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[いや違う]
[瞬けばそこに広がるのは一面の白]
[紅く染まっているのは]
僕の手、か。
[目の前に持ち上げた手を見つめる]
[直接血に触れたわけではなかった]
[しかし]
僕が、殺した。
[小さく呟く]
[何かを確認するように]
[揺れる瞳を瞼が隠す]
[そして再び開いたその瞳は]
僕はエルザを守る。
[たとえ何と引き換えようとも]
[それが何人であろうとも]
彼女は傷つけさせない。
[翠が僅かに青みを帯びる]
[暗い色味を]
守らなくちゃいけない。
[全ての痛みを押し殺して]
[自らに言い聞かせるように呟き続ける]
[ベッドを降りてシャワーを浴びる]
[冷たい水を]
[それから熱い湯を]
僕には力は無い。
[外に出ればクローゼットを探り]
でも諦めない。
[短剣を腰に下げて上から服を着る]
守るんだから。
[拳銃は手に取った後、首を振って机に置く。
扱ったことの無い武器をまともに使えるとは思えなかったから]
[その上に白いレースを掛ける。
ぱっと目には何であるか分からなくなっただろうか]
[仕度を整えれば隣の部屋へ。
入口のプレートが白く変わっていることを目に留めながら]
[主の居なくなった部屋には死体も無く]
[ただ赤と白の羽根が床に散らばっていた]
[そしてその中に]
――剣。
[一振りの銀色]
[ゆっくりと手を伸ばしてそれを拾う]
[そしてゆっくりと腰に挿し]
重たい。
[何かが圧し掛かってくるようだった]
――負けない。
[首を振り、微かに走った脇腹の痛みも無視して立ち上がる]
―in my room―
[二人の治療を終えてから部屋に戻った...はゆっくりと眠り、目を覚ます。
one,two,three…
瞬きをくりかえして、眩しさに慣らした]
今日はどうしようかしら
怪我と病気の人がいるのですから食べやすい方が良いですよね
[ふと寝る時にsideに置いた短刀と十字架を見……]
TI…そんな危険なもの料理にいれるわけはないけれど…
持ち歩いていれば襲われた時にかけられますね
……そういえばエーリッヒさん
[...の記憶には彼が消えたかの情報はなく]
……体、埋めてあげましょうか
[扉の音に振り返る]
シスター。
昨日はありがとうございました。
怪我?ああ、大丈夫です。
[薄っすらと浮かぶ笑み。けれど瞳は笑っていない]
大丈夫ではありませんよ。
あんまり動くと傷に障ります。
[困ったように告げる。
その目の色に気付いているのか…or not?]
……お礼なんていりませんから、ちゃんと傷を癒してくださいな
[小さく首を傾げ、やがてクツクツと笑い出す]
だって、そんなこと言ってられないですから。
私よりも大切な人がいる。
その人が傷つくくらいなら、こんな傷。
[大したことありませんよ、と傷の上に触れる]
[微かに眉を顰めるが、それでも口には笑みを浮かべたまま]
…そうですね、じゃあお願いしてもいいでしょうか。
昨日実はご飯を食べ損なってしまったんです。
エルザと一緒に下に降りる予定が、狂ってしまって。
何か作っていただけませんか?
[少し悲しむような顔をして]
あなたがそうやって無理をしても、悲しむ人がいますよ。
だから……
[それでも続いた言葉にこくりとうなずき]
何が食べたいですか?
軽いもののほうが食べやすいでしょうね
――自室(F)――
[セピア色の部屋に、赤い色が差す。もうすぐ日が暮れる。
小さなテーブルの上の、尖った石を弄んで。
その表情は無く。
その瞳に宿るのは恐怖か、落胆か、決意か、外からは何も読み取れないだろう]
ええ、余り重たいものでは胃に負担が掛かりそうですから。
何か軽くて、あっさりとしたものの方が嬉しいかな。
でも体力も取り戻さないとですし。
…やっぱりお任せします。
私よりもご自身が料理をなさるシスターの方が詳しそうだ。
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