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[アーベルの問いに頭を掻いて]
いやま、うーん。
ヴィントは大事な相棒だから、似てる言われるのはいいんだけど。
食い意地が似てると言われるのはさすがにアレな訳で。
[まあ、実際には大食漢ではあるのだが。
なんて言ってるところで、屋台に向かったベアトリーチェに遅れて気づいてやれやれ、と]
……冬は、寒いからな。防寒具を纏うのは当然だ。
それから、僕は王子ではない。
[握手だけだと思っていたが為に、手を取られたまま歩みを進められ、緑眼が見開かれる。しかし少女は意に介した様子もなく、寧ろ楽しそうに広場へと向かって]
好きな、もの?
特に……まあ、綺麗なものは、嫌いではないが。
[彼女が妖精の粉の光と喩えるそれを見遣るも、美しいという以上は思えず]
……そう、言われても、解らない。
[奏でられる言葉とは違い、淡々とした、戸惑いの篭った声]
[…こっちに近寄ってくる姿を見ると、やはり、あの少女で…]
…別に、もう運び終えたから、構わないけど…
ミハエル…さん?
[一つ瞬きをすると、微かに首を揺らし]
…あたしは…見てない、けど…
[少し考え…]
広場。とか…
人混みの、少ない所…ミハエルさん、好きそうだから。
うん、りょーかいっ!
[笑みと共に頭を下げられれば、へらりと笑う。
店の人からパフェをまず2つ受け取れば、
それをベアトリーチェに差し出して]
ただ、あたしの手も2つしかないから、
ベアちゃんも2つお願いして良い?
広場…ですか…?
[手元のくしゃくしゃの地図を覗き込んで、広場を探す。
ひときわ大きな空白であるそれは直にわかったけれど、基点である位置がわからない。]
あの…ここは、どこでしょうか…?
[途方にくれたように見つめるこげ茶色の瞳は、どちらが迷子に見えるだろうか。]
[…くしゃくしゃの紙。
それが地図だと分かるまで、少し時間がかかった]
…此処は、ランプ屋「Fairy's fire」の前、だけど…
[何だか、頼りなさ気なその瞳にこめかみを掻き…]
…あたしも行こうか?
あなた、も…この、村に来て、間もない、でしょう?
あら、男の子はみんな王子様になれるのよ?
そして、女の子はみんなお姫様になれるの。知らないの?
[くすくすと笑いながら、少女は少年の手を引いて歩く]
好きなものがわからないの?それじゃあ探してみましょう。
ミルクセーキにアップルパイ、ランプの光にふわふわ風船、男の子なら、七色に弾ける花火が好きかしら?
[一つの屋台の前に立ち止まり、少女は今しがた口にした、花火の束を買い求める]
[パフェを分担して持つベアトリーチェとリディを見ながら]
食い意地がはっていると認識してもらえれば、
この鼠みたいにことある語とに美味しいモノが食べれるが…
[たこ焼きを食べ終えて満足げな鼠に目をやる]
そう認識されるのが好きではないのならしょうがないな。
[そういって、鼠からユリアンに視線をずらした後
軽くポフポフとユリアンの頭を撫でる。]
うん、じゃあお願いね?
……ベアちゃん、一人でコレだけ食べるの?
[ベアトリーチェにそっと手渡せば、
自分は残りの2つを屋台の人から受け取り。
………かと思えば、見当違いな事を言い出した。
と、遅れて近づいてきた2人に気付いて]
[屋台前の少女たちを見やりつつ]
……それって……なんか、虚しくねーか?
[事ある毎に美味しいモノが、というアーベルの言葉に素で突っ込んだ]
いや、つーか、撫でるな。撫でるなって。
[何がしょうがないのかと突っ込みつつ、手を退けて]
[一人で食べられるわけはない。
子供はあわてて首を横に振った。]
リディさんのと、ユリアンさんのと、アーベルさんのと、僕の、です。
[にこにこ、笑ってそう言った。]
それが通用するなら、世の中には王族だらけだ。
[少女の言葉の意味は解っていない様子で、彼は呟く]
好きも嫌いも、特には無いというだけだ。
己の好みばかりで選んでいては、上に立つ者としては失格だろう。
[あまり乗り気ではないように言いつつも、手を振り払う事はせずに、引かれるままに。しかし、ミリィの買い求めた見遣れば、眉を顰め]
……火の扱いは、危険だ。
[首を横に振る様子に、きょとんと数回瞬きして。
続く言葉に、え。と小さく声を上げる]
わ、え?そうなの!? うっわー…ベアちゃんありがとっ!
ってか、そうだよね!一人で食べられるわけないよねこの量…!
[思わず口走った言葉に猛反省。
…きっと、自分だと4つ食べてしまうのだろうけど]
あ、ちゃんと後でキチンとお金払うからね?
ってか、アーベルにぃもユリアンにぃも、
ベアちゃんの手伝ってあげてー!
[パフェを両手で掲げつつ、訴え]
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