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それは、──残念だな。
でも、大切な時にしか出来ないなら、しかたないですよね。
[今は見る事が叶わないと告げられて。
ほ、と零した溜息は、言葉とは裏腹に何処か安堵にも似て。
と、突然現れたカードに、わ。と驚いたように目を見開いた。
瞬きする間に、増えていくカード。]
…わ、え。
すごい。どこからでてきたんですかっ?
[わぁ、と楽しげに、小さく歓声を上げて。
指に挟まれた数枚のカードを、マジマジと見つめる]
[鮮やかな赤の中に、
飾られる白の花。]
?
[きょと、
きょとり。
初めは何があったかわからずに、
遅れて、
少女の小さな手が、
青年の大きな手と入れ違い、髪に触れる。]
[道一本だけメインストリートから離れた裏通りを急ぐことなく歩いていく。ひとつ辻を通り過ぎる度に、パレードに賑わいが届く]
なかなか盛況のようですね。――おおっと?
こんな所に骨董店とは珍しい。
[店の中を二つのガラス越しに興味深げに覗きこむ]
[不意に、黒猫が声を上げる。
どうした、と振り返った先には]
……おやおや。
御揃いで、お出かけですか?
[親子連れと、少年の姿をみとめて、軽い口調で声をかけ]
あぁ、残念。
[知りたかったのに、と冗談交じりにくすくすと笑って。
ふと、掻き消えたカードに、再び見開いた。
小さなマジックショーに、小さくぱちぱちと拍手を送る。]
うん、すごいです!全然判らなかった。
見せてくれて、ありがとうございます!
[よかったら今度は、もっと見せてくださいね。
ふわと、笑みを零して]
[店の奥、静かな笑みを浮かべた店主に笑みを向ける。
しかし店には入らずに、ゆっくりと立ち去った]
パレードは今日だけですし…ね。
[言い訳のように呟けば、また歓声が届く。
聞き覚えのある声に、男はそちらへと足を向けた]
ええ。この子がもう、おちつかなくてね。
リック君も、サーカスを見に?
[エレノアはくすりと笑い、"Miss"のほうは手を振って
視線をすこしずらせば、先日会話を交わした青年の姿が見えるだろうが、まだ気づけずに]
ん?
あ、骨董屋の。
骨董品から足が出ちゃったりしてないようでよかった。
別に揃って、ってわけじゃないけど。
ただ、パレードを追ってみてるだけ。
……、
[花から手を離して緩く首を傾け、
テディベアを抱えて口許を隠す。]
ありが、とう。
[返した声は、
いつもより更に、
小さくて。]
あら、先日の…。
[こちらにもほほ笑んで会釈をし、
娘のほうもぺこりとお辞儀をして、笑いかける。
以前は彼も、たしか自分が見えたはず、と。]
賑やかだからね。
Missもたのしいんだろ?
サーカス、チケットを母さんが行けってくれたからね。
パレードだけでもしっかり見ていかないと怒られる
ええ、また是非に。
[ニーナの拍手に、一礼して]
さて、そろそろ仕事に戻らないとまた失業してしまいます。
ニーナさん、サーカスでまたお会いしましょうね。
[微笑んで、軽く手を上げる]
――おや、マジックはもうお終いでしたか。
惜しいことをしました。
[二人に声を掛けて笑みを見せ]
こんにちは、ニーナ。コーネリアス。
ニーナはお買い物ですか。よろしければお手伝いしますよ。
……それは、どういう意味ですかと。
[リックの言葉に、にこりと笑いつつ。
避けられないなら、頭の上に手をぽふり、と置いて]
追うだけ、じゃ面白くないでしょうに。
……そう、思いませんか?
[どこか楽しげに言いつつ、エレノアとその娘の方を振り返る]
や、こんにちは。
今日は、いつになくご機嫌なようで。
[ぺこり、とお辞儀をする娘には、ごく軽い口調で声をかける。
その様子は、そこに当たり前に人がいるようにも見えるだろうか]
こんにちは、ヴィンセントさん。
ああ、丁度良かった、ニーナさんを送ってあげてください。
私は仕事に戻らなければいけないものですから。
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