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……めーんどくせぇ、なあ。
[ ぼやきつつ、鞄をごそごそと漁りだす。
やがて、ちゃき、と取り出したのはサングラス。
フードを外して、代わりに装着。
――どう見てもヤの人です。ありがとうございました。]
―学校―
さて、来たはいいけれど。
忍び込むしかないかな、こりゃ。
[職員室では理由が言えないから拙いわけで。
そんな理由で事務室に裏から入り込もうとしてるとか]
あ、失敗。宝条先輩はともかく、我妻のはマリィに聞いても分かったかも。夜のうちに聞いておくんだった。
[今更なことを呟きながら、ピンを片手に取り出した]
[ ふっと、眼を細める。
黒のシェイド越しの瞳は、碧から黒へと色を変え。
ひゅぅと風が彼を中心に巻き起こり、何処かへと飛び去った ]
[あ、ちょっと言い過ぎたな。
とか思ったのはキョウヤが一歩近づいた時でした。時遅し]
あー、うん、手間かけたんはうちが悪かった。あんがとさん。
キョウヤんはキョウヤんやもんでつい、その…そんなアカンかった?
[一個目の内容からして文句だったんで、後の二個に備えて慌てて立ち上がる。尻に付いた土を払い、手も払って誤魔化し笑い。
蒼龍はうちのせいやない!と思うも、お口チャックで保身を図る。
そうして、三個目。
言葉と共に現れる戟、眼鏡の奥で目が金色に染まる]
――っあほんだらー!
ダチやったらヤツ止めんかいっ!
[音が鳴るほどの踏み込みに、背にした木を避け斜め後ろに飛ぶ。
着地と同時に手を天に伸ばす。黄龍のよな長い剣穂が風に靡いた]
[すたすたと、校舎内に入る。
それと前後するように、屋上には紅鴛がふわり、と飛来して]
……取りあえず、出入り口は各人に反応するように組み上げればいいから……。
後は、外殻を強化して……。
[ぶつぶつと呟きつつ、階段を登っていく。
ちなみに例によって、人がいるとは思ってもいない]
[ 幾許かの時を経て、風は彼の元に戻る。
見出したものを報せに。
何かを受け入れるように、手を伸ばした。
ひゅるぅる、と渦を巻いて、消え失せる。
近づく気配には意識を払っていなかった。
今見られたとて風は霧散しているものの、
力を用いた残滓として、瞳の色はすぐには戻らない ]
[少し離れた場所から聞こえる言い合いの声と、属の波動に瞳を開ける。若干だるそうなのは、自分の相克である木の上で休んでしまったためかもしれない]
…だる。
じゃなくて。
[自分が漏らした言葉に突っ込みを入れつつ。感じた属に眉を顰め、一段下の枝へと慎重に降りる]
……なっにやってんだよあいつら……!
[枝葉の隙間から見えたのは五神と判断した己の親戚と同じ四瑞の従妹が相対している姿]
キョウヤん呼ばわりはせめて家のほうに電話するときはやめてほしんだがな
[外れたのは仕方ないかと思う。己と同じように力を得てるらしいわけで、穂先が木を削りとったが、とりあえず気にしないことにした。責任はとるらしいし
振り払った戻しの動作の間に璃佳も武装召喚を終えている
くるりと手首で戟を一回転させ、穂先を璃佳に向け構え]
んなもん言われんでもわかってる…何かする前に電話来たんだけどな。
ま、感情があるぶん割り切れんと思って許せ。
[璃佳の指摘は尤もだと思いつつ居直る。実際先を思うと頭が痛いが、今は目の前のことを済まそうと前へ。払う動作は木が邪魔と。
剣を持つ腕の肩と腹部を狙った二連突きを放つ]
[財布と、携帯。いつもの様に必要なものだけを持って家を出る。
強い日差しの照りつける道を辿って――分岐路で、左へと曲がる。
丁度学校を挟んで真逆に位置するスーパーへ行くのなら、
学校を横切った方が、多少なりとも早い。]
――暑、
[学校の門を潜って。つ、と首筋を伝う汗を拭いながら、手近な木陰へと入る。
いつも学校を横切るのは、こういう面でも便利だから。
アスファルトの上を歩き続けるより、何倍もマシだ。]
[舞い降りた紅鴛は、吹き抜ける風にゆるく首を傾げたか。
主の方は、何の気なしに階段を登り、扉を開けて──]
……っと、あれ?
[誰もいないと思った空間。
そこにある人の気配に、怪訝そうな声を上げ]
ん、おっけ。
こういう時に携帯あればもっと楽なんだけどな。
[警報装置のついてない扉は予め調べてあったとか。
何のためにとか聞いてはいけません。役に立ったんだし]
さて、呼び出しやすいのは同級生だけど…おや?
[メモ用紙から目を上げれば、用事のあった人物が。
忍び込んだ意味なくなったとかも言っちゃダメ]
お暑い中ご苦労様です!
[ポケットにメモ用紙を捻じ込んで、木蔭にいるタマキの方へと移動しながら声を掛けた]
−自宅−
[一晩にわたる交渉の結果、ようやくデジタル赤ひよ子と融合することをものすごくしぶしぶ了承し。
ストラップがなくなった代わりに左の耳に赤い石。
手持無沙汰そうにそれをいじくったりしていたのだが]
…。
[あのよくわからない説明の結果どうしていいのかもわからないわけで。
軽く頭を悩ませていたが、ガタン、といすから立ち上がれば財布と携帯に手を伸ばす。
脳が疲れているときには糖分に限る。
目指すは学校のそばの和菓子屋。
チョコかき氷が食べたい、なんてそんなことを思いながら、リビングで爪磨きだの宿題だのしている姉達に出かけてくる胸だけ伝えて、玄関を出ると自電車に乗って目的を目指し]
−→学校付近−
[ほんの一瞬、意識はどこかに散歩していたらしい。
それでも、その呼び方はすぐに意識を呼び戻し]
諸悪の根源、はともかく、ミックんいうな!
[突っ込み所はそこなのか]
しっかし、この暑いのに……酔狂だな。
[自分は完全棚上げ発言]
[キョウヤが戟を構える頃には、こちらも手にした剣を構え終え]
まあ、あだ名の件は考慮せんコトもないけど、もう一方は聞かれへんわ。
この手のんが時間経ってようなった例ないんくらい"知ってる"やろ。
[普段のだるそうな態度のせいで、ここまで友情に厚いと思わんかったんは迂闊としか言いようがない。
居直る態度に舌打ち一つ。
前に動くキョウヤに合わせ、動体視力を駆使してかわそうと睨む]
――くっ!
[一段目の突きは半身引いてかわすも、前に出る前に来る二段目。
咄嗟に剣を刃と刃の間に入れて止める。
同じ非運動系でも男と女。競り合いは不利と刃を引き地を蹴った。ふわりと浮く体]
せいっ!
[気合一声、空を蹴り戟を持つ腕を狙い刃を立てに振るう]
――おや、そちらもご苦労様です。
…えっと、五十嵐さん。でしたか?
[従妹の知人だというのは記憶にあったが、しっかり覚えているわけではなく。
近付いてくる少女に、こんにちは、と頭を下げながらゆるりと笑みを向けた。
ポケットに何か捻じ込んだのは見えたが、然程気にする様子もなく]
夏休みに学校とは、もしかして部活ですか?
[部活に入っていないとは知らないために、不思議そうに問い]
はい、二年の五十嵐です。
テニスのお手伝いは昼前に終わったんですが。
ちょっと調べたいことがありまして。
[別に校内では隠してることでもないので、サラリと答え。
あと数歩の距離まで近づいたところで足を止めた]
宝条先輩、そちらも外に出られないクチですよね。
それでも昨日遅れてきたのって、何か知っていたからですか?
[明るく爽やかに。両手はまだ横に下ろされたまま]
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