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ぷはー、生き返るさねェ。まだ死んじゃいないがなァ。
[湯が効いたか昨日は直角だった腰も鈍角にまで回復し、空の牛乳瓶片手に婆は笑った。素早く逃げるとかは無理そうだが日常動作ならなんとかなるとなれば元気にもなる]
さァて、そしたら帰ってベルリーナーでも作るかねェ。
晩は茸のシチュー頼んでるから作らずに済むし、昨日籠ごと置いてった茸で足りない分はソイツで勘弁してもらえばいいさね。
[手際よく算段し出ようとして耳に届いたのはカラカラと言う音]
おや、コイツは確か昨日の…?
……まあ、どっちかって言えば。
像みたいなの、持ってるのも見えたし。
違うだろうけどね。
[眼を伏せて溜息混じりに言う。首の後ろに手を当てた]
像みたいなの?
[きょとり、と瞬き一つ。
違う、という言葉に、ふと思い返すのは昨日、ユリアンが見せてくれた硝子の天使]
どっちにしても、放ってはおけないですねぇ。
…なんじゃありゃ。
[昼間は丸見えなので人がほぼいない露天を覗き込んで、呆れた声を上げる。
手足短目っぽい影と緑っぽい何かと長くて細い何かが、ばしゃーん、カラカラ、べしゃり、と謎な大暴れ中なんだから、他に言いようが無い]
ふゥむ、何か喧嘩と言うには変なんじゃがなァ?
ん、あのきらきらしとるもんは――…まさか。
へえ、像なんて持ってたんだ。
何を見つけたんだろうね。
なんていうか、もしほんとうに天使だったら、きっとなにか起きてると思うんだよね。
……じゃあ、捕まえようか。
その場に置いとくだけで、捕まえててもらおう。
[いうなり、メモを取り出して、たくさんものを書く。]
[いつものように妖精の言葉で、捕まえといてと呟いて。]
……んん、ちゃんと捕まったと思うけど。
場所はわかんないや。
こりゃぁ! 何を泥棒しとるんじゃ!!
[血の巡りが良くなりすぎて、頭にもさくりと血が上る]
それは村のもんじゃ、返さんかい!!!
今頃動けなくなってるんじゃないかな。
[手の中で丸められたメモ帳に、文字はない。]
[耳に輝いていた青いピアスもなくなっていることを、本人はしっかり理解している**]
[ミリアムの反応の真意を知る由はなかったけれど。
アーベルの言う事には、だよな、と同意を見せる]
綺麗は綺麗だったと思うけど、それっぽい感じはしなかったな。
[二人より先を歩いていたものの、曖昧な言葉に何をしたか気付くと振り向いて]
……そういうやり方なら、頼まなかった。
[声音は不機嫌そうになった]
確かに、そうですねぇ。
[天使なら、というアーベルの言葉にこくん、と頷いて]
捕まった……って。
そのままほっといたら大変そうですし、急いで行った方がいいかしら。
それっぽいって、水晶っぽくないってことかしら?
だったら、やっぱりユーリの……?
[小さく呟いて。
不機嫌そうなエーリッヒの様子にやや戸惑うものの、やや急ぎ足にそれに続く。
白い鳥も何か感じているのか、ぱささ、ぱささ、としきりと羽ばたいて]
ああーーー!!!
[湯気の中をきらきら輝いて飛んでく光は、天窓抜けて混浴方向へ飛んで行き。婆も水辺の妖精者達も思わず叫んだ。
そして、はたと顔を見合わせ罵りあうより我先にと動きかけ――なにやら湯気で良く見えないけど、今度はちっちゃな大騒動。
やがてカラカラ言ってた音が止まり、他の二つも消えた様子]
………なんだったんじゃろ、今の?
…これ、引き摺ってくのは流石に無理じゃよなァ。
誰か呼んでくるかねェ。
[なんだかあんまり恐く無い外見の妖精にほっとして、とりあえず突付いた。混浴に飛んでいった天使像も気になったが、このまま妖精を放置して人目に晒すのも憚られどうしようと悩む]
うゥむ、どうしたもんかの……おォ、坊!
ちょうど良かったさね。
[掛けられた声に振り向いて、こっちゃ来いと手招く]
―店―
[村の者なら盗ったりしないだろうと思ったのが拙かったか、と眉根を寄せる。
気に入らない作だったとは言え、あれば売るなり作り直すなりできるわけで。
その像が一騒動巻き起こしているとは露ほども思わず。
飾り瓶のデザインを描き散らす手を止め、スケッチブックは台の上に。
すっかり大人しい瓶詰妖精さんをポケットに、一言告げて店を後にした]
……はぁ。
運動不足、かしら。
[ある意味場違いな呟きをもらしつつ、遅れて温泉へと。
露天の方から聞こえた声に、そちらへ向けてとことこと歩いて行く]
ちょうど良かった、って。
うわ。
……ヨハナ婆がやったの?
[露天と外、申し訳程度の区切れ目になっている岩場を越えて、転がっている妖精を見て、真顔で訊ねた]
ふふん、そうじゃ なんてわけなかろうが。
[にんまり笑って冗談言ってから、真面目な顔つきに戻る]
わたしゃ湯気の向こうで見てただけじゃからよく判らんが、三つほどの影が大暴れして何か取り合ってて、それとは別のなんかにコイツだけ捕まった感じさね。
…そういや、混浴にすっ飛んでったんじゃっけな、アレ。
……ええと。
[とことこと、露天の岩場に近づいて、そーっと様子を伺い。
見知った者と、転がった何かの姿を認める]
ええと、捕まった……ですか?
[とりあえず、周囲を気にしながら声をかけ]
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