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陶芸家 アマンダ が参加しました。
−北通りの端・工房−
[狭い室内で、高温の焔が揺れる。
白い指が指揮棒を振るように、その上に掲げられた。
差し込まれた硝子棒が飴のように蕩け、粒子の細かな泥が塗られた精霊鋼の棒へと絡みつく。
絶え間なく棒が回され、硝子は丸く整えられた]
[白い顔には汗一つなく、茶色の瞳が焔を映す。
決められた作業順に動かされていく、銀色の指揮棒。]
[花の硝子の欠片(ミルフィオリ)が、静かに乗せられていく。
その上を覆うベールは薄い水色。
絶え間なく棒が回され、硝子は丸く整えられた]
[新たに生まれた玉は、細かな石の粉の中に沈められた。
焔に融かされ、石に抱かれ、愛でられるその時の為に玉は眠る]
[アマンダの作業が一段落したのを見計らい、アマンダと同じ色の毛並みをした生き物が一声鳴く]
「アンッ」
はい、完成。おつかれさま、千花(ミルフィオリ)。
何か冷たいものでも貰いに行こうか。
[置物のように身動きせず待っていた相方に声を掛け、道具を片付ける。高価な精霊鋼の棒だけは冷ましてから袖の内へと仕舞い、千花へと手を伸ばす。その手を駆け上がり、肩の定位置へと落ち着いたの確かめ、アマンダは工房を後にした]
→北通りを抜け西通りへ
探偵 ハインリヒ が参加しました。
[朝、町の入口。
よれた焦げ茶の帽子とコートを着用した男が、ふらりとやってくる。
不審者と見たのか、門番はその男を呼び止めた。]
…………あー、調書?
[2日程、髭を剃り忘れたせいだろうか。
あからさまに怪しまれている。]
しゃあねえな。ちょっと待て。
調書を書く必要はない。身分証を出す。
[ごそごそとコートの内ポケットを探り、カードのような物を取り出して門番に差し出す。]
―西部/桜の下―
[闇緑色の森の苗床を、魔族の仲間は変わり者という。なんでも昔、人を愛したのだとか。
朝陽を浴びてきらきらと、金の髪が輝いた。その髪も闇緑色の森にはふさわしくはないだろう。しかし栄養、という面で考えればあまりおかしくはないのかもしれない。
まあ魔族たちにはそんなこと、あまり問題にはならない。]
いつ、咲くのかな。
[桜を見上げた額には三ツ花が ふわり。]
はな……人目は少ない時間だけど……
きみがいたいんだから、僕はとめないよ。
[三つ花は風に舞い遊ぶ やがて枝の先の蕾にぴとり]
咲いたみたいに、綺麗だよ。
[ささやくと]
[*大樹の根元で ましろの魔族は 目を閉じた。*]
名前:ハインリヒ・ノイマン
Heinrich Neumann
職業:探偵(何でも屋と化しているが)
年齢:40歳
種族:人間
魔術師(と言う事になっている)。付与魔術専門。
古代語魔法を使っている。(ただし、知っている単語は一つだけらしい。)
本業は探偵なのだがあまり儲からないようだ。
現在、町の便利屋さん扱い。シュリセル出身。
「Kirschbaum」常連。裏メニューの存在も知っている……?
時間に正確、かつ時間にうるさい。銀無垢の鍵巻き懐中時計を愛用。
無類の甘い物好き。シガーケースの中にシガーチョコを常備。
(煙草も酒もやらない)趣味はスイーツお取り寄せ。
身長178cm、体重68kg。
よれた焦げ茶の帽子とコートを着用。何処から見てもやる気のなさそうなオヤジである。
[門番はカードの内容を確認し、こちらに返却した。]
ま、そういうわけだ。
野良仕事帰りで不審者丸出しの格好だったのは謝るが、
そんなんでいちいち呼び止められちゃかなわんぞ。まったく。
[ぶつくさ言いながら、自宅兼事務所へ。]
─町の入口→自宅兼事務所─
─西通り・「Kirschbaum」近辺─
と……ここですか、と。
[風に長い髪を遊ばせつつ、教えられた宿へと向かう。
看板が目に入ったところで、歩みが止まった]
…………。
[なに、と。言葉で表せない感触。わかるのは、それが大きな力、という事のみ]
まあ……別に、いいか。
[小さく呟いて更に歩みを進めれば、店の前には一人の少女]
……?
[何をしているのだろうか、と。ふと、そんな疑問が過ぎって消える]
−途中の広場−
[甘い春の香りのする道を、いつもの店を目指し歩いていく。
広場にかかった辺りで、悪戯な風が桜の花弁を宙へと運ぶ。
アマンダの腕に尻尾を絡めた相棒が、それを円らな目で追っていたが]
「アンアンッ」
どうかした、千花?
あぁ、これは…ちょうどいい。持って行ってあげよう。
[拾った学生証の少女は、馴染みの店の常連だった。
カードを手の内で弄びつつ、のんびりと道を往く。]
職人見習い ユリアン が参加しました。
―通りの一角―
[少年たちが四、五人集まって、ストリートバスケをしている。柱に結わえ付けられている古ぼけたゴールを目掛けてボールが飛び交う]
[一人の少年がボールを手にする。
それを見た他の少年が慌てて彼の行く手を遮るが、
彼はまるで障害物など無いかのようにドリブルで少年たちの間をすり抜け]
[一際長身の青年が彼のシュートを妨害しようとするが。
彼のシュートモーションを止めることはできず]
[地面を離れた彼の身体は重力が働いていないかの如く。見ているものに時が止まったかのような感覚を与え]
[ボールが放物線上に軌跡を描き、ゴールに一直線上に吸い込まれる]
[ボールがバウンドするのと同時に彼が地面に着地して、少年たちを振り返って笑いかける]
…よし!また僕の勝ちだね。
[喜ぶ彼の笑みは何処にでもいる年相応の少年のもの。その声に、彼のシュートに見ほれていた少年たちは我に返る]
「やっぱり何度みてもすげーな。ユリアンのシュートは」
「何であんなに滞空時間が長いんだ」
「ていうか、俺たちのチームに入ってくれよ。
ユリアンが入ったら、俺たちのチーム常勝だし」
[次々に賞賛・勧誘を口にする級友たちに、彼は一言]
…ごめん。チームとかあんまり興味はないんだ。
たまにバスケするのは楽しいけど。
[彼はふと時計台の方向に目をやり、叫んだ]
ってあああああ!もうこんな時間なのか!
バイト遅刻だ!ハーヴェイさんにまたどやされる!
じゃあ、また明日!学校で!
[というか言わないかのうちに彼は走り出している。
彼のバイト先―Kirschbaum―に向かって]
「おい!ユリアン!お前何か落としたぞ」
[そんな少年の叫びも耳に入らず、彼――ユリアンはそのまま走り去った。
足音も殆ど立てずに軽やかに、空中を飛ぶかの如く]
[後には少年たちと地面に転がっている学生証のみが*残された*]
…………。
[鏡の前でじょりじょりと髭を剃る。すっきり。]
これでよし。
[後は、探し出した猫を送り届けるだけ。
……たまには探偵らしい仕事もしたいのだが。]
今度は引っ掻くんじゃねえぞ。お前の爪は鋭くて痛いんだからな。
[町の外まで出て行った大きな迷子猫を抱え、
西通りにある飼い主の家へ出向いた。]
……お前、よくこの体重で出歩けたな。
感心するぞ。
[猫の重さに耐えながら、ぼそりと。]
─自宅兼事務所→西通り─
■名前:ユリアン・ミンツ Julian=Mintz
■職業:学生
■年齢:15歳
両親や祖母が亡くなって身寄りが無くなったところを、
とある軍人に引き取られた。
現在「元帥」となずけられた老猫と二人と一匹暮らし。
基本的に生真面目で何でも卒なくこなす。
特に紅茶を入れるのは達人級。
最近「Kirschbaum」で夜にバイトしている。
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《PL視点》
■種族:人間
■属性:疾風
母を物心つかないうちに父を7歳のときに亡した後は父方の祖母の下で暮らしていたが、祖母は出生がはっきりしない母のことを嫌っており、ユリアンは母親のことをまったく知らない。よって母が高名な精霊使いの家系の出身者で自身も精霊使いとしてかなりの潜在能力を持っていることにも気づいていない。たまに無自覚で風の精霊の力を操ったりしている。
シュリセルに住んで6年なので、街在中の人とは大体面識がある。
[一つ、二つ、三つ、四つ。ベアトリーチェは花びらが梢から離れ、落ちてゆくのを見ていましたが、声が聞こえたのか、ふいっと視線を横に向けました。
眼の先には、見たことのない人がいました。風に揺れる髪は日と一つに結ばれて、その色は茶色と言えはしましたが、その人の肩に乗っている梟がまっ白なせいでしょうか、それよりもずっとずっと深くて暗い色に見えました。]
お早う。
桜を見ていたんだ。宙で踊るのがとても綺麗なんだよ。
[顔を斜めにするのに合わせて、金いろの髪が右の肩にかかります。]
−西通り・Kirschbaum付近−
[店の前には、見知った少女と見知らぬ青年。
その右肩の梟に、千花が円らな目を向け威嚇する。]
「ジ〜コジ〜コ」
やめなよ、千花。相手が悪い。
[猛禽類を前に宥める声は穏やかで、差し迫った緊迫感はない。]
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