの。
ええ、そんなところです。
はい、凄く綺麗でした。
つい見とれてしまって、レベッカさんに置いて行かれるところでしたよ。
[やはり騎士は失格ですねと笑い、その後の言葉には困ったような顔になる。]
嗚呼、そうですか。
済みませんね、悪い人じゃ無いんですけど。
如何にもその、・・・・町の人以外をあまり良く思ってないみたいで。
興奮しすぎですか?レベッカさん、スッゴク楽しそうだったから。
あ、じゃあ…その石鹸も下さい。4つほど。
[まとめて買っちゃいます。小さく笑みを零しつつ
棚の上を指差す。領収書もお願いできますか、とお願いして、
ふと、店の扉から覗いた姿に青を瞬いた。]
──あ、ガーシュインさん。こんにち、は。
[…はたと、相手が自分の事を知らないことに思い当たる。
自分は診療所で手伝いをしているから、一方的に判るけれど。
店へと入ってきた女性にぺこりと頭を下げて]
えと、ニーナ=ベルティ、って言います。
ここには、お手伝いしている診療所の、お買出しに。
お怪我はありませんか?
ああ、そうですか…お気をつけて。
[割れた破片とソフィーを見比べて問うも、どうやら日常茶飯事らしく大丈夫との答えが返る。
片付けの邪魔にならないよう扉へと移動し、リックと挨拶を交わす]
はい、こんにちは。
確かに美味しいですね、いい仕事をされてます。
[うんうんと何度も頷けば、最後の質問まで頷いた形になってしまっただろうか。
背後からレベッカの援護の声が聞こえたが、リックの言葉には達観めいた響きがあって。口を出さずに見守るにとどめた]
それでは、私もこれで失礼します。ではまた。
[ヘンリエッタとリック親子が去るのと同じく雑貨屋を後にし、急ぎ足で診療所へと向かった]
[ニーナの法に向けている顔を、からりと音をたてた扉に向けていらっしゃい、とつむごうとし]
あら、エレノアの奥様こんにちは。
扇子、ちょうど昨日いくつか入荷しましたわ。
[にこりと笑って別の棚を指差した]
[暫く入り口から中の様子を眺めて、
それからくるりと踵を返す。
賑やかな音楽は相変わらず止まらずに、
誰も彼もを誘ってしまいそうに思えて。
……そう言えば、
それほど大きいわけでもないのに、
何処ででも聞こえているような気がして、
気のせいかもしれないのだけれど、
不思議な感じを覚える。]
楽しんで頂けたようで何よりですよ。
騎士の名誉は、またショーにでもお誘いすれば回復出来るのではないですか?
レベッカさんは、随分とサーカスがお気に入りのようですから。
[ラッセルの言葉に、笑いながら頷いて]
ああいった方はどの町にもおいでですよ。
それに、それだけ町を大切に思っていらっしゃると言う事ですからね。気になさらないでください。
[少年が追いかけて、立ち止まった事に気づいているのかどうかはさておき。
リズミカルに人ごみを避ける黒猫を追ってゆく。
途中、ビラ配りに押し付けられた紙を見るのもそこそこに。
進むに連れて人が増えるような気がするのは、多分、気のせいではないだろう。
広場の近くまでやって来ると、黒猫は足を止めて。
なぁう、と鳴きつつ、尻尾をゆらり]
……なんで、わざわざこっちに来るかな、お前。
[遅いよ、とでも言いたげな猫の様子に、口をつくのはこんな一言]
……なるほど、今日からが本番……か。
[賑やかな様子と、途中で押し付けられたビラからそれを察して小さく呟く]
にしてもお前、まさか見たい訳じゃあるまい?
[尻尾を揺らす黒猫に問いかけつつ、荷物を持ち直す。
黒猫はなぁう、と鳴いて、また、尻尾を揺らした]
[カウンターの前で、荷物が出来上がるのを待つ少女に名乗られて、こちらもほほ笑むと]
こんにちは、ニーナさん。
成程、診療所のお嬢さんだったのね?
[見たことがあると思ったのよ?とおっとりと言葉を続ければ、後ろの娘もぺこりとお辞儀をして。
――彼女にそれは、見えないのかもしれないけれど]
サーカスが来ても、診療所や雑貨屋さんを、
おやすみするわけにはいかないものねえ。
皆は助かるけれど、
働いているお年頃の女の子には、物足りないわよね?
―サーカス広場―
[丁度天幕から、ふらふらとした足取りで出て来るアーヴァインの姿が、ハーヴェイとヘンリエッタには見えたかもしれない。]
[自身に気づいた少女に気づいたのか、黒猫はそちらを見やって声を上げる。
動いた視線の先を追えば、目に入るのは鮮やかな赤]
と……やあ。
君も来てたんですか。
[にこり、と笑って。軽い口調で声をかけ]
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