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力が弱く……無いとは言えんのぅ。
天候の乱れによる一時的なものやも知れぬが。
[示された可能性に渋い表情をしながら頷く。続く言葉を聞くのもやや顰めっ面のまま]
そちらにも出ておったか。
儂の方にも出ておったよ、どうにか鎮めて来たがの。
怪我人が無くて何よりじゃ。
しかしこれでは各地に出現しているのも明らかじゃのぅ…。
エルザが各地へ警告を出したから、不意なもの以外での被害は出ていないと思うのじゃが。
[各地よりも竜皇殿での方が騒ぎが酷いのはまだ知らない]
[ 雷撃の竜が前のめりになった分、影が一歩退いた。]
……いえ、「混沌のかけら」の事でした。
言葉が足りずにすみません。
竜郷でも遭遇しましたが、厄介なものですね。
[ 天を仰いでいた視線を下ろし、僅かに首を振り謝罪の言葉を紡ぐ。そのまま眼差しは流れて東へと向いた。]
西殿は異常ないのですよね。
となると、東殿でしょうか。
[ 派手な物音が聞えないのは内部であるからか。]
空は……ずっと見ていると、眩暈がしそうです。
[ピッとカケラの残滓を振り払い、ナターリエの言葉に僅かに眉を顰めると、]
…………本当ですか。俄かには信じられませんが。
しかし。パーティー……ですか。
どう考えてもゴミ処理でしょうこれは。
[そう言ってる間に、先程ナターリエが遭遇したように斬ったのが2体に。
気配で察して、軽く息を吐くと]
……デッドコピーとは言え特性は持っているということですか。
……仕方ありません。本来三下相手に使うものではないのですが。
[そう呟くと、パチンと腰のポーチのひとつの口を開ける。
そこから空中に躍り出たのは、青みがかった緑の宝石。]
ん、それならいいんだけど。
天気の方は、疾風の古老たちが何とかできないか、働きかけてみるって言ってた。
兄貴がいないと、ねーさんが一番強いんだけど、今は、無理させられないし。
オレは、あっちみてないとだし、ね。
[そのあっちは今とんでもないわけですが]
んー、それに、蒼天の座の周りの気流も、酷くなってたんだよなぁ……。
そういう変化も、ちょっと心配かもね。
えぇ、厄介ですね…。
幼い仔龍も、おられるというのに。
[謝罪には、いえ、と首を振って手を小さく翳し]
西殿は異常が無い…というか、そのまま維持されている状態、でしょうか。
一応ぐるりと回ってみたりしましたが、何らか変わった事は見受けられませんでした。
東殿に…――何か、感じたりしますか?
[空に眩暈が、との言葉にはそうですね…と重い返事をしながら、同意した。]
曖昧で、苛々します。
[エルザが捕縛を強くするのと同時、近付いたソレに血のついた指先で触れる。]
よくもまぁ、やってくれました。
[動けないでいる触手の上に円を描く。
低く唱えた呪文は、人の世界で使われるものだけれども。]
[そうしてぴたりと、円が閉じ。]
滅びろ。
[囁くように告げた時に、陣の展開。
結果として内側から弾けた触手は、凍りづいて、そのまま炎の熱で空中で溶けて消えた。
風・水・氷・炎。四つの魔法が同時に使われたというのは、隠してはいないが。]
―東殿・自室―
[どれくらい寝ていたのだろう。ブリジットは身を起こし、ふるりと頭を振るう。
ここずっと、結界に掛かりきりでまともに休んでいなかった為か、
かなり深く寝入ってしまっていた様だ]
……何やら、騒がしい気がします、ね。
[ゆっくりとベッドから降り、軽く身なりを整えてから、部屋のドアを開いた]
[少し離れたところに、心竜と翠樹の仔、そして黄蛇の一団が見えた]
……一体、どうしました?
[何か起きたのかと、声を掛けた]
―東殿/回廊―
[背にした仔竜から感じたのが怯えなどの心の動きではない事に気付き、青年は視線を戦いに向けながらも穏やかに声を掛ける]
先ほどの場所は危ないので少し離れました。
此処までは来ないと思いますが、危ないと思ったらナギ殿の指示される方向に逃げて下さい。私は大丈夫ですから。
[言いながら盾になるようさり気なく体をずらし、仔竜の目に毒なものが映らないようにする]
なれば天候はしばらく抑えられるじゃろうか。
[姉に無理はさせられない、との言葉に疑問は抱いたが、踏み込むことでも無かろうとそれには触れず]
ふむ、気流が酷いとな。
…大地が揺れておったのと似たようなものかの。
やはり少なからず影響は出ていると言うことか。
[宙に漂ったまま腕を組み考え込む。早期解決が望ましいが、果たして]
と、姉君と言えば。
お主が先日から感じている感覚について聞いてみると言うておったかの?
それはどうなったんじゃ?
[ふと思い出したことを口にした]
[ユーディットの言葉に、小さく笑い声を上げた]
うふふふふ。
夜の遊びは好きだけど、露出狂の趣味は無いですわよ?
それに。
香しい匂い。美男美女の集い。この騒ぎ。
どこを取ってもパーティじゃなぁい?
[からからと笑う。
いまだ、血の酔いは醒めていない]
それよりも、その化け物。
なかなかしぶといけど、貴方ならどうするのかしらぁ?
[先程水の力は大分消費したので、同じ攻撃を二度は使えないので、ただ酔っ払った状態で、時空がやることを興味津々と見守った]
そうですね……
本来ならば、目を離さない方がよいのでしょうが。
[ 零れる吐息は、気侭に動く仔らに対してか。
翠樹の仔竜はまだしも、陽光の仔竜の気侭さには手を焼くようだ。]
維持されているということは、
虚竜王の不機嫌の影響も、まだないのでしょうか。
[ 後の問いにはノーラは唇に指を当て、黒の瞳を真っ直ぐに東殿に向けて意識を研ぎ澄ます。力の乱れは変わら随所に存在するも、それとは異なる、一気に発露される複数の属性が感じられた。竜本来の力にすれば弱いが、それが平時に用いられるものではないのは理解出来よう。]
戦闘が起こっているかもしれません。
……いた、でしょうか。
[ そう声に出すと同時に歩みだすも、苛立ちを率直に口にする雷撃の竜に振り向き、首を傾げた。]
はっきりと断じられないものは、お気に召しませんか。
[そして、彼女は増殖したスラッグに向けて手を翳す。
その手を伝うように、ヒュンヒュンと彼女の周りを回っていた緑の宝石──アレキサンドライト──が掌の前に。
そして、宝石を中心に瞬時に展開する魔方陣。
それはギチギチと音を立てて、供給されるエネルギーを蓄え。
そして……]
でも、長くは無理だろって。
だから、まあ、とっととケリつけないとね。
[言いつつ、長い尾をゆらりと揺らす。
人の姿であれば、肩を竦めた、という所だろう]
んー、一応、聞いてはみた。
やっぱり、母さん譲りの力なんだって。
母さん、そういう……力の波とか、揺れとか、そういうの感知するの上手かったらしいから。
それが、色んなもの、引っ掛けてる、って感じでいいみたい。
……第弐種開放。消し飛びなさい。
[──開放。廊下の壁もろとも、Gスラッグ2体を消し飛ばした。
放出が終わったあとに残ったのは壁にあいた穴だけ。カケラの欠片も残っていない。]
ほ。
お見事。
[ユーディットの鮮やかなスラッグの退治の仕方に思わず拍手をした]
……とは言え、壁に穴を開けるのはやりすぎなんじゃないかしらぁ?
[ナターリエがちらりと視線の先にある、壁の穴を見つめながら言った]
―東殿/回廊―
[向けられた馴染みある声に振り向かぬままに青年は自分の見知った事を返す]
混沌の欠片が幾つか出たようです。
もう片がつきそうですが、爆発するかもしれないので近づかないで下さい。
[回廊が無事で済むのか危惧したくなる程の時空のエネルギーを感じ、牽制する]
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