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うん、そうだね。
[お日さまを映した金いろの髪も風に揺れて、触れる手に緑の眼を柔かく細めました。]
でも、咲いて、散ることに存在する意味があるのだと思う。
もし、散らないのなら、咲く以外の意味があるのかもしれないね。
[ベアトリーチェみたいに。そう紡ぐ言葉は、まるで謎かけでした。]
―昨夜、遺跡から戻って・Kirschbaum―
[夜の遺跡で。ブリジットが大丈夫と言うと直ぐに結界を解き、辺りで夜通しの捜索を続けていた(のちにKirschbaumで、彼らが何を捜していたのかを知ることになる)自警団員に見咎められることなく街へ戻った。そのまま何故かやはり、ここ数日の通りにKirschbaumへ向かい、アイスティーを頼む。
店内には既に何人かの姿があり、興味深い事を話す者も居た。]
共犯、か。面白い事を考えるのだな。
[人間は――と続けようとして、止めた。]
ブリジット、解ったのか分からないのか…。
[それ以上何か言うのも、止めた。]
[船をこぐダーヴィッドを一瞥し]
[代金を払って、宿へ戻る。]
[広くはない宿の一室で、夜が明けるのを待つ。
冷やされた空気が、床の辺りで静かに伏せていた。]
[少しの間を置いて、ベアトリーチェは自分の小さなてのひらに眼を落します。花びらが一枚、そこに乗りました。]
ベアトリーチェは、もっと小さい頃に、
死んでしまうはずだったんだそうだ。
けれども今、天のめぐみのおかげで、
ベアトリーチェはこうして生きている。
[はらり、欠片は地面へと落ちてゆきます。]
それにはきっと、なにか意味があると思うんだ。
ベアトリーチェは、生きる意味を捜しているんだ。
…意味を考えたことはない。
でも、貴方の生命の白い炎はとても綺麗。
[か細いけれど、と言い足してふわりと身を翻し、そのまま外へと*出て行った*]
[ぱちぱち、きょとり。イレーネは不思議な言葉を残して去ってゆきます。
はらはら、ひらり。ベアトリーチェは舞う花びらを*眺めておりました。*]
−現在・工房−
[あれから、ほとんど言葉を交わすことなく工房へと帰った。
お腹の上に文字通り満腹の千花を乗せ、ぼんやりと考える。
この町に来た時の事。
短くも穏やかだった3年という時間。
そして――無邪気に「一生遊んで暮らせるお宝」だと口にしていたらしい、疾風の彼。
【自由】を司り、変化を恐れない、人の青年――]
うん、確かめないと、ね。
違ってたら…いい、な…
「チ…」
[苦手であっても、嫌いなわけではない。
なんだかんだいって、千花におまけしてくれたりしていたからだけではない、とアマンダは思う。
そんなこんなで、夜は明けた]
―Kirschbaum・夜―
[途中から黙り込んで、周囲の話に耳を傾ける。
挙げられた名は全て、人。人の身故に、書を求める可能性は捨てきれない……が]
……考えれば考えるだけ、泥沼だな。
[呟いて、ふと周囲を見回せば、転寝をする若竜が目に入り]
……だから、君は無防備に過ぎると……。
[ため息をついていると、小さく名を呟く声が聞こえた。
それと、やや険しい視線。
それがどこから向けられているかに気付いて戸惑うも、今はそれを追及する気にはなれず。
場にいる面々に挨拶をして、3階の部屋へと戻った]
[部屋に戻っても、すぐには休まず。
窓を開け、空を見上げる]
書のもたらす、終焉。
俺は……いくつ、視たんだっけかな……。
[かすれた呟き。
不安げに視線を向ける相棒に、心配するな、と笑いかけてから、窓を閉め。
*やがて訪れる眠りの淵に、沈み込む*]
−→北東の森−
[アマンダは目覚めた千花を左肩に乗せ、食料を手に朝焼けの森を目指す。隠匿の為の食料を土に還すことは簡単だけど、せっかくの恵みは森へと還したいから。
ついでに千花に運動させようと言う目的も、無きにあらず]
…ん、緑の匂いが…濃いね。
ティルが…居てた?
[葉と土の間の大地を踏みつつ、ゆっくりと歩く。
千花は重たげながらも、短い距離を滑空しながら、先を行く]
―朝/Kirschbaum―
[...はソファーの上で目を覚ます。
うつらうつら作戦会議の話し合いを聞いていた記憶があるが、いつソファーに移動したかまでは覚えておらず]
あれ……は、な?
[寝ぼけた声でぼんやり呟く]
[開いた窓からひらひらと舞い込む桜の花びらたち]
―再び北通り―
[遺跡へと続く北通りは、今日も冒険者で賑わっている。
昨夜、ブリジットと遺跡へ行ったおりに感じたものは、未だ不安定に揺らぎ続ける場と、揺れだけでなく、引き寄せられる感覚。引き込もうとする力。
――何処へ向かって?]
[書を失ったことに関わりがあるのか、結界が破られたことによる反動か。]
[奪われたものを取り戻そうとしているのか。]
それとも―――
[略奪者の、意図か。]
[なんであれ、あの遺跡にはまだ何かが存在している事は間違いないだろう。]
[ベアトリーチェと別れ、そのままふらりと散歩に出た。
あぁ、西の通りでお年寄りの焔が今にも消えそう。
その少し南の方には、新しい生命が誕生する。
神経を研ぎ澄まし、町中の生命を感じながら、ゆったりと散歩をする。
自然と足は、北東の森と墓場の方へと向かっていた。]
→北東の森・墓場へ
[アマンダは所々で立ち止まり、幾つかの果物を残していく。
前と同じ場所には置かない。餌付けしているわけではないから。
森の入り口に戻る頃には荷も無くなり、千花のお腹もそれなりに?]
さて、図書館に、行こ…あ。…忘れてた。
[アマンダはやってくる人影に瞬いて、代金未払いを思い出す]
[ユリアンの手のひらの薄紅の欠けらが再び風に舞い、ふんわりと窓から飛び出していった]
[しばらくぼうっとしていたが、ハインリヒの伝言を聞いて、事務所に向かう]
[ただなんとなくその前に、桜がとても見たくなって、西の外れまで行き、桜の木の上に登って*ぼんやり*]
[静かな風に髪を撫でさせていると、森の入り口あたりに見覚えのある一人と一匹の影が見えた。]
こんにちは。
[相変わらずの無表情で挨拶をする。
アマンダはちょっと前に見た時よりも、幾分か元気そうに見えた。]
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