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[壁に跳ね返される手を下ろして]
アタシの他にも二人、阻まれてる人が居たよ。
我妻悠悟ってのと、えーと。
[もう一人はやっぱり名前聞いてなかったことを思い出し、言い淀んでから]
…メガネでおかっぱの女の子が。
[特徴だけ告げた]
ある一定の範囲で見えない壁が出来てるみたいだね。
ここからほぼ反対側の川原沿いの土手も壁が出来てた。
どこら辺に壁が出来てるのかと、もし円になってるなら中心に何かあるんじゃ、ってことで、さっき言った二人と壁の位置を調べてるんだ。
ある程度調べて回ったら学校に集合するんだけど…恭也も来る?
ここで壁と格闘してても疲れるだけでしょ。
[お茶もあるよ、と誘ってみたり]
[何気なくそのまま見えない壁伝いに歩みを進めた。どうやら考えたとおりに壁は円を描くように建っているようだった。
マリーやキョウヤと旅行の話でも……と思って出てきたが、やはり壁については様々な考えが浮かぶ。それこそ宇宙人の侵略や政府の陰謀まで、論理的な理論からB級映画の内容全てを網羅していたとしても過言ではない]
……昨日読んだ広辞苑には、こんな現象については書いてなかったなぁ。
[当たり前である]
…そっか。他にもいたのか。難儀だ
[聞いたことあるようなないような名前と特徴だけ知らされた二人。
後者は知っているが学年やらがわからないのでそこまで特定できず]
そうみたいだな…。なんか一定の範囲内から外に出れない。反対方向とか他の場所は知らないが、こっちだけならだが穂見町からでれんようだ。俺のとこの家、ぎりぎり穂見町じゃねえしな
[逆側でもそうだったのか。と幸貴から教えてもらいながら、その提案には頷き]
そうさせてもらおうかな。何か知らんがとりあえず一人じゃ手に負えんし。暑いし疲れるし
[むしろ後者のほうが現状だけ鑑みれば重要になってきている]
この様子じゃまだ居たりするのかなぁ…。
アタシが会っただけでも恭也で3人目だ。
全く、何が起きてるんだか。
[ふぅ、と長めの溜息が漏れ出た。普段の明るさから行けば、幾分真面目な表情だったか]
ああ、言われてみれば…そうか、確かに穂見町の端に壁が出来てるかも。
とにかく学校で地図と照らし合わせてみよう。
[一緒に来るとの言葉に頷いて。しかしその前にもう何箇所かは回るよ、とは告げる]
[ぶらぶらとしながら壁に沿って歩いていると、いつしか駅前に到達した。周囲の学校が夏季休暇に突入したという時期的なものもあり、午前中から人では多かった。
そんな出入りの激しい駅舎を見ていて、電車にでも乗れば壁を越えられるかもしれない。と何とはなしにふっと考えが浮かんだ。
そのまま足を駅のほうへと進め――]
?
[駅の入り口二メートル付近であの壁に突き当たった。あまりに唐突だったため心構えも出来ずに額から大きな音をあげてしまった様子を、周囲に居た人々が何事かと視線を向けてきた]
……駅に入れない。と、いう事はバスも同じかもしれない。
[大体電車に乗って壁に衝突したら、壁と電車の内壁に挟まれて轢かれた蛙よろしくへばりついてしまうじゃないか。という結論は、その時にようやく思い至ったりした]
他にもいるのかもしれないが
聞いたこともなければ体験したこともなければわからんな…
[こちらの嘆息は暑さと苛立ちや不可解さで削れた体力によるものも含んでいる。
ただ自分だけではない。ということはこの状態に気づいている人間がいるというのに少し安堵とはいえ、状況に変化がないのも重々承知してるわけだが]
あくまでこっちは…なんだが、幸貴の言ってた川原沿い。確かその向こうは別の町だった気はするが…調べたほうがいいな
[とはいえさほど詳しく知ってるわけではないため幸貴の結論に異論はない
ないんだが]
ぇ…まだ回るのか…まあこんな事態だから仕方ないか
[なんて*不承不承頷いた*]
分からないから調べてる、とも言う。
ああ、うん、川原沿いは隣町に続いてるよ。
いつも隣町の駅まで走り込みしてるんだ。
[こんなこと言うとまた恭也に呆れられそうでもあるのだが。事実なんだから仕方が無い]
ま、もうちょっとの辛抱だから。
ひとっ走り行って来るならここで待ってても良いけど。
ったく、ほんっと身体弱いよねぇ。
だから小さい頃から空手やれば良いって言ってるのに。
[相変わらずなことを言いながら移動開始。調べ終えたら恭也と共に、一路*学校へ*]
[早々に諦めて寮に戻ってきたあと、シャツと短パンに着替えて、ランニングで市内を一周。
結果。見えない壁の大体の大きさをなんとなーく把握。
南北は伊根(いね)川から美馬(みま)ゴミ処理場辺りまで。東西が烏頭羅(うずら)山から佐鳥(さとり)の鉄工所くらいカナ。]
んー。何でかはわからないケド……
出られないや。コレは困った。
[ぺたぺたと壁を触りつつ、あっけらかんと*言ってみる。*]
……なるほど。
[各所からの情報は得てはいたが、実際にそこに立てば、状況は明確に理解でき]
まだまだ、修行が足りんな、俺も……気の練成が甘い……甘すぎる。
[呟きながら、ひょい、と手を伸ばす。
他のものであれば、何かに阻まれるように突っかかる所──なのだが]
……あー。
面倒な。
[ぐにゃ、という感じで、壁にめり込み、見えなくなる手。
周囲に誰もいなかったのはきっと幸い。かなり幸い。
ひょい、と手を引けば、手は何事もなかったように、見えるようになる]
半同化、ってとこか。ま、俺がミスらなきゃどうにかなるだろ。
[ミスったらどうなるんだよ、との突っ込みは無用っぽいです]
隣町の駅までって…
[案の定やや呆れた声を出す。走り込みをしているのは知っていたが意外だったのだから仕方ない]
いや、俺はこれでいんだよ。ってか歩くだけなら問題ないしそれよか速くいこ。
ただでさえ暑いのに冗談ですませれなくなりそうだ
[これまた相変わらず逃げ口上を述べながらも、ただそれだけではなく、日差しを見ればひどさもあったからやばく感じたのもある。体力のなさ以外に暑さも弱いのは相変わらずだった。
そして数箇所といっていた場所をともにいく…初手でつめられないように間合いを開けて歩いているのは本能としかいいようがない]
さて、と。
折りよく、該当者は学校に集まりつつあるようだし。
一気に、『五神』の御霊を起こしちまうのも、手か……。
[いやだから、そこでそういう強攻策をとるからややこしくなるんじゃ。
そんな突っ込みは、入ったとしても、多分、止まらないわけだが。
ぶつぶつと呟きつつ、足を向けるのは七曜学園の方角]
―家庭科室―
んー、開いてたんはええけど、防犯なってへんなぁこのガッコ。
[夏休みだと言うのに、部活動とは関係なさ気な教室まで空いているコトに首を捻って。適当な椅子に腰掛けて足を揺らし、待つことしばし。飽きた]
どっこまで行ってんだろ、あの先輩。
アズマんは途中で干物化してるんかなあ、また。
[暇なんで椅子から降りて、大きく開けた窓から外を見下ろす。
当然空調なんて効いてないので風に当たった方がまだ涼しい]
― 瑞雲神社 ―
ふーむ。
[ 石段をポケットに手を突っ込んで、昇り切る一歩手前、
鳥居の近くで立ち止まり、振り返って眼下を見渡す。
見た目には何ら、変わりなく思える光景。
見えない場所では、何かしら変化が起こっているのだろうが。
カメラを取り出して、一枚 ]
現像しないとなー。
学校行ったとき、やりゃいいか。
[ アナクロな暗室の暑さを思い出して、溜息が零れもしたが ]
あれ、また鳥?
[視界の端を過ぎった真白の影。
どっかで見かけたのと同じそれを探すが、もう見えなくなっている]
えっらい速い鳥やなー。
でもツバメにしたら色変やし。ツバメは白黒やもんなあ。
[微かに捉えた残像は、黒ではなく鮮やかな赤やった気がする。
まあどっちにしても深く考えるコトなく、早く来ないかなーと監視中]
[大まかな範囲を理解して、大きなため息をついた。どうも大きさから言って学校を中心とした円となっているらしい。
尤も、マリーやキョウヤと会おうと思っていたから、学校から自宅の範囲さえ動ければさし当たっての問題など無いのだが、それでも閉じ込められているという感覚から発生する閉塞感に眉を顰めた]
……とりあえず、二人に学校に来てもらおう。
[この状況では探すより呼び出した方が早いと判断し、携帯でキョウヤに連絡を入れた。
もちろん、キョウヤは携帯持ってるよなぁ。という関係ない心配をしていたのは当たり前である]
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