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―集会場・広間―
サンキュ。
でも、ちっと無用心だと思うぜ。
[手を伸ばせばそのまま渡してくる伶人に肩を竦めて苦笑する。
借り受けた自動拳銃を弄りながらその言い分を聞いた]
物証にはならんね。
この銃を使ったとは限らんし。
でもまあ…ラッシュの時みたいなんはともかく、一発必中ってのはなかなかできねえと思うんだよな。
俺もそこまで詳しいわけじゃねえけど。
[息を吐いて伶人を見て。
そのまま銃口を向けた。まだ安全装置を外していないのだが]
先輩、続けてマイルズを狙ってたっけ。
殺意を覚えたとしても不思議はないな。
―集会場・広間―
……けど。
それってアンタだけか?
[銃口を向けたまま、問う。
悩める伶人の姿に腕を下ろした]
今は撃たねえよ。まだ。
けど、どう選ぶかによっては。
マイルズでも、撃つ。
俺は、他者の命も使って生かされている。
なら叶う限り生きなきゃ…謝ることも出来ないからな。
[ほら、と伶人に銃把を差し出し返そうとした]
―集会場・広間―
[広間に入ったのは丁度その時。
主へと向けられた銃口に一瞬顔色が変わり、瞳には隠しもせず殺意が現れる。
それがすぐ降ろされるのを見れば、ほっとしたように常の瞳が戻ってくるのだが。]
…お時間までまだあるのに、何をしているんですか?
[レッグに向けた口調には、冷たい物が含まれていた。]
─集会場・広間─
[無用心、と言われ、浮かべるのは苦笑]
……そう、ですね。
どうにも、危機感が薄いかも知れません。
[知れない所の騒ぎではないのだが。
銃口を向けられても、動じる事無くレッグの見解を聞くが。
投げられた問いには、僅か、伏した瞳が揺れた]
……確かに、そうですね。
私だけでは、ない……。
[掠れがちの呟きは小さく。
銃口が下ろされた後の言葉に、ふ、と笑んだ]
その点で、私と君は、真逆なのですよね。
……私は、死が己が身に降りかかるなら、それを受け入れるつもりでいますから。
―集会場・広間―
[声を掛けられ、首を捻ってメイドの方を向いた]
度胸付け、かな?
俺は一介の学生であって、人殺しにゃ慣れてないんでね…。
[嘯いていると友人の顔が脳裏を掠めた。
眉を寄せて視線を外す]
……これじゃ、そも撃てないだろ。
[入口の方からでも安全装置が見えるように握った角度を変えた]
─朝 集会場・廊下─
[気がつけばもう日が上がっていて。
アヤメの部屋にはもうノブの姿はなかった。
朝食でもとりにいったのかな、と思ってふと、自分も随分食事をとっていないことに気付いたが、食欲はなく。
それでも、今生きている者達の無事を確認したくて、広間へと向かえばマイルズとレッグが話しているのが見え。]
二人とも、おは……っ…?
…─っ…!
[ノブの変わり果てた姿に気付いて、口元を押さえた]
─集会場・広間─
[入ってきたエリカの声に、ゆる、と視線をそちらに向ける]
決意表明、のようなものですよ。
[度胸付け、と嘯くレッグに続くように言って、微かに笑む。
常と変わらぬ様子だが。
どこか、悩むような、惑うような気配は伝わるか]
―集会場・広間―
……そーかい。
[小さく微笑む伶人を見て、その言葉を聞いて。
更に苦虫を噛み潰したような表情になった。
銃を手渡すと、深く息を吸って、吐く]
先輩も、他の部屋に移していいよな?
ここじゃ騒がしすぎるだろうから。
─集会場・広間─
レッグく…!
[レッグがマイルズに銃を向けるのを見、思わず名を呼ぶ。
すぐに降ろしたのを見れば、微かな震えを残しながらも両の手で胸元を押さえ。
そこに響いた声に、そちらの方を向く。
彼女は、最初のときに自分に銃を向けた相手だった。]
……エリカさん…。
[マイルズとレッグの遣り取りを聞きながら、彼女を見つめて。]
―集会場・広間―
あとさ。食料ってどこにあるか知らん?
腹が減っては戦も出来ないってね。
[気分からすれば食欲などは無い。
それでも生きるという意志を示すかのように尋ねた]
─集会場・広間─
…良ければ、手伝うわ。
あまり、手伝いにならないかもだけど。
[アヤメすら運べない自分では力が足りないだろうが、それでもそうレッグに声をかけ。
断られても、解ったと目を伏せるだけで。]
―集会場・広間―
そう…ですか。まぁ本当。
……失礼しました。
[安全装置が働いているのを見せられれば、何度か瞬いた後、レッグに少し頭を下げ素直に謝罪した。]
度胸付けに、決意表明ですか…。
[主と青年と、二人の言葉を聞けば、よく分からない風に何度か瞬き首を傾げ。
主の惑うような様子には、気づも目を瞬かせるだけだった。常のように。]
あまり誤解を招くような事はなさらないで頂きたいですけど。
…こんな時ですし。
[そうレッグと主に言いながら、レッグがノブを移すというのには、少し頷き主の傍へと移り道を空けた。]
─集会場・広間─
そこだけは、似なくてよかった、と父上には何度も言われたのですけれど、ね。
[苦い顔をするレッグに、軽く肩を竦めながら言って、銃を受け取る。
死したなら、空へと還るのみ、というのは、母の種族の独自の概念だという。
血の為せる業なのか、その認識確りと受け継がれていた]
……ええ、そうですね。
ここは、これから騒がしくなりますし……。
[ノブを移す、という言葉には頷いて同意するものの]
て、食料。
どこにあるんでしょう。
[その辺りは全く、認識していなかった]
―集会場・広間―
……おはよ。
こういうわけで、残りは4人になっちまったんだ。
[口元を押さえるナターシャに言う。
隠してもどうなる問題ではないので、少し疲れたように]
ん。手伝ってくれるなら。
先輩も俺より女性が世話してくれる方が嬉しいかもしれんし?
[唇の端を上げて冗談めかす。
毛布の端を押さえてもらうとか、その程度かもしれないが]
─集会場・広間─
[ナターシャが来ているのに気づいたなら、そちらを見る。状況の説明は、レッグに任せる形となった。
それから、傍に来たエリカに視線を向けて]
……エリカ。
少し、聞きたい事があるのですけれど。
[いいですか? と僅かに首を傾げつつ、問いかける]
―集会場・広間―
[ナターシャに声をかけられれば、そちらを向いて軽く目を伏せ、ほんの微かにだけ礼をした。
彼女がレッグを手伝うというのなら、それを見つつ。
食料を求められれば、部屋の隅に置かれたままの袋を指差した。]
食料なら、そちらの隅の袋の中に。
……ジョエルさんが持ってきてた物だと思いますけど。
[そんな袋を手にして、同僚が歩いていたのを思い出したのは少し前。]
―集会場・広間―
ああ、悪かった。
ちとブラックに過ぎたな。
[謝罪するメイドには首を振って、こちらからも謝る]
…選ぶのは、自分だからな。
[肩を竦める伶人の言葉には短く返し]
ああ、そこにあるのか。
俺の分もとっといてくれると嬉しい。
[そう言って先輩の身体を抱え上げ、広間を出て行った]
─集会場・広間─
はい、どうかなさいましたか?
[主に常の様子で、何度か瞬いて応えた。
主に向ける眼差しは、何時ものほがらかなそれ。]
─集会場・広間─
そう、ね。
…どうかしら。
ノブくん、そういうの無頓着そうだったし。
[4人になった、というレッグに、小さく頷く。
顔色が悪いのは、仕方がないことだろうか。
手伝いを受け入れられれば、共にノブを運ぼうと。
彼の冗談には、自分もわざと冗談めかして応えた]
─集会場・広間─
[『選ぶのは自分』。
レッグの残した言葉に、苦く、笑む。
迷いながらなのだろうけれど、先に進もうとする青年は眩く思え、目を細めて広間を離れる背を見送った]
……。
[は、と短く息を吐き、視線を向けるのは傍らのメイド。
ほがらかな様子は、いつもの見慣れたそれだった]
おかしな事を、聞くようですが。
……今、望むもの、望んでいるものは、ありますか?
─集会場・広間→個室─
そう、ね。
アヤメさんと一緒の部屋が、いいかも、ね。
[彼女が最期に銃口を向けたのが誰かは知らなかったから。
覚えているのは、ノブがジョエルに撃たれた傷を必死に止めようとしていた彼女の姿で。
目を伏せて涙を堪えると、柔らかく微笑んだ]
…さ、行きましょうか。
いつまでも冷たい床は、可哀想だわ。
[そういって、レッグと共にノブを運び出した。
マイルズとエリカには、小さく頭を下げて。]
─集会場・広間─
私は食事を取る必要はありませんから、あとで皆さんでお分けください。
[レッグにはそう言い返し。]
望んでいるもの、ですか?
[主の唐突な問いかけに、きょとんとした眼差しを向けて。
望みと、反芻するように小さく呟き、考えるように目を伏せた。]
[少し、間が開いて。唇から零れたのは、訥々とした囁き声だった。]
私は――――――私として、生きたい。
私はズューネ、罪を償う為他者に傅き使われる物。
だけど旦那様にお連れ頂いて、貴方にお仕えしたこの10年。
罪人でも贖罪者でなく、『エリカ』として生きていられた。
…人のように、生きていけたんです。
それが何より尊くて、有り難くて、嬉しくて…。
[向けるほがらかな笑みは、どこか儚かった。]
私の証は…ぼっちゃま、貴方です。
貴方が居るから、私は私で居られる。
だから貴方を、私はお守りしたいんです。
今も。…適うならば、この先も。
[過去を思い出した今なら言える。局のアラートなどに邪魔されずに。この方がサイキッカーではないのは、自分が一番よく知っているから。]
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