情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[結局、夜明けまで眠ることは出来なかった。明るくなってから、漸くいくらかうつらうつらしたものの、妙にはっきりとした夢ばかりを見て、熟睡にはほど遠く…諦めて身を起こした時には、すっかり身体は怠さに支配されていた]
…………
[何度も見た夢は「全てが夢だった」という夢…それは、以前にも経験したことで、現実逃避の一種なのだと、嫌になるほど理解している。窓の外に咲き誇る桜が、それを冷たく肯定していた]
…確かめないと…
[昨夜から着たきりだったTシャツを新しいものに着替え、階下に降りる。しん、と静まり返った共有スペースの端に置かれた電話に歩み寄り、昨夜と同じように受話器を取った]
………
[沈黙…半ば予想通りの展開に、吐息をついて受話器を戻す。そして、そのまま、寮を出ると校門の方へと向かった]
[校門に手をかけて、開けようと試みる。彼は知らなかったが、昨夜ショウが試みたのと同じように]
………ダメか。
[そして、ショウと同じようにその鉄の扉が開かないことを知り、試すように、腕を格子の隙間に差し入れる]
………!
[見えない空気の壁に突き当たるような感覚…そして、弾き返すような反発]
………出られない、か。
[それも又、驚くべき事とは思えなかった。軽く腕をさすり、桜の木を振り返る]
─寮・自室─
[いつの間にか落ちていた、浅い眠りから目を覚ます。
眠り──眠っていた、というよりは、意識を失っていた、と言うべきだろうか]
…………。
[しばし、ぼんやりとそのまま寝転んでいたものの、やがてゆるゆると起き出して、ベッドの上の段を覗き込む]
…………。
[いないのは、わかっている。
それはほとんど、無意識の──喪失を否定したい、という思いのなさせたもの]
[ふる、と頭を振ってベッドから離れ、崩れ落ちるように椅子に座り、机に突っ伏す。
視界の隅。
銀色の鈴が目に入る。
つきり、と頭の奥に走る、鈍い痛み]
……………。
[唇が、誰かの名前を紡ぐように動いた]
……ここで、落ち込んでても仕方ない……。
とにかく……探さないと。
[『憑魔』を、と。小さく呟いて。
既に機能していないミッドナイトブルーの携帯をポケットに押し込み、部屋を出る。
……寮の中は人気が途絶え、シン……と静まり返っているように思えた]
[いもしないはずの空間に、何度も語りかけて笑う。
変わっているのは彼女だけではなく、
部屋の中、机の上。
一冊のノートが開かれている。
窓の外の風を受けて、めくられていたそれは――昨夜、ないし、明け方、彼女が来たときにはなかったもの。
彼の文字が、そこには躍っていた。
彼女が見てはならなかった――封じていた言葉が、連なっていた。]
……おなか、すいたかなぁ?
ごはん、たべてこよう。
おにいちゃんはどうする?
[問いかけて、かえるはずのない答えを聞いたか。
小さく笑って]
うん、じゃあいってくるねー
ちゃんとたべてくるから、だいじょうぶだよ。
[静まり返った廊下に響く音。
扉を開けるそれは、生きた人間がいる、という事で]
……誰? 誰か、いるの?
[生きてるの、と。そう問いたいのは辛うじて抑えたものの。
それでも、呼びかける声には微かな警戒の響きが混じるか]
[一度ふりかえって、手を振って外に出ようとしたときに、
声が届いて首を傾げる]
?
あ、こんばんは。
……内緒にしてください!
[女子生徒が男子寮にいてはさすがにまずいと声をあげて。
まるで昨日がなかったものであるように――昨日の彼女の様子を知っていればそれはおかしなことに違いはないのだが――
いつものように、わらう。
目元は赤く腫れているけれど、それ以外はすべて日常であるかのような]
内緒にって……。
[言われた言葉の意味が、つかめなくて。
思わずきょとり、と瞬く]
『この子……確か、昨日……』
[桜に向けて、桜花に向けて。
叫び声を叩きつけていた姿と、今そこにいる姿は、余りにも差がありすぎて。
どう、言葉を続ければいいのかわからず、それきり何も言えなくなる]
−寮・自室−
[寮に戻り入浴と着替えを済ませたショウは、
何をするでもなく、部屋でぼんやりとしていた。
髪には滴が残り、肩にタオルをかけて、
腫れた瞼を冷やすため、目元にも濡れタオル。
人工の灯かりは点していないけれど、
差し込む明かりが部屋を薄く照らす。
仔犬はひとり、人形にじゃれついて。
聞こえる音は少なくて、静かだった。]
[窓の外に、薄紅色の花弁を付けた、大樹が見える。
昨日よりも鮮やかに見えるのは、気のせいだろうか。
じゃれつくのを止めた仔犬が、一声、吼えた。]
…ん。
リュウ、どうした?
腹でも、減ったか。
[近寄って来る仔犬を膝の上に乗せつつ問いかける。
………直後、鳴ったのは、自分の腹だった。
そう言えば、昨日から何も食べていない。
食欲はなくとも、身体はきっちり空腹を訴えていた]
だって、女の子がいたら、だめっていわれますしー
いくらおにいちゃんの部屋でも
[にこにこと笑って]
……どうかしたんですかー?
[言葉に詰まったその様子に首をかしげた。]
―寮・自室―
[昼間にも目を覚ましはしたのだが。
どうにもだるさが先に立ってそのまま起きる気になれなかった]
『ちから、たりないよ』
[微かに残る違和感、そして疲労]
ああ、食事もしないと。
[呟いた時には既に、再び暗くなった後で]
皐月さんに怒ら…れない、のよね。
[溜息混じりに呟く]
……それは……そうだけど。
[既に、そういう問題じゃない、と。
言っていいものかどうかの逡巡。
……告げた方がよいというのは、現実を見せた方がよいというのは、『わかって』いて。
壊れた心。
それは無垢であるが故に、魔を呼び込みやすい、という側面もあると、『知って』いるから]
いや……俺は、どうもしない……よ。
なんだか、へんな、かがみせんぱい
[おかしいのは彼女だというのに、本人にはわからない。]
あ、ごはん食べに行きませんか?
おにいちゃんに怒られちゃう
[後ろ手に扉を閉めて]
一緒に居るんだもの。
『ずっと一緒に』
寂しくなんか無い。
[身支度を整えながらポツリポツリと呟く。
机の上に置かれた携帯電話を手に取る。
もちろん表示は圏外のままで]
本当に隔離しているのね。
『逃がさないよ』
そう、ずっと一緒にいたいもの。
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新