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─ 何処かの川辺 ─
……取りあえず、ここでぼーっとしてても仕方ないよな。
[ここがどこか、なんでいきなり移動したのか。
わからない事しかないけれど、多分、そこで悩んでても始まらない]
ここがどこかはわかんないけど、初めて見る場所なのは間違いないんだし。
ただ、突っ立ってるなんて勿体ないし。
[零れる呟きに、すみれ色のふわもこと、白と蒼の羽をもつ小鳥がきゅー、ぴぃ、とそれぞれ鳴く]
……なんだよ、もう……ヴィオは心配しすぎだ……っていうか、ほんと、なんでついて来てるんだよ……。
[父の分身ともいうべき存在がいるというのは、なんというか、お目付け役がいるようで微妙な気分が拭えない。
零れた文句にすみれ色はまたきゅー、と鳴いた。
ちょっと寂しそうな様子にほんの少し罪悪感を感じたものの]
……ん。
[不意に聞こえた、微かな音>>26に、意識はそちらへと向いた]
今、何か音が……誰か、いるのかな。
[疑問の呟きを落とすより先、少年は音を拾った方へと向けて歩き出す。
すみれ色のふわもこが慌てたようにきゅー、と鳴いてその後を追いかけた。
追われる方は気にした様子もなく、すたすたすたと歩いて行って]
……あれ、は。
おんなのこ?
[向かった先に見えた姿に、小さく呟いて。
けれど、何か力のようなものを感じて首を傾いだ後]
……えっと、そこのきみ!
ちょっと、いいかな!
[悩んでいても仕方ない、とばかりに声をかけてみた。*]
─ どこかの川付近 ─
[いつもナタル達に会いに行く時使う道には、川は無い。
もう何回も通っているのだから、間違えることも無いはずだ。
だというのに、今自分の行く先が水の流れに遮られているということは]
…これ、って。
夢の中じゃ、ない…よね。
[種の本性として夢の中に意図せず紛れ込む事はこれまでも良くあったけれど、背中に背負った大きなリュックと手に持ったバスケットの重みは現実のもの。
となると、自分は今一人知らない場所に居る訳だが]
…ちがうとこ、入っちゃったってこと、かな。
[妖精界の位置する特性か、時折意図せず異なる世界に入ってしまう者も居ると姉達から聞かされてはいたから、その推測は簡単についた]
多分、さっきの光の、せい、だよね。
…どこ、なんだろ。ここ。
[原因らしき異変もわかりやすかったから、声には慌てる色は乗らなかったけれど。
表情には、ありありと困ったな、と戸惑いを浮かべて回りを見渡したのと、>>42呼びかけられたのはほぼ同時]
ぁ…え、と。
[何時かの大祭の時仲良しになった皆の御陰でもう人の影に隠れたりしない程度には慣れたけれど、まだちょっと男の人には気後れする。
こちらに向かって歩いてくる少年を見ると、ちょっとだけおど、とした後に頷きを返して]
だいじょぶ、だけど。
なぁに?
[首を傾げて問い返すと、それに合わせてちりん、と小さな音がまた、鳴った*]
─ 何処かの川辺 ─
[呼びかけに対する反応>>45に、あ、警戒されてる、なんてちょっと過ったりしたものの。
とにかく、この場所について何もわからない状態からは抜けだしたいから引く事はせず]
あ、脅かしたならごめん。
えーと、ちょっと、聞きたいんだけど……。
[さて、どう言おう。
なんて思考は一瞬。
何せ、聞きたい事なんて一個しかないわけで]
ここ、って。
どこだか、わかるかな?
その……どうも、俺の知ってる場所……っていうか、世界じゃないみたいなんだけど。
[結局、感じているそれをそのまま投げ駆けていた。*]
おや、心魔 クレメンス が来たようです。
― 『鍵の街』シュリセル近郊 ―
[街に近い路上、木陰から滲み出るように黒い姿が現れる]
おや...?
[首を傾げ、辺りを見渡し、笑う]
これはまた、面白いことになっていますね。
[歪み、たわみ、異界の気配を伝える空気に、手を擦り合せるようにして]
主よ感謝致します。
私に新たな楽しみを与えてくださったことを。
[笑いながら、足を踏み出した魔の姿は消え失せる]
─ 何処かの川辺 ─
ぁ、ち、ちがう、の。
お兄さんに、びっくりしたわけじゃ、ない、の。
[>>46近くまで来た少年から先ず謝られると、申し訳なくて眉を下げつつ頭を振った後。
続いた質問で、目をぱちり、と瞬かせ]
ううん。
私も、わかんないの。
[もう一度、ふる、と顔を横に振って眉を下げた*]
─ 何処かの川辺 ─
あ……そう、なんだ。
[ならよかった、と。
ほっと息を吐いていたら、すみれ色のふわもこ竜がぱたり、と小さく羽ばたいた。
それが呆れている時の反応なのは余談としておいて]
あー……きみにも、わかんないのか。
[わかんない、という言葉と眉の下がる様子に、こちらもちょっとふにゃり、とするがそれは一瞬。
ここで情けない様子は見せられない、と気を奮い立たせ……た所で、ある事に気がついた]
取りあえず、この場所の事はちょっとずつでも調べていくとして、その前に。
俺は、フォルカー。
フォルカー・シュヴァルベ。
こいつはルフト、こっちのふわもこしたのはヴィオレットっていうんだ。
[前置きの後にやったのは簡単な自己紹介。
人に近しいが、人ならざる存在である事は、気取られるか否か。
いずれにしても、今の状態では自分からそこを明かす事はないのだけれど。*]
─ 何処かの川辺 ─
[少年からほっとした様子が伝わると、こちらも良かった、とほっとして。
ふわもこさんがぱたりこする仕草が可愛いなと思ったのも相まってほんわか微笑んだ後]
うん。
いつもの道、あるいてたら、ここに来たの。
[確認するよな言葉に、改めてこくりと頷いた]
[それから>>51この場所を調べる前に、との前置きに続いた自己紹介を聞いて。
そういえば自分もまだ名乗っていなかった、と慌てて]
あ、えと。
私ね、ビーチェって、いうの。
フォルカーお兄さん、と…ルフトちゃん、ヴィオレット、ちゃん。
よろしく、おねがいします。
[ちりりと鈴を鳴らしながらぺこりと頭を下げたこちらは少年が人ではない事に気付いていない。
というより、同じ妖精界の住人と思っているというのが正しいだろう*]
[挨拶をしているこちらもまた本性は違う姿だと、少年は見抜くだろうか。
それはともかく、さげていた頭をあげると、ふと、思い出した事に気付き]
あの、ね。フォルカーお兄さん。
ここはどこか、わかんないんだけど。
私、歩きはじめてすぐ、どこかから、光がとんできたの。
たぶん、ここにきた理由は、あの、光だと、おもうん、だけど。
お兄さんは、こころあたり、ある?
[知らない場所に来た理由が解れば、戻り方を探る手掛かりにならないかと問いかけた**]
─ 何処かの川辺 ─
ビーチェ、だね。
ん、こちらこそ。
[鈴を鳴らしながらの名乗りにこちらも礼を返す。
こういう所はきっちり躾けられていた。
合わせるように小鳥がぴぃ、と鳴いて、すみれ色がぺこり、とお辞儀しながらきゅー、と鳴いた。
それから、すみれ色はもの言いたげな目をこちらに向ける。
少女が人ならざるものである事、それに気づいているか、と。
きゅう、と短い鳴き声での問いにはん、と小さく頷く。
さすがにというか、その位は察知できた]
歩いてたら、光が飛んできて……?
あ……それだと、俺と同じかな。
俺も、突然飛んできた光にぶつかったら、ここにいたから。
[言いながら周囲を見回したなら、ちょうど目の前をふわふわとした塊が通りすぎて行って]
そう、ちょうどあんな感じの……って。
[呑気に言いかけた言葉は、改めて見たそれから感じた気配に止まる。
はっきりなに、とは言えないけれど。
それが力あるものであり、影輝の領域たるもの──『均衡』を大きく揺るがすものであるのはぼんやりと感じられたから]
…………うん。
あれが何かはわかんないけど。
あれが原因なのは間違いないと思う。
[言い切った。思いっきり言い切って、それから。
その場に膝をついて、自分が地面に描く影にそ、と手を触れた]
……影の力。
何処にでもあり、何処にもなきもの。
……この場にある力の気配を、俺に教えて。
[力を高め、空間に作用している影の力に呼びかける。
何処にでも存在し得る、影の特性を生かしての探知はある意味基本だが。
どうにも苦手意識が先に立つのは、まあ、いろいろと複雑なものを抱えているからで]
……んー……俺たち以外にも、引き込まれたひとがいるみたいだね。
[何だか知ってる気配もするのは、誰か気のせいって言ってほしい。
無理そうだけれど]
とりあえず、他にも人がいるみたいだから。
探して、話、聞いてみよう。
[脱出法を探すにしても、色々と要素が足りないから。
他者と接触する事でそれを得るべく、動き出そうと決めて]
一人で動くの危なそうだし……一緒に、行こうか?
[この少女も力あるものらしいけれど、せっかく出会えたものと離れるのは何となくやり難くて。
こんな提案の後、まずは川に沿って歩き出した。**]
[光の塊についての忠告>>40には、げんなりと嫌そうな表情]
まーた聞き慣れないくっそめんどくせぇこと言われた気がする…。
とにかく触ったり刺激したりしなきゃ良いんだな。
[秩序の王だとか混沌の王だとか、普段触れるわけもないものを示唆されてもピンとは来ないが、この空間の根幹と聞けば、むやみやたらに触って良いものではないことくらいは察せる。
ひとまず簡単な解説も受け、やっぱり面倒だ、と言う感想を抱いた]
こっちはこっちで動いてみるわ。
何かあったら合図する。
[合図、の意味が風を使ったものであることは相手も知れよう。
んじゃ、と手を上げオトフリートとはその場で別れた**]
― 何処かの丘の麓 ―
[ふるり、と頭を振って身を起こす。
大きく息を吸って、吐いて。
ぺたり、と地面に座り直した]
うー。君のせい?
[ゆらゆらり。
少し離れたところで揺れている光の塊にジト目を送る。
半眼睨みしていると、ふより、と近寄ってくるので、何となく手を伸ばしかけ]
…えっ?
[目の前を金属の輪が勢い良く横切っていったので、驚いて引っ込めた。ぱちくり]
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