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[元々、九尾という妖怪は、天界と地界に溜まった、行き場のない気が集まって生まれたものだった。天界の気が陽となり、地界の気が陰となり、互いが両義――つまり陰陽道でいう太極図となり、尾という形でまとまっていた。だからこそ、強かった。
一の尾には陰陽の力が。
二の尾には陰陽の理が。
三の尾には陰陽の技が。
四の尾には陰陽の知が。
五の尾には陰陽の善が。
六の尾には陰陽の邪が。
七の尾には陰陽の然が。
八の尾には陰陽の宙が。
そして九の尾には陰陽の心がそれぞれ封じられていた。
九本に天と地。合計十八の力を宿した獣。それが九尾であった]
[またその他にも十八を分解すると、完全を意味する三。それに実在を示す二が生み出される。それもまた九尾を最強に仕立てている要因でもあった。
しかし、優しき心は人として生きたいと願い、変化の力を使い時の権力者に取り入り、幸せに暮らしていた。だが、悪しき心はそれを許さない。人々の断末魔こそがソレの幸せだった。
歴史を紐解けばわかるだろうが、九尾は常に当初は大人しく、良妻賢母の一面を示す存在であったが、突然性格を変えて、国を滅ぼす大妖となっている。有名なのは殷周革命で名を轟かせた妲己が良い例である]
[その後、日本で鳥羽上皇の寵愛を受けるも、正体がばれてしまい、数万の軍勢に討ち取られた。その後、玄翁和尚によって打ち砕かれ、そのかけらが全国3ヶ所の高田と呼ばれる地に飛散した。
ヒサタカに助けを求めたのは、その中で三の尾と四の尾、そして九の尾が封じられた越後国高田に飛んだ殺生石から、ある程度の力と記憶と知恵、そして優しき心が転生に成功ものだ。
目的は静かに人に寄り添って生きて生きたいという事だけ。それ以上は望むつもりはなかった]
「……ただ、石の中で切り捨てた筈の、悪しき心が、どうしてか、残してきた技をもってこっちに、出てきてて、それが、ヒサタカに憑いた、んじゃないかと、妾は、思うの」
[自分を隔離せずに、話を聞いてくれているサキの手を両手で握りながら、九尾はそう自分のことを説明した]
は、生贄?
[今度はこちらがキョトンとなった]
というか、そっちも負傷してるん?
それならご老公も会長のお世話にならないとダメじゃないか。
[笑いの混じる声は小さいものの、普段の態度に近くなる]
なんにせよご理解感謝。
自分で出来るところは自分でやるから、それで十分だ。
[約束を取り付けた安堵に気が抜ける。
待つ間は戻って休むかな、などと考えつつ、無防備に笑っていた]
[ 笑う声に。
混じる、異質なモノ。
ひゅ―― と。
木々の合間を抜けて、何かが“飛ぶ”。
風を切る音が耳に届くのと、
その接近に気付くのと、何方が早いか。
言葉を交わす二人の片割れ、
ミツクニの背へと向け、放たれるは不可視の刃 ]
─ →自宅・自室─
[自宅へと移動しながら、九尾は自分のこと、久鷹に憑いたもののことについてぽつりぽつりと話してくれて。家族に見つからないように自室へと転がり込んでから、詳しい話を改めて聞いた]
切り捨ててきたはずの悪しき心、か。
考えられるのは、何らかの原因で殺生石の封に綻びが出来て、そこから抜け出て来たとか。
九尾が転生で抜け出る際に気付かれぬ程度の力を付随させていたとか、かね。
まぁ、今は原因を考えても詮無いことなんだけど。
つーことは、その悪しき心ってのを久鷹から引き剥がせばあいつは戻る、ってことだな。
[話を聞きながら考え得ること、対抗策を模索していく]
[苦痛。
生きながらに、全ての痛覚を開放したような痛みは、殺生石になったときに味わった。
延々と約千年もの間痛みを味あわせられながら、優しき心は人を信じたいと抜かした。冗談じゃない。ふざけるな。自分達の発展しか興味のない生命体に寄り添ってどんな意味がある? ソレが断末魔という娯楽を求めて何が悪いというのか?]
クソ……! どっちにしても力が足りねぇ! 誰かの魂を食わなければ……。
[町の北側にある、開発失敗によって放置された雑居ビルの一室で苦しみながら、ソレは雷を四方に放ち、八つ当たりをした]
……ああ、細かいことは気にするな。
こっちの家庭事情だ。
[疑問はさらりと受け流し。
会長に、との言葉にははあ、とため息ひとつ]
いや……一応、手当ては受けた。
[全快させると無茶をするから、という理由で軽くされたらしいですが、それは誰も知りません]
ん、まあ、それじゃあ……。
[気乗りはしないものの、意識の接触を持つか、と思うのと。
風が鳴るのは、どちらが早かったか]
……っ!?
[風鳴りの音、それを捉えた時には、それはすぐ側に。
防御のための『音』を紡ぐ間はなく、動くには遅く。
何より、傷の痛みが回避を妨げて──]
「でも、どうやれば、離れるか、わからない。その……隔離の陣? でどうにかなるなら、今がチャンスかも、しれない」
[悪しき心を浄化できるのであれば、であるが]
……って……なんだよ、いきなり。
[その場に膝を突きつつ、口をつくのは、こんな言葉。
紅鴛が慌てたように、ばさばさと羽ばたく]
……大丈夫だ、紅鴛。
……堕ちるほどじゃ、ねぇ。
一時的に弱らせる必要はあるね。
パワー全開の状態で封じようとしても、跳ね返される可能性が高い。
大人しく久鷹の中から出てきてくれるかどうか…まずはやってみないと。
浄化出来るか、封ずるのみに留まるかは、その時次第、かな。
…今がチャンス、ってーと。
まだ、その悪しき心ってのは久鷹を支配し切れてないんだな?
[あれこれと考えながら。チャンスと言う九尾に問いかけた]
手当てしたのに?
…すぐには治せないほどの無茶したんだな。
[会長の姉心?は知らず。適当に解釈して]
うん…!?
[ミツクニの応えに被る風の音。舞い散る紅]
ちょと、大丈夫!?
[慌てて膝を突いたミツクニを庇うような位置を取る。更に奥、「何か」を放った相手を確かめようと、顔を向けた]
……あー。
やっぱり、イメージし難いわな。
見えないモンだと。
[ 仕留めるつもりだったんだけど。
手首を振りながら、ゆらりと木々の向こうより現れる。
日の落ちゆく頃、深く陰になり、その表情は窺い辛いが、
その声も姿も、常の彼と変わらぬもの ]
ま、いいか。
どうも、お邪魔しま。
[ ――けらり。
フードの下の口許が、場に合わぬ、軽い笑みを浮かべた ]
大丈夫だ……。
[啓子に返す言葉は短く]
この程度で……堕ちるわけにゃ、いかねぇ……。
[続いた言葉は、自身に言い聞かせるかのように]
……随分と、いきなりな挨拶してくれますねぇ……。
[最後の言葉は、現れた姿へと向いたもの]
「支配、仕切れていないんじゃない。力に、振り回されているから……。本当は、妾と二つの心で、制御するべき、ものだし」
[ちゃんと説明したいが、うまく言葉が纏まらず、最後にはあうぅぅ……、大きな瞳に涙をじんわり]
……我妻。
[最初の無茶をやらかして。運んでもらった記憶も新しい相手]
まさか、ユゥゴ君も。
取り込まれた…?
[ヒサタカの例を見ていたからかもしれない。
それはアズマ本人でないと、そう信じたいというような声音で]
別れの挨拶のつもりだったんだがね?
[ 軽く首を傾げてみせた ]
そうならず、残念無念――
すぐには使いモノにならんだろうけど。
と、いうことで。
[ す、と手を横に伸ばす。
無秩序に流れていた空気が一定の流れを持ち、
ひゅう、と小さく音が鳴った ]
今のうちに、そちらさんを削らせて貰おうかと。
[苦痛は時間を置くほどに増していく。脂汗が廃墟の床にぽたりぽたりと染みをを作り、終いには小さな水溜りではないかと思える程、溜まっていた]
ダメダ……。このままじゃ制御も、痛みも……。
[と、そこでふと思いついた。そうだ役立たずが居たじゃないか]
そうだ……。役立たずだったんだ……。最後くらい俺のために動いてもらっても、いいじゃね? ふ、フフフハハハハハハハ!
[すでに眼は血走っていた。焦点は合わず、ただ脳裏に唐突に浮かんだ考えがなんとも妙案にしか見えなかった。一頻り自分の考えに酔った後、久鷹はマリーのところへと、ふらつく足取りでビルを出た]
あー、泣くな泣くな。
[瞳に雫を溜める様子に慌ててぽむぽむと九尾の頭を撫でる]
とにかく、抑えなきゃならんのは確かだな。
このままじゃあいつ、暴走しかねない。
久鷹に憑いてる奴は、遠慮なく滅しても良いんだよな?
九尾は、人と、久鷹達と一緒に居たいんだろ。
[袂を分かったと言っても、向こうも九尾の一部。改めての確認を取る]
─寮・自室─
…………んう。
[苦しそうな呻き声を上げ、彼女はゆっくりと瞼を開く。
身体は言う事を聞かず、頭はガンガンと割れそうな程に痛む。
頭を押さえ、億劫に首を動かして周りを見渡すと、そこが自分とケイコの部屋であることに気づく。
そのルームメイトの気配は部屋にはないが、おそらく彼女が運んでくれたのだろう。
身体を起こそうにも、まだ起き上がるだけの気力も体力も戻っていない様子。
外はジーワジーワと蝉が喧しく鳴き続けている。
ジッとしているとどうしても思い出されるのは、邪悪な笑いを撒き散らすヒサタカの姿。]
…………ヒサタカ。どうして。
[つー。頭を押さえた手の隙間から一筋の水──涙が零れ落ちる。]
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