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[壁をそのままには出来ないので渋々修復準備。
訊ねたことに視線を彷徨わせるエルザをじっと見やると、小さく息を漏らして]
まぁ良い。
必要に迫られたのじゃろう。
…あまり無茶はしてくれるな。
ギュンターに何を言われるか分らん。
[最後は軽口にも似たもので。軽く注意するに留める。
ダーヴィッドを探すブリジットには]
あやつのことじゃ。
大方腹が減って食堂に転がり込んどるじゃろうて。
[何やら、みんなの視線が時空へと集まっているのを見て取って、ナターリエがとりなすように言った]
まぁま。
そんなことより、大地の。
まずは、修復作業のほうが先じゃないかしらぁ?
このままだと、ここからまたどんどん混沌のカケラが入ってきますわぁ。
−東殿自室−
[二度寝は夢を呼ぶとは誰が言ったか。
戦闘は基本サボり徹底しているクレメンスは、騒動他所に眠る事により力の温存を勤めていた。
が。
夢見は最悪だった。
再び見る夢は過去の情景。
もう見ることもないと、ずっと思っていたものを、見るのは最近になってこれで二度目。
起きて暫く動けなかったのは、決してサボリ続行決め込んだわけでなはい。
たぶん。]
あ、やー。
[振り返った精神竜に向けて、ひらり、手を振る。
ピアも同じく、手をひらり]
えーと。
同じものに、引かれてきたっぽい、ね?
―― 東殿・食堂 ――
そうですか良かった。
[雷撃竜の返答に微笑んで、続いた言葉に口を開く前に、頭をぽふぽふされる感触]
ちょ、ダーヴ!もう、そんなチビじゃないんだから!
[他の相手にされてもさして気にしないくせに、この焔竜に子供扱いされるとむかつくのはどういうわけか?]
[ユーディットが消えたのを見て――逃げたなと思ったとか。
ただ、今はベアトリーチェをそっと抱きしめている。]
[告げ口しようとは、今のところ思っていないようだ。]
[猫が、アーベルによって遠ざけられれば漸く気を抜くことができたのか、もぞもぞと起き上がる。
何か小動物を連れた小さいのと。
猫を抱えたアーベルと。
少し迷ったあと、運のいいことに三対の一人が現れた!]
!
[何となく、そちらへ駆けだした。
それからちら、と風の竜を見て、べえ、と舌を出した。
猿も怖いらしい]
…うん。もう、さわらないよ。
――あのね、ととさまが来てくれるかと、おもったの。
ととさまが来ないのは寂しいけど、
…オトが苦しいのも、やだもん。
[背を撫ぜられ、仔は言い聞かされる言葉を噛締める様にか一つ一つ頷いた。
しかして視線を己に投げられれば、仔の視線も合わせて此方へと向く。]
「私とて――勿論王とて、同じ意見ですベアトリーチェ様。
皆が、心配するのです。それを覚えて置いてくださいまし。
…闇竜殿には私の監督不行き届きにて、此度大変なご迷惑を。」
[私が謝罪の言葉を口にすると、仔も真似たように「ごめんなさい」と小さく頭を下げた。
ふと、集団を離れ行く影に気付き仔は影の行方を気にしてか一寸不安げな表情を浮かべるも、
心配要らぬ、この場で待てと仔に告げれば、渋々ながらも肯定を返した。
やはり先程云う事を聞かぬ事で起きた出来事は、幼心に酷く響いた様であった。
仔には苦い薬であったろうが、成長を望めた事には変えられまい。]
[ふたりを微笑ましく見るも、眼鏡の奥での笑みは薄い。
ダーヴィットの言葉には]
同年代の友人はとてもよいものですね。
[言って、少しだけ目を細める。
それからカップを持ったまま二人から少し離れ、机にカチャリと置いた。]
(―――しかし)
[思わず、笑みが零れ落ちそうだった]
(お小言を察して逃げるなんて、案外可愛らしいところあるじゃない、ユーディット)
[掻き消えた姿に逃げられてしまいましたね、とは口の中だけで]
……はい。
[養父ならば、こんなに優しく言ったりはしない。少しだけ遠い目になりながら頷いた]
壁だけで防げるかは分かりませんが。
すくなくとも素通しよりは良さそうですね。
御師様、どうぞ宜しくお願い致します。
[準備を始めた師に軽く頭を下げる]
多分、お前らが生まれるより前の…だと思う。
結界がさ…なんか酷く不安定になっているよう、なー…
[嫌な予感を肯定する要素しかない訳で。
空を見上げながらドーナツをはむり。]
―東殿―
……足の速さは相変わらず、と言いますか。
[いつの間にかに居なくなっている時空竜に、苦笑のような笑みを浮かべて。
老地竜から、若焔の当てを伺えば]
なるほど、そういうことですね。
まあ、急ぎではないといえば、急ぎではないのですが。
[微かに口元に手を当て、悩ましげにしていたが。
月闇竜と翠樹の仔の様子を見ると、どこか気持ちが穏やかになった]
[あかんべ、をして通り過ぎる陽光の仔。
わー、かわいくねぇ、と思ったのは、多分、表情に出た。
ちなみに、ピアは怖がられてるとは思っていないようで。
なぁによ、と言わんばかりに不機嫌に尾を揺らした]
―裏庭―
えぇ、どうやらそのようですね。
[小猫を腕に抱き、疾風竜と小猿に視線の合わぬ会釈をしている内に、陽光の仔竜も復活した様子だった。痛みの気配の名残に声を掛けようとして]
大丈夫ですか、怪我は――…
[凄い勢いで逃げられて、途切れた]
― 裏庭 ―
[ 一度に多数が寄っては怯えさせるとでも考えたか、遠巻きにその光景を見ていたのだが、陽光の仔竜が此方へ駆けて来るのを認め、影は一歩進み出て、少し身を屈め迎え入れるように手を伸ばした。]
夏玲、どこ行ってんだ?
[ 幼児に似た乱雑な口調ながら、声音は柔らかい。]
王が
[――そういえば、話を聞いたことがある。月闇王から。
溺愛していると。]
……王が出てくるには、結界を破らなければいけません。
でも、ただ破るのは危険なんだといいます。
[先ほどまでユーディットが居た場所を見て。
それは、仔についている蛇へと言うのでもあったかもしれない。]
だから、あれに触っても意味がないのです。
――強い力だという、剣などであれば、もしかしたら結界は解けるかもしれません。
[その言葉は、とても小さく。
仔らにしか届きはしまい。]
だから、触ってはいけませんよ?
私が痛いならまだ良いですけれど、あなたがいたいと、私はもっといたいのですから。
[それから、蛇の方を向いて、首を振る。]
いいえ。仕方のないことですよ。
ご無事で何よりです。
……皆と一緒に行きますか?
[問いかけは、二人へと。]
―― 東殿・食堂 ――
[雷撃竜の「同年代」という言葉に、ちょっと微妙な顔になりつつも、コメントはせずにいる]
結界が不安定、か。確かに混沌のカケラなんてのが、こんなに堂々と湧いて出るようじゃね。
西殿の方は、大丈夫なのかな?
[ふと、不安になって口にする。思ったことがすぐに口に出てしまうのはどうにも治らないようだった]
[ 少しばかり視線を夏玲の来た方に向ければ、面白くなさそうな疾風竜と小猿、それに小猫を抱く精神竜の姿も無論見えた。]
わりぃな、助けてくれたんだろーに。
[そんなこんなで逃亡を図った彼女が次に現れた先。それは、]
─裏庭─
[地上数十センチの虚空に突如前振りも無く現れ、すたっと着地。
そして周りを見渡せば、ノーラの陰に隠れたミハエルが、ティルに向かってべぇ、としてるというなんだかよく分からん構図。]
……何をなさっておられるのですか。
[誰とはなしに聞いてみる。]
[影輝に駆け寄る陽光の仔。
彼らが対なる属なのは理解できるが故に、それはそれで自然か、とひとまず納得する。
反発する対に懐く自分がある意味異常なのはさておき]
同じものに引かれてきて、同じ反応されたねぇ。
[精神竜に向けて、冗談めいた言葉を投げた]
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