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─ 客室 ─
[眠りに落ちたのがいつかは、覚えていないが。
久しぶりの上質な寝台が齎したそれは深く、心地よくもあった。
それを破ったのは、扉を叩く無機質な音]
……んぁ……どちらさまー?
[寝ぼけた声を上げて身を起こす。
掛けていた毛布がはら、と落ち、何も身に着けていない上半身が晒される。
鍛えられている、と一目でわかるしなやかな身体には複数の傷痕が見受けられ、文字通りの玉に瑕、と言えそうな様相を織り成していた]
……? えーと。
[なんで着てないし、と自己突っ込みをして。
寝る前に、自分の服に着替えようかと思ったら、まだ乾いていなかったのでそのままで寝たんだった、と思い返して。
とりあえず、着慣れた方の青に身を包み、扉を開ける。
開いた先にあったのは、メイドの無機質な顔]
……あれ、何か御用ー?
[惚けた声で向けるのは、問い。返されたのは、淡々とした状況の説明。>>#1
青が氷の冷たさを帯び、ふ、と口の端が上がる]
……なんつーか。
ご主人さんが殺されたってわりに、キミら冷静よね。
ふつーは、もっと騒ぎ立てたりしない?
[淡々とした態度に毒気を抜かれつつ、こんな言葉を投げるものの、返されたのはそれが務めです、との言葉だけ]
んで、ご主人さんは? ……上、ね。
わかった……お知らせありがとねぇ。
[これ以上は話していても埒は開くまい、と割り切りをつけてこう言うと、メイドは一礼して立ち去る。
その姿が見えなくなると、は、と大きく息を吐いた]
─ 三階/書斎前 ─
っ…!
[一歩、後ろに下げたのは左足。
不自然に掛かった圧力は捻挫を抱えた左足に痛みを走らせ、足から力を抜いた。
かくん、と尻から落ちるように僕は座り込んでしまう]
ってぇ……。
[口許から手が離れ、身体を支えるように両手が床へと。
尻の傍に置いて倒れるのを防いでいると、後方から声>>64が掛かった]
…この状況で、大丈夫な方がおかしいだろっ…!
[敬語も忘れ、整理の付かない思考のまま声の主を片目で睨め上げる。
寝起きの髪は整えぬまま。
前髪も少しだけ、動揺により毛先が乱れていた。
左の頬骨辺りの肌が不自然に捩れているのは見られてしまったかどうか]
─ 三階/書斎前 ─
──…なんで…
なんで、そんなに冷静なんだよ……っ!
[理解が出来ない。
むしろ理解するのを忌避しているのかもしれない。
僕は見上げたベルナルト>>66の冷静さに不自然さと、恐ろしさを感じた]
こんなの見て、冷静でいろなんて、出来るわけ…!
[ベルナルトからも離れようと足を動かした時、左足に痛みが走って言葉が途中で途切れる。
表情を歪めて耐えるように顔を俯けると、前髪がぱさりと揺れた]
くそっ───!
[思うように動かない足に悪態をつく。
揺れた前髪を押さえて整えてから顔を上げると、捩れた肌はすっかり隠れた。
そんな仕草をしていたから、ベルナルトの眉が寄ったのは見ていない]
― 三階/展望室 ―
紅い月――。
[魅せられたようにそれから目を離せない。
全員に刻み込まれた事実《ルール》が脳裏に過る。
『他者を殺さなければ、生き延びられぬ』
例外なくオリガ自身にもそれは刻まれていた]
――――…。
[これまで考えたこともなかった。
生き延びる為の術を、今、考えている。
イヤだと思うのに事実《ルール》は重くのしかかる]
─ 三階・書斎 ─
なんで、って言われても。
……毎日が生きるか死ぬか、どっち転ぶか運次第な生活してりゃ、嫌でもこうなるっての。
[理屈を言っても通じる状態ではないのは、見ればわかるが、ぶつけられた疑問>>67には、素で返す。
こちらから距離を取ろうとして、言葉途切れさせる様子を見やる青は氷の静けさ。
けれど、何か手を出す事はしない。
混乱した手負いは危険、というのは、裏通りの暮らしで身についているから。
視線がむいたものが隠されれば、微かに疑問は残るものの、指摘する事はせずに]
……いずれにしろ。
そのままじゃ、体のいい的にされちまうぜ。
[代わりに向けるのは、警告、一つ]
どうしたんですか?
[アレクセイさんの視線がこっちを向くのを待って、問い掛ける。
返ってきた答えはボクにも分かるくらい、明らかに動揺を含んでいた。
空が上だけ晴れている、というのはボクらは既に確認していた事だけれど]
……あ、紅い月。
やっぱり出てるんだ。
[アナスタシアさんが言っていた通りだ。
何故アレクセイさんがそこまで動揺しているのかは、正直なところボクには判りかねたのだけれど。
それとも、隣のリディヤちゃんも同じ風だっただろうか。
明日の朝皆にも伝えると言って、アレクセイさんは戻って行った。
紅い月が出ている事は見る前に解ったけれど、リディヤちゃんも行きたいようだったし、ボクの好奇心も収まってはいなかったから、2人で連れ立って展望台へ向かった]
[地下の閉ざされた扉が開くと、プラーミヤは書斎から姿を消した。紅く濡れた足跡が、点々と展望室の方へと続くのを、後から来た者は見つける事が出来るだろう。
それを、冷静に見る分別が残っていれば、の話だが]
絶対に、生きてやる。
折角拾った命なのに、こんなことで落としてたまるか。
[言って、僕は左手で前髪に隠れた顔の左半分を抑えた。
ベルナルトを片目で睨みつけたまま、下がるようにして彼から離れる。
階段の傍まで行くと、足を庇いながらも急ぐ風に階段を下りて行った]
─ 三階/展望台(前日) ─
[階段を上がって辿り着いた硝子張りの部屋。
聞いた通り、紅色は空に坐していた。
何だか吸い込まれそうで、暫く無言でそれを見つめて]
あ。
[視線を少し降ろせば、避けるように降り続けている雨までもが、紅い光を浴びていた。
ボクの知る限り透明な筈の液体が、赤色に変わって、下の方では赤い水たまりに]
血みたい。
[殆ど無意識にボクは呟いて]
…… あぁ。
[赤い水たまり。
鍵の開いた扉、荒らされて静まり返った部屋、動かなくなった3人、壁に掛かる笑顔にも飛沫が掛かって]
そういうこと、かぁ。
[此処に来る直前、見た光景が脳裡に蘇る。
そしてボクは、ようやくルールを少し、理解する。
『他者を殺さなければ、生き延びられぬ』
つまりは“あれ”を、ボクがやれば良いのだ]
[隣に立っているリディヤちゃんを、横目で見る。
彼女が今のこれをどんな思いで見ているのか。ボクには解らない]
そろそろ、戻ろうか?
[ちょっとぎこちなく笑いかけながら、口から出る言葉とは、全く違う事を考えていた。
例えば、今彼女の喉元に手を掛けたら、なんてことを。実行しようとは思わなかったけれど]
― →客室 ―
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