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[周囲の語る呼び声の話。
表情には現れぬものの、ほんの少しだけ瞳は険しく。
しかし、そんな険しさも、帰り着いて早々の声にあっさり砕けて]
……遅い、って、なにカリカリしてんだよ、お前?
……あー、晴坊っちゃんが来てんの?
[妹の剣幕にやや戸惑うものの、来客の事を聞いてひとまず納得し。
居間に顔を出して挨拶をしたり、玲に裕樹の事を紹介して事情を説明したりして。
茶菓子が足りない事は突っ込みを入れるかどうか悩んで、止めた。さすがにそれは子供っぽい]
……お前でできん事が、俺にできるかっての。
道具なんて、年単位で触ってねーぜ?
[手伝い、の話は、ひらひらと手を振ってこう受け流す。
さりげなく隠された利き手が何を意味するのかは、さておき]
[榛名も玲も相変わらず苦手らしい晴美に、外での事を適当に話して聞かせる。
態度で色々と言われている次期当主は、自身にはあらゆる意味で可愛がりがいのある弟分なので、特に何か気にする事もなかった。
やがて、居間に顔を出した父に、改めて事情を説明して。
渋面になったのを見計らい、立ち上がる]
……さぁて、と。
俺、庭で一服してくるわ。
[ポケットから出した赤い箱をひらりと翳しつつ言って、返事も待たずに庭へ向かう。
立ち去り際、裕樹にこっそり、「後一押し」と囁いていたのに、果たして父は*気づいたか*]
[葛木家の主を呼びに行ってくれた玲に「ありがとう」と礼を言い。現れた人物にまずは挨拶をして。そしてようやく交渉が始まる。裕樹が自ら目的を説明し、榛名と史人でフォローをする。尤も、史人は途中で抜け出してしまったが。
粗方説明を終えて裕樹が固い面持ちで頭を下げ、史人の父親が渋面で唸った所で更に口を開いた]
裕樹君、とっても素直で、良い子だよ。
家の物に手を出すとかは、絶対に、しない。
それは、私が保証する。
純粋に、構造とか、間取りとか、建材の勉強を、したいんだって。
最近じゃ、こう言う家も、少ないみたい、だから。
[「だよ、ね?」と裕樹に同意を求めつつ。この言葉が史人の言う後一押しになったかは定かではないが、見学の許可は得られそうな*雰囲気*]
[薄気味悪い話になったものの、元来現実的な聡はさして気にはしていなかった。]
[どころか、他にも感知した人間がいたということでむしろ、「たまにある程度のことか」、と適当な見切りをつけかけていた。]
さってと。どうするかな。
[何も起きていないが、一応のケリはついた、と感じる。もうこの村に居続ける理由は無い。]
まぁ、ちょうどタイミングも良かったようだし、祭りでも見物していくか。
あはは、ごめんごめん。
うんでも、ぱっと見説明なしで涼ちゃん高校生だって見抜ける人は凄いよ?
[そういえば利吉は見抜けていたのだろうか。裕樹を女性だって見破れたくらいだし…とは裕樹の楽しみを減らさないように胸の内にしまっておく。]
えー内緒ー?気になるなぁ。
[何となく言葉を濁されたような感じに、それ以上の追求は控えるかと思っていたら。]
……利吉の隠し子。
物凄いぎりぎりな気がするけど、不可能じゃないわね…。
[頭の中で即座に年齢計算したとかそんなね!ちよっと信じたかもしれないよ。]
そうそう、休暇がてらに桜を見に来たの。
お祭りあるのはここに来てから知ったわ。
うん、大きなお祭りらしいね。村の中がざわついてる感じがするわ。きっと普段はもっと静かでしょうに。
ああ、桜の樹、さっき見て来たけど大きかったよ。…花咲いてなかったけど。
[見て来た事実をそのまま告げた。]
私と利吉?あはは、そんな色気のある間柄に見える?
仕事中というか、お使い中に偶然鉢合わせる事ウン回の腐れ縁よ。
[爽やかな笑顔で言った。
尤も、遭遇内容が普通じゃない事が多いわけだか、それは、言わない。
彼女が何処まで知っているか、まだ分からなかったから。]
[そうこうしてゆくうちに日は少しづつ傾き始め。]
さてちょっと長話になったかな。涼ちゃんこれからどうする?
利吉はこの辺には見当たらないみたいだし、なんだったら捜しがてら例の桜の樹でも見に行く?
[そう提案し、同意が得られるようなら、先程まで見ていた丘まで涼を連れて*行くだろう。*]
なるほどなるほど。
御協力感謝感激雨あられ。
[適当に言葉を切って、村人との会話を締め切った]
……ん。
まだ、ちょいと、情報としては足りないかな。
[そういいながら、タバコを一本取り出して口にくわえた。
頭をガリガリとかきながら、周りを見渡す]
祭り。の割には少し閉鎖的かな。
それに、あまり人には知られたくない雰囲気バリバリだな。
[煙と共に小さなため息一つ]
難しい仕事だなあ。
そりゃ、お子さまセット出されたこともあるけど!
[本当だからきっつい事実なんだけど。うれしくない話題になるから変えてしまうのが吉だろう!]
仕事中?ライバル?んーまあいーやー
咲いてない桜?
それじゃあ葉っぱもでないんじゃないの?
……うーん、うん!見にいく!
[おねーさんがりきっちゃんの知り合いなら、*安心だしね*!]
[小さな桜の樹は画面の中に収められた。]
ん、まァこんなモン?
[カメラを鞄に押し込みながら、少し考える。
考える時の癖らしく、片手はキーホルダーを弄り。]
・・んン。
今のうちだし、もーちょい近くでも見とくかね。
[一つ頷いて、更に近寄るべく丘に上り始めた。]
[玲と史人の会話から、玲では手伝えない理由は朧気に理解するだろうか。はっきりとした確証は得ていないが]
史人じゃないとダメなら、少しだけでも、手伝って来た方が、良いんじゃない?
[史人が手伝いたがらない理由までは流石に理解しておらず、仕事が早く終わるなら、と言う観点からそう言ってみたり]
[一緒に入ってきた榛名や史人の方を見れば]
うん、ボクの予想通りやっぱり誰かにあって話しこんでた。
そうでしょ?
[にっと幼馴染の二人に笑いかけて、
さらに足りないお茶菓子などに楽しそうに史人のほうを見ながら]
妹にさびしい思いをさせた罰っていうのは怖いものだね。
[その後、史人達の父親に用事があるらしく、
居間にくれば軽く礼を返して、
お茶をすすりながらあまり自分は口を挟むべきではないだろうと黙って交渉の様子を眺めている]
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