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[遠巻きに見える屋敷にどうしようかねぇ、と小さく呟いたのはちょうど先ほどのリンゴの新芽の傍ら。
館のほうから感じる闇の竜の気配の不機嫌そうなかんじに困ったように籠を抱ながら髪に手をやれば、向こうからやってくる清浄な気配に瞳をきょとんとさせて]
…?
[おや、と首をひねり、そしてその姿が見つかったなら手をひらひらと振って自分の存在を示してみようか]
[眠りが必要ない……といえば、恐らく自分がその筆頭。
わかっていても言わなかったのは、ここまでの話の流れのせい]
『……それに……』
[先ほどのドロイドとの戦いで、呪印が痛んだ事を思えば、やはりそれは無理となってしまうのだから]
[南東部の海岸地帯は通らず]
(波打ち際で転んだ記憶があるからか)
[中央部の外周通路を歩んで]
[ショートカットして東部へ向かう]
[問い返す時空竜に、思い出を辿る顔で]
例えば、雷撃王の前から逃げ出そうとして、おもいっきりすっころびそうになった可愛らしい仔竜さんのこと、とか。
怪我をさせてしまっては、命竜王殿や影竜王殿にも申し訳がたたないと、慌てて僕が走りましたっけ。
あの頃は素直なお子だったのに、お嬢より大分遅い反抗期ですかねえ。
[聞いたあなたが悪いんですよ?と目が笑っていたかもしれない]
[疲れを感じた私は、しばしの休息を得ようと良き場所を探す。
手を振る人影に気付けば、まずは無事を確かめんと近づこうか]
フェル…ヘルガ殿、そなた御無事であったか…?
[柔らかな地面のある方へと近づけば、小さな土の盛り上がりがあり――そこには昨日までなかった小さな双葉]
……?
此処は…私が種を植えたはずの…?
[不可思議に思い、私は膝を着いて双葉に指先を伸ばす。
仄かな…陽の温もりに、不意に頬へと触れた手を思い出した]
ん?3体?どっか他所でも?
[ブリジットの言葉に軽く首を傾げ。]
あれって……警備用にあちこち置かれてるんだっけ?
ここが、どの程度の広さかわからないし、どの程度警備に重点を置いてるのかもわからないけど……。
数を少なく見積もるよりは多く見積もっていた方が、ね。こういう時は。
スイーツは、オレンジでスフレを作る予定です。
あと焼き菓子が苦手な方が居るみたいですのでババロアでも作ってみようかと。
あとは大豆のグラタンと大根のステーキです。
[肉が無理な方が多いので気を使っているようだ]
大変なお仕事なのね…。
[サラリと返されれば感心したようにもそう言って。
頼っていい人もう一人発見とか、昨日のエルザの話をちょっと思い出していたんです]
[中央部の外周通路を通ろうとするアーベルに、一瞬悩む。
…でも、アーベルはアレだけガード…、えっとドロイド。覚えた。
を、倒せるんだから、多分大丈夫…だよね。…足手まといだけど。
一つ頷いて、その数歩後をついていく。
一応、気配が近付いたら直ぐにわかるように、周囲だけ張り巡らせて]
―屋敷二階・時竜の部屋―
[喧騒を遠くに聞くも、目覚めることはなく、
癒しの夢の中を、浅くまどろむ。
生命の子が巡らせた流れは廻り、
奥底からゆっくりと燃えあがるように満たされ、一部は淀みから灰のようにこぼれ落ちる。]
…ナターリエ……
[こぼれた名は、どちらの女のものだろう。
その身を救った慈悲深き聖獣か、
その身を害した闇へ堕つ魔女か…。]
[広間に居る者達を見回して。そういや挨拶がまだだった、とぴらぴら手を振る。それから声と姿を一致させていき、一人足りないような感覚に陥る]
あれ、マテウスは?
[声はすれど姿が見えず。そんな感じ。しばらく周りを見て、ようやく鼻先だけ部屋の中に向けているもけもけの存在に気付いた]
おお!?
何かすげー姿になってんな、マテウス。
……やっぱりその話ですかと。
[思いっきり、感じたのは頭痛だったとか。
生まれて間もない、仔竜の頃の出来事。
楽しげに語る雷精と、初めて会った時の事、とも言うか]
どうせ、俺は永遠の反抗期、と皇竜にも言われてますんで。
[憮然としつつ、返せたのはこんな言葉]
はい。お魚がまたあるんですね。
いつもありがとうございます。
それでは、少し待っていてください。
[ぺこりと頭を下げて厨房へと姿を消す*]
[ユリアンの話にはちょっと興味津々。
エルザの言葉には軽く首を傾げながら]
あれ、数間違えたかな?
どうだったっけ、オトフリートさん?
[振り向いた視線の先の人の様子に逆の方向へ首を傾げた]
やぁ、ナタリェ。
フェルのほうが呼びやすいなら、それでいーよ?
[振っていた手はすいと下ろし、イチゴのかけらは口の中に。
もぐりと嚥下しながら]
あー…無事も何も、さっきまでずっとむこう[といって果樹園の中を指差し]にいたからさ。
ずーっと今日は一日植物とお話してましたのことよ。
あんたも食べる?果物。いいのわけてもらったんだ。
[ぷちりと、丸々太ったマスカットの一粒を口にほうりこみながら]
ん?ああ、植えたのはやっぱりあんただったか。
はやく大きくなりたいってうずうずしてたから、起こしてやったんだよ、そのこ。
[もうひとつ口にマスカットを放り込んで双葉を指差す]
[喧騒は過ぎ去り、それなりにあたりが落ち着きを取り戻す頃、ようやくぼんやり目を開ける。]
…おなかすいた。
[やっぱりそれか。]
永遠の…
[時空竜の言葉に、ぷふふっ!と、噴き出して]
ぷくく…く!さ、さすが皇竜殿…言い得て妙…て、このことか…
[くすくすくすくす…笑いが止まらない様子]
[ブリジットの問いに、そちらを見やり]
ん……はっきりと確認したのは、三……いや、四、かな?
若竜がでくわしたらしいの、ここを襲ったのと……草原にもう一体。
後は、俺が海岸で一体倒して。
……まあ、まだまだいそうな気がしますが。
[地下で量産されている可能性もなきにしも非ず、な訳で]
[東部へと出る][広がる空は闇]
[吹き抜ける風][揺れる緑の原]
――……………?
[足を止めて、天を仰いだ。]
[視界の端]
[星とは異なる散る光を見た気がして]
[雷撃の精が放った稲光とは知らねど]
大変だけど一番性に合ってる仕事なんでな。
一回こけて、命拾いしてっから、引き際も分かってるし。
[言いながら腹部に手を当てるか。傍から見れば腹が減ったかと思わせるような仕草]
[実際はそんなことではなく、ただ過去を思い出しているだけで]
……何を面白がってますか、と。
[笑うユリアンの様子に、翠と紫の異眸、半眼になったやも]
仕方ないでしょうに、真面目に存在が永遠なんだから。
[でも、そういう問題じゃない、きっと]
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