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[紹介が気に入らなかった千花は、肩の上でアマンダに威嚇する。]
「アンアンッアンアンッ」
はいはい、わかったから。さ、冷たいものを貰いに行こう。
ほら、皆も。
店の前で営業妨害してたら、ハーヴに怒られるよ。
[先に立って、扉を開けて店の中へ]
つた。
安心して。大丈夫だよ。
[背から現れようとするそれを、再びなだめて]
さあ。
桜が咲くまで、宿を借りよう。
影の王なら貸してくれるかな。
でも、いちおう、お金も持っていったほうがいいかな。
……ここは人の世界だし。
ええ、旅人と言えばそうですね。
旅をしながら、各地の歴史を研究していますので。
[ハインリヒ、と呼ばれた男の問いに、にこりと微笑んで。
オト、という呼び方に、微かに苦笑めいたものを過ぎらせる]
いや、お気になさらず?
おう、こんな所で立ち話もなんだしな。
行くか。
[アマンダに続いて店の中へ。
ポケットの中に突っ込んだままの小銭が、じゃりじゃりと
音を立てた。]
ベアトリーチェ達も早く来いよー。
旅人さんも疲れたろ。中で何か食べてったらどうだい?
[言いながら、自身は店の中へ滑り込み。]
―西通り/果実の店―
こんにちは、お邪魔します。
あの、新鮮な木苺、買ってくれませんか?
[店主と交渉中〜しばらくお待ち下さい〜]
ああよかった。美味しいでしょう。
どこにあるかは内緒。
[だって彼は苗床だから]
ありがとう。これだけあれば、宿にも泊まれる。
え、鍵の書のこと?
――うん、知ってる。
知ってるよ
[微笑みは おとなびた]
オトフリート、よろしく。
ヴィンターも、よろしく。
[名前を繰り返して、ぺこりと再びお辞儀をしました。
アマンダがお店の扉を開くと、カランカランとベルの音が鳴ります。促されるのにこくりと頭を上下に動かしてから、じゃらじゃらお金の音をさせるハインリヒの後について中に入ると、いらっしゃいと声が掛けられました。]
ハーヴェイ、お早う。
あのね、いい天気だよ。風が柔らかで、そらがまっ青なんだ。
[いつものカウンターの席まであるいていって、よいしょと両の手をついて、少し苦労してよじ登って座ります。ぱたりと、足を揺らしました。]
え。
[店を出ようとした苗床は、呼び止められて振り返る。
店主は何か紙を持ってきた]
これに書くの?
うん、わかった。
[左の手で受けとった紙を、右の手は慎重に握る。
それをことさら丁寧に、ぶつからないように机において。
ぎこちない手つきで書き連ねる文字]
おはようさん、邪魔するぞー。
[カウンターの定位置に移動。奇しくもベアトリーチェの隣だったりする。]
マスター、Tボーンステーキのライス付きと野菜サラダ、
あと本日のオススメスープな。
他のは後で注文する。
[裏メニューは後程注文しよう。人目が気になって仕方ない。]
[落ち着いた雰囲気の店内、いつものカウンター席に座る。
注文せずとも出される岩清水とは別に、千花へはご褒美とご機嫌取りの果実を頼む。
一人と一匹に出される器はアマンダの作った物。小さな花模様(ミルフィオリ)のグラスと器に目を細めて寛ぐ]
冷たいね、千花。おいしいかい?
[ベアにお手柄と褒められた千花は、当然の権利のように澄まし顔。
けれどアマンダは細かい事は気にしない。
ハインリヒの忙しいとかいう戯言も、オトと呼ばれて微苦笑浮かべた旅人の事も、構うことなく寛いだ。]
■名前:ティル=トルークビルト(Till=Trugbild)
■職業:無職
■年齢:10才
――――
■属性:翠樹
■種族:魔族(苗床)
普段は魔界の、闇緑の森に住む。魔界の植物の種をその身に受け、それらを芽吹かせる役割を持つ。変わり者として知っている人は居るだろうか。
首に、3cmくらいの小さな瓶のついたネックレスをしている。
150年ほど前にシュリエルに来て以来、1年に1度、桜の木にやってくる。
ハーヴェイがやってきてから、挨拶のためにそこに立ち寄りはする。
[中に入れば、落ち着いた雰囲気。
カウンターの中では、外見は自分と同い年くらいの青年が穏やかな笑みを浮かべて少女の話を聞いている]
……ええと、店主殿ですか?
こちらで、宿をとれると聞いたんですが。
[声をかければ、碧い瞳がこちらに向く。
一瞬の沈黙。
碧に過ぎる、意外そうな光。
……もっとも、それに対する翠の瞳も、似たようなものだが]
[ぱたぱたと手で払うと、花びらは床の上にはらりと降りてゆきました。]
ああ、お店の前の桜を見ていたんだ。
でも、あの巨きなのは、まだ咲かないみたい。
いつになったら起きるのだろうね。
[楽しみだというように頬に両の手を当てて云いました。オトフリートが声を掛けたものだから、それは途中から独り言になって、答えは返ってきませんでしたが、ベアトリーチェは構わずにいます。]
<PL追記>
実年齢は1000才以上ではあるが、自ら言うことはなさそうだ。
主に闇緑の森から出ないのだが、自分の裡で育ったことのある種、もしくはその子孫のある所には移動可能。
150年以上前は今よりもう少し動いていたかもしれない。
額に3枚、桜の花弁のようなアザ――花(はな)
背のうちに潜む柔らかいもの――蔦(つた)
右腕のうちに巣食った、棒のように固いもの――茎(ケイ)
左の手より生み出されるもの――果(カ)
この四つが今はいる。
右の手は触れられるのを嫌がり、逃げるだろう。
もしも触れられた場合、まるでからからに乾いた土のような、壊れそうな感覚を覚えるだろう。
小説家 ブリジット が参加しました。
―影輝の精霊界―
[まだ幼く見える少女の影が訴えかける]
ですから私も人間界に行ってみたいのです!
もっと人間のことを知ったら王のお役にも立てるはずですし!
「だが反対されたのだろう」
まだ私じゃ危険だから駄目だって言うんです。
でも私だってもう子供じゃありません!
だからもう大丈夫なんです!
[その言葉に相対していた男の影が目を細めた]
「どうしても行きたいのか」
はい、私はどうしても行ってみたいのです!
「ならば人の姿を取るべきだな」
もちろんです。
力を抑えて、変化すればいいんですよね?
「そうだ。……これを貸しておこう」
[男の影が差し出したのは精霊鋼の銀細工。
深く澄んだ紫水晶で銀の鎖が束ねられている]
「力の制御と維持を助けるだろう」
わぁ、ありがとうございます!
[少女の影は喜んでそれに腕を通した。
瞳を閉じて集中すればその姿は次第にぼやけ。
やがて現れたのは10代半ばの人間の少女の姿]
変じゃないですよね?
「大丈夫だ」
良かった!
ね、私だってちゃんと出来るんです!
[得意そうに胸を張る少女に影は微かに笑む]
[そんな男の影に向かって少女は大きく頭を下げた]
ありがとうございました、――様!
それでは行って参ります!
[大きく手を振りながらゲートへと少女は走った。
溢れる期待に胸を膨らませて]
―南通り―
[通りを歩く少年の着けた濃緑色の外套は重たげに垂れ、陽光を受けてビロウドのように光る。肩に届かない金色の髪は柔らかな風に軽く靡く。
日用品や、物珍しい交易品を扱う様々な店、まだ開かぬ酒場が軒先を連ねる通りもにわかに賑わい始めた時間だ。
少年は、交易品を扱う一軒の店の前で足を止めた。
硝子戸を押し開き、店内へ。
居並ぶ品々(店主は少年の横へ立って、しきりにその珍しさを語る)の幾つかを手にとって、眺めていく。]
ところで最近、お前たちの間で何か、目立った噂は無いか。
[少年はいつもの通りの、所謂聞き込みを開始した]
私は鍵の書とかいう物の噂を聞いた。
何かお前の知る事があれば話せ。
[翠と碧、二つの交差は長い時間ではなかったものの。
どうやら、碧い瞳の店主は、彼から何かを感じたらしい]
『……まあ、俺みたいなのはそうそういないし。
力ある相手には、気づかれるも已む無し、か』
[そんな事を考えつつ、差し出された宿帳にさらさらと記帳して]
……ええと、三階の、一番東側ですか。
では、しばらくお世話になりますね。
―Kirschbaum―
[ばんっとすごい音をたてて扉が開き、
...が店に飛び込んできた]
ハーヴェイさん、遅れてすみま……うわっ!
何時になく大賑わいですね…
[...は慌てて自分専用のカフェエプロンを掴むと装着して仕事に入る]
「ウククク」
[千花が美味しい鳴き声を出すのを聞きつつ、ハインリヒの注文に首を傾げる]
どうしたのさ、ハイン。
ここに来るからにはいつものが食べたくて来たんじゃないの?
[つまり、ハインリヒが人目を気にする様子にも気付かないのだ]
[出された食事を美味しそうに貪っている。]
くー。
一週間ぶりの肉。いいねー。
[水を一杯飲み干し、一息。
そこで、ベアトリーチェとアマンダの視線に気付く。]
な、何だよ。
ああ、うん。今から頼もうと思ってな。今から。
[しかしどうにも言い出しにくいらしい。頼む予定の物が物だから。]
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