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[どれくらい、眠っていたかは自分でもよくわからないものの。
目覚めの気分は、あまりいいとは言えないものだった]
……まー、仕方ない、か。
[理由はわかっているから、苦笑して。
身支度を整えると、最初に足を運んだのは、ビーチェの部屋。
どうしているのか、ちょっと心配になったから……というのが主な理由だったのだが]
……ん? ビーチェ?
[部屋の前に立って、最初に感じたのは、違和感。
人の気配が感じられない事に疑問を感じつつ、開けるよ、と声をかけて扉を開き]
……え? あ、れ……?
[荷物だけが残された、無人の室内に一つ、二つ、と瞬く]
どこかに、出かけた? いや……。
[一人で出歩くとは思い難く。そうなると、いない理由は限られる気がして]
……取りあえず……探そう。
[小さく呟き、歩き出す。
誰かに出くわしたなら、少女を見なかったかを問い。
行方を得られぬ結果に、紫の瞳は、僅か、翳を帯びるか]
(……予測通りであるなら。
如何なる理に基づくが故か……きりきり、吐かせねぇとな)
[声に出しはしないものの。内心では、こんな考えが過っていたとか、いないとか**]
―館内・ロビー―
[マテウスの呟きにそちらの方を向いて]
マティ〜…?
[彼が言う相手はおそらくはリディのことなのだろうと]
とっても、悲しいことなの〜……
[躊躇いなく頷いたベッティに目を細め、続く問いには、瞬時、視線を彷徨わせる]
……今は、無条件に信を置ける者は無いかもしれんな。残念なことだが。
[それが、この地では余所者であるから、という意味なのか、他の意味も含んでいるのかは、言葉からは知れなかったろう]
―館内・ロビー―
[信用できるものの話題に、この場所で自分が一番信用できる相手は当然のごとくゲルダで、
マテウスがベッティに答える言葉が聞こえると、傍にふらふらっと近寄りぽむりと肩を叩いた]
それじゃ〜、私がお友達になってあげるの〜…
[なんか盛大な勘違いを起こしているのかもしれない]
[微妙そうな、ベッティの口調には苦笑を返し]
綺麗な娘が、せっかく、こんなおっさんの、ともだちになってくれようというのだから、断るのも失礼だろう?
[こんな軽口は、男にしては珍しいものだったが、相手がそれを知るはずもない]
[マテウスからの礼の言葉もあれば、あはぁ〜っとなんか本人はいいことした気分でいた]
ん〜、ナタに〜、返しにいくの〜…
ゲルも〜、今日はもう休もう〜……?
[そう声をかけて、ゲルダが戻るなら一緒にロビーを後にしようとするだろうか。
戻る途中、ナタルの部屋の位置もビーチェの部屋の位置もわからないことに気付き、返しに行くのは明日にしようと思った]
―二階・ゲルダの部屋―
[戻るときはゲルダと一緒だったかどうか、どちらにせよ自分は一度自室に戻り、Yシャツを手にしてゲルダの部屋へと。
ゲルダの部屋につくと普段の寝るときの格好、つまりはYシャツ一枚の格好になり]
ゲルと一緒なの〜……
[ゲルダと一緒のベッドにころんと、すぐに幸せそうな寝息を*立て始めた*]
そうだろう?
[納得した様子のベッティに笑みを見せ、ハンカチを巻いた手を握りしめる仕草にその笑みを深める]
そうか。王も其方の進言ならば、聞き届けてくれるかもしれんな。
[他意は…無論、あるに決まっている]
─館・ロビー─
………どーだろ。
しょーじき家出した身だしなぁ…。
[ほいほい聞いてくれるような立場じゃねー自覚は色々身を弁えてる愁傷なあたいにはあるんだぞ。
そんなわけで、あたいはおっさんに聞こえるようにだけ、ぼそっと呟いたのさ。
耳のいい奴なら聞こえるかもしんねぇけどな。]
気をつけて、って反省房行きか?
あー、アイツのカンに触って入れられる可能性はあるな。
[巻き添え食らうのは勘弁して欲しいトコだけどさ。
あたいにゃ反省房に入れられる理由が他にもあるからなー。…はぁ。]
っても行かない選択肢はねーんだ。
まぁ気をつけるぞ。あんがと。
[不吉な言葉にも負けないあたいは、おっさんにちょっと笑っといたのさ。]
家出だったのか?道理で…
[呟かれた言葉に小声で返す。姿を変えている理由が漸く飲み込めた]
だが縁は切れぬものだろう。案ずることはない。
[励ますように、ハンカチを巻いた手に軽く触れる]
[そして、ベッティや、その場に残っていた者達と別れ、ゲルダと榛名に相前後して自室へと戻った男は、暫しの後、ナタルの口からベアトリーチェの失踪を知らされる]
─館・ロビー─
あはは……なんつーか。
色々嫌になったんだ。窮屈でさ。
あっちの格好だと、あたいがやりたいように生きられなくなってったから。
[ちょっとばつが悪いのは、その辺が全部隠し事なせいだ。
縁が切れない、って言葉にあたいはちょっと戸惑った。触れた手の下には印がある…。]
……いっそ全部放り出してくれても良かったのにな。
[そうは言ったけど、正直どっちがいいのかあたいには分んなかった。
休むっておっさんや、残ってた奴らと別れて、疲れたあたいも部屋に戻ったのさ。あいつんとこ行くのはそれからだ。ちょっと気合入れねーと。]
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