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[狐を探す鷹の目の男の後を追う。しばらく飛ぶうち体内に蓄積した虚に蝕まれた肺が悲鳴を上げ、速度を落とす。慌てて前を見ると、紫紺の男の視線を受けて、息を飲んだ]
『足手纏いだ。』
え……?
[その獰猛な鷹の目で示されたのは近くの施療院。一言のみを告げ、振り向いて飛び去る男の背中を、追うのは止め、ただ]
……あの……っ
服……とベッド……ありがと
[かけた言葉は届いたのか、鼻を鳴らす音が風に乗り聞こえたような気がした。聖殿から封印の光が溢れ出る、ほんの少し前の事]
[一瞬の躊躇の後、施療院の扉を叩く。しばらく間を置いて]
『もう診療時間は終わってるんだけどねえ。ま、お入りよ』
[返ってきた年輪を経た声は、心なしか沈んでいるように感じた。促されるまま中に入り、ラウルに見られながら簡単な診療を受けた。そこには以前の自分と変わりなく接する姿。無関心か悪感情に満ちた視線に慣れた身には少し不思議]
あの……っ
[口を開きかけ、つぐむ。怪訝そうな視線に]
……ううん、何でも……
診察、ありがと……ね……
[診療代、支払える物がないと告げれば、出世払いでいいさと笑われ。本当は他の誰かの分の食事だった、野菜と木の実のスープを馳走になる。身体を気遣う言葉と共に、診療所から送り出される。その不思議な魅力の持ち主を、カレンの姿と重ねた]
……カレンさん……いなかったね。広場、かな?
[少し元気が出た身体を、ラウルと共に聖殿へと向ける。向かった先では、すでに狐が封じられたと*聞くのだった*]
―森の奥・親の墓―
[たどり着いたその場は静かで。
当たり前だが、他者の気配はない]
……当然、か。
ここを知ってるのは、旦那とせんせ以外はみんなあっちに行っちまってンだしね。
[小さく呟き、座り込んで木にもたれ掛かる]
なんかもう、ホントに……嫌になる。
[零れ落ちたのは、小さな呟き]
[『天将の血筋』。そんな短い言葉だけで変わる、周囲の態度。
両親が出身を隠していたのは、これもあったのかと、今更ながらに感じていた]
……楽になりたいから、何かにすがる……か。
……でも、アタシも人の事は言えないね。
苦しくて逃げたくて、それで甘い言葉に引っ張られ……挙げ句、何にもなくなった。
[言葉とともに、浮かぶのは自嘲の笑み]
ホント……バカだ。
……一番欲しいものが、一番怖いんだから……。
ホント、情けないったら。
[相棒もいない、完全な一人きりの状況は、いつもは表に出す事のない心情を溢させて。
小さくため息をついた後、瞑目する]
ゆうらゆら 風吹く空には何が舞う
ゆうらゆら 風乗り舞うのは旅する羽根よ
行き着く先などだぁれも知らぬ
そら行く道には果てなどないよ
ゆうらゆら 彷徨う羽根は何探す
ゆうらゆら ひとりの羽は、誰探す?
振り子はゆれる あおのそら
いずれもただしく いずれもあやまり
ゆうらゆら ゆうらゆら
そら行く羽は 何さがす?
−上空−
[慌てて着いて来る気配も見ず、大きな翼を羽ばたかせた。
ケイジの姿を探し、地上を睨み飛ぶ。
だが狐の面を見つける事は出来ず、舌打ちした所で小さなラウルの鳴き声が耳に入った。何事かと体ごと振り返る。
視線の先、速度を落としよろめく白の翼が見えた。]
『………限界か。』
[昨夜消えた後の事は知らないが、小さな体が悲鳴を上げたのだろうと判断する。幸い、施療院は遠くなかった。
慌てて見上げてくる深紅の瞳を射抜き、顎をしゃくる。]
足手纏いだ。
[睨む視線で施療院を示し、再び前を向き四翼に力を入れた。
風を大きく捉え空を切る背を、声だけが追いかけてくる。]
………フン。
[耳に届いた礼に鼻を鳴らし、振り返る事なく飛び去る。
冷たい風を受ける顔は、少しだけ口の端を上げていた。]
[紫紺の翼を広げ、風に乗り島を巡る。
だがほどなく、聖殿の方から光が漏れ出すのを目に捉える。]
………誰か封じたか。誰だ?
[翼を引き、高度を下げる。半ば滑り込むように広場へ。]
[一定の距離を空けたままに、
気持ちばかりが急くような足取りを、追う。
獣も鳥も眠りについたか、森は、静寂に満ちている。
吹き抜ける風は、冷えていた。
辿り着いた広場は既に儀式も終わり、人は疎らで、
奇妙な熱は失われていた。
背の翼も傍らのひかりもないがゆえか、特別、見咎められることもない。異なるものがなければ、少女は群集に埋没する存在だと示すようでもあった]
……誰を封じた?
[大股で儀式の間に踏み込み、長老へと短く問う。
アヤメがケイジを捕らえてきた事などを聞き、強く頷く。]
………そうだな。あれは危険だ。
己の愉しみの為なら、堕天尸に手を貸す事すら厭わんだろう。
[そう告げて辺りを見回す。アヤメの姿はない。
眉間に皺を刻み、儀式の場を出た。]
[周囲を見回す。
知るものはおらず、人は過ぎていく。
とりあえずは、伝えるため――
そして知るために、
聖殿に行けばいいのかと考え、歩を向けた]
[扉から数歩離れた所でカルロスと擦れ違う。
その顔に浮かぶ表情に、何も言葉をかける事なく目で見送る。
そして、ふと彼の来た方に視線を向けた。
埋没する様に静かに、見知った顔がそこにあった。]
………エリカ。無事だったか。
[カレン、ロザリンドと続け消えた事を思い、小さく息を吐く。
そして彼女等の行方を問うべく、そちらへと足を向けた。]
[名を呼ばれた先、知る者の姿。
戸惑いのような、安堵のような色が過ぎり、消えた]
……私は、大丈夫。
色々と……あった、ようだけれど。
[足は動かさず、身体を男へと向けた]
[微かな感情の色に目を細め、少し手前で立ち止まった。
返る答えに頷き、こちらを向いての問いには顔を顰める。]
ああ。色々…ありすぎたがな。
ケイジを封じ、カレンとロザリンドが虚に襲われた。
………判るか?
[金糸雀色の瞳を探り、端的に問う。]
虚のひとつが封じられて、
それでも終わらない。
[呟いた直後、
発された、三つの名。
眼差しを避けるように、緩やかにまたたいた]
……貴方の言う、最初の一つを感じて、ここに来た。
二つ目は、昨日、知った。私と似た存在が消えるのを。
最後の一つは、……いつの事?
[あえて問わずにいたラスの結果には頷くのみ。
またたきにも目を逸らす事なく、問いへの答えに耳を傾ける。
だが、最後の言葉に片眉を上げた。]
お前の言う通りカレンと…ラスは昨夜、ケイジは先程だ。
ロザリンドも少し前に。闇に覆われて消えた。
………恐らく、ケイジと変わらぬ頃だと思うが。
[再びの目の前での出来事に、舌打ちする。]
……そう。
タイミングがずれた……かな。
[口許に手を添えた。
思考を巡らせながら、ことばを紡ぐ]
それに、姿形が明確に視えるわけではなく、
……そもそも、私は、彼女をよく知らない。
だから、既に内に在る属性と同じならば、
感知出来なかったのかもしれない。
[ゆるりと視線を彷徨わせた]
……もう一度探るにも、少し、……余力がない。
……タイミングか。
[口元の手に視線を向け、呟きを返す。]
翠流の時には別々に感知していたようだがな。
………俺にはよく判らん。
[リディアとジョエルの時の差異に唸り、彷徨う視線を追う。]
………そうだろうな。顔色が悪い。
疲れているところすまなかった。ちゃんと休め。
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