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それをいうなら――…
キリルだけでなく
レイスも殺さなくてはならないって事になるよ。
[ロランの言葉に苦い表情を浮かべた]
イヴァンを殺したのはレイスだから、ね。
[レイスの正体は知らない。
ロランの言葉にひっかかりを覚えぽつりと呟く]
諦めない。
[ユーリーの言葉に、硬い言葉を返す。
引っ掛かりを覚えられた事には気付かない。
気付く筈がない]
…――諦めない。
考える、よ。
[車椅子がギシリ音をたてる]
[ロランとユーリーの会話をぼんやりと聞いている。
キリルが何を思って、行動したのか。
どうして――
そんな思考も、今朝から負荷のかかった体には断えられるものではなくて。
兄の死と、レイスの凶行と、キリルの正体と。
手にした髪飾りの汚れと、死んだイヴァンの姿。
――ふ、と耐え切れないと感じた心が。
一時の逃避を選び]
─ イヴァンの作業小屋:早朝 ─
[昨夜から笑っていない。泣いてもいない。
兄に比べて豊かと言われた感情は、どこに置いてきてしまったか。
広げられた、黄色い花に歩み寄る。
脇にある花籠に目を留めた。彼が使っていたものだろう。
手を伸ばして触れようとして、
屈んだ懐から、ぽとりと香袋が零れ落ちた]
知っていたの…?
[まさか。と、思う。
でも彼は何故、この匂いが酷く嫌いだったらと添えたのか。
気付かれてしまっていたのだろうか。
あの夜、酔って広場から送られる途中に血の誘惑に負けかけた。
彼の唇が頬に寄せられて、咄嗟にその誘惑を退けた。
またいつ、彼を牙にかけたくなるか分からなかった。
だから怯える。怖くて、夜には扉を開けなかった。
それが彼を傷つけるにしろ、自分から彼を遠ざけておきたかった。
彼をもう一度見て、次は襲わない自信はなかったから。
───彼の血肉は、どれほどに甘いだろう。
血のような紅い月は、この身の本能を目覚めさせる]
一緒、に……
[じわりと視界が滲んだ。
きっとそんなことは出来なかった。
それは自分には、御伽噺のような夢だったけど]
……────いきたかった。
[それは叶わない夢]
[都会に暮らしていた彼。
どんなところだったと聞いても、詳しくは教えてくれない。
困ったように笑う様子に、それ以上を聞かなかった。
実は本当に過去を聞きたかったわけじゃない。
話をしていたかったのだ。その声を聞いていたかった。
自分を見て目を細める彼の様子が擽ったくて、
その声を聞くと胸がドキドキした。
どうしようかと随分悩んだ、あの頃も今思えば幸せだった。
知らず、頬をぽろぽろと涙が伝う]
…イライダ姉さん、マクシームお兄さん、
[ここにいない、ここに在る人たちの名前を呼んだ。
自らの指を、そっと唇へと寄せる。
もう片方の腕で自らの身体を抱きしめる。
その命喰らったから、彼らはきっとここにいる。
一緒にいるのだと思っている、それなのに]
[諦めないと告げるロランに
少しだけ困ったような表情を浮かべ曖昧に頷く]
――…。
[村の為の最善は理解していた。
けれど村を担う事になるのは若い彼らの世代。
何も言わず思案に耽ろうとすれば
傍らで動く気配がし顔をそちらに向ける]
……ッ、カチューシャ!
[崩れ落ちるカチューシャの身体に手を伸ばし抱きとめれば
ミハイルに頼み、彼女を何処かに寝かせようとしただろう**]
[ユーリーの困ったような表情に、きゅと寄せた眉を見せる。
烏色の奥には、迷わぬ色がゆらり揺らめいた。
カチューシャが倒れるのに直ぐに気付く。
それでもロランの手は、彼女を抱きとめる事は出来ず。
苦々しい顔を少しだけ浮かべてから、
ユーリーの手を見て、ほっと安堵らしき息を吐いた]
ミハイル、とめてくれてありがとう。
俺、キリルをさがしてくるよ。
[それから何か話すか相談するかしたか。
ロランがミハイルの家を出ようとするとき、
空の色はもう変わって居て――
人狼が人を襲う、そんな伝承の時間はとっくに過ぎて居た*]
― ミハイルの家・朝 ―
[ふわり、と意識が戻る。
気絶し、そのまま眠りへと移行した体は、寝台の上に運ばれていた。
見知らぬ部屋のなか、ゆっくりと体を起こす。
ベッドの傍に人気はなく。
水差しとメモが置かれているだけだった。
メモには体を案じる言葉と、辛いなら無理しないようにというような趣旨の事が書かれている。
気を失った後の会話は知るはずもなく、またどんな結論がでたのかもメモに書かれていることもなくて。
水差しから水を一杯貰って気持ちを落ち着ける]
キリルに、あわなくちゃ……
[大切な幼馴染。
人狼だというユーリーの言葉は、信じてはいるけれど。
だからといって幼馴染が大切で失くなるか、といえば否だ。
怪我した足は治療される事もなく、ただ乾いた瘡蓋をさらしている。
瘡蓋が引きつる痛みはあれど昨日ほどではなくて。
家の中に誰か居れば声をかけ、そうでなくとも、「お邪魔しました」と言い置いて、村の中へと出て行く]
─ イヴァンの作業小屋 ─
[それからどれほどの時を過ごしただろう。
のろのろと、香袋を手に取り上げる。
少しの間じっと見つめて、それから大切にメモを中に仕舞った。
それを、彼の命奪った鋏と一緒に懐にしっかり収める。
顔を拭って立ち上がった。
既に涙は消えていたけれど、鏡など見てもいない。
寝てもいなかったから、どのみち酷い顔に違いなかった。
外の畑へと歩み出る。
陽の光降り注ぐ中、黄色の花が風に揺れている。
その景色を、黙ってじっと見つめて*いた*]
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