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─館・部屋─
[……次の日目が覚めたあたいは、また格好が違うことにすぐ気づいたんだ。
とはいえ格好戻るまで待ってる時間も惜しかったあたいは、気づかれないようこっそり館を抜け出して、月の玉座の方へと向かったのさ。
おかげでビーチェが居なくなった事に気づくのは、大分送れることになったんだ。**]
─回想/館内二階・自室─
[床に生え揃う若草を踏んで、犬小屋の前まで歩く]
…そーいえばー。
干渉の力、応用出来ないかなぁ。
[王とは別に反省房へと放り込むと言う犯人の手段。
それを防ぐにはどうすれば良いかとずっと考えていた]
『秘宝』の力使ってるなら完全に打ち消すのは無理かも知れないけどー。
矛先逸らすくらいは出来るかなぁ。
[それには事前に準備し、範囲を決定しておくことが必要だし、かなりの力を使うことになりそうだったけれど]
よぉし…。
アオオォォオオォォオオオォォォオン!!!
[寝る前の恒例、遠吠えを一つ。
それに力の載せて下準備とした。
力を向けた先は、一番匂いを嗅ぎ分けやすい人物]
……わぅ。
[力を載せた後、くらりと身体が傾ぎ若草の中へと突っ伏した]
ダメぇ、一人にしか力向けられない〜。
いつもは方向は決められても、それ以外は駄々漏らしだしなぁ。
[特定の場所に力を留めると言うのは慣れない作業であり。
そのために指定出来るのは限られてしまっていた]
全員に出来たら良かったけど〜…。
仕方無いかぁ…。
後、考えられる可能性は……騎士団長と同じ、と言う所ですね。
[その可能性を口にする刹那、紫に宿るのは鋭さ。
けれど、それはすぐに翳りめいたものに飲まれ]
……とりあえず……騎士殿は、ビーチェの近くにおられたのですよね? ぼくがいない間にも。
何か、異変の兆しのようなものは、見られませんでしたか?
[静かな口調で問う。
紫の奥には、何かを探るよな色**]
―月の玉座―
……どうして、リッキーだった、の?
ッキーは、違う。から……
[玉座にたどり着いたあたいは、挨拶もロクにしないで王を見上げながら、たどたどしく口を開いたのさ。
……上手く喋れない理由は分ってる。何時もみたいに喋ろうとしてるからだ。
だから喋り方を前みたく戻しゃ問題ねーんだけど、それはあんましやりたくなかったのさ。
王はあたいが来るのは分かってたっぽいけど、格好戻ってたのには驚いてた。手の印に気づいたら色々納得したみたいだけど。
そーだよ女王のせいだよ、ふん。
それはいいとして。アイツの返答と、あたいの頼みとは…、"のれんにうでおし"ってやつだった。それでも何度か応酬してやったけど、やっぱり駄目だった。リッキーすまぬ。
やっぱ駄目かー、と思ったあたいは、ぎゅっと付いた手で片方の腕を握ったのさ。]
(バーカバーカ!リッキーがやるわけねーだろ!
ってか覚えてろよこの石あたま!べー!
あたいがうっかり秘宝見つけたって返さねーかんな!)
[………っていつもなら言ったんだけど、今のあたいは何も言わずにそいつに背を向けたのさ。
だから王があたいの事どんな目で見てたかなんて知りもしねぇ。知りたくもねぇしな。
ただ「どうしてこうなった」的な事言われたんで、非難がましい目だったんじゃねーのかな。むっかー。
流石に温厚なあたいもあたまにきたんで、一回だけ立ち止まった。]
……私をこうしたのは、お父様とお母様でしょう?
[淀みねぇけど、やっぱ嫌いな言葉使いだ……あたい的に。
言うだけ言ったら、あたいはその場からダッシュしてやった。
格好が格好だったから、あたいは館に戻らずにふらっと南西の花畑の方に向かったのさ。
そこにひっくり返って、薔薇の空を見ながら元に戻るの待ってたら、いつの間にか寝ちまったんだ。ぐぅ。**]
[それから、エーリッヒと共に部屋へと戻る。
おうおやすみ、と彼に声を返して扉を背で閉め顔を上げると
部屋の中央には 熱持たぬ炎が ぽう と 浮いて]
おぅお帰り?
…でいいのか?
[声はやや低いトーンへと 変わる。]
[炎はゆらりゆらりと揺れながら 男の方へと近寄る。
手を伸ばすと すいっとその甲へと触れ 乗り 滑り
肩へと戻る。
炎の中 小さく濃く揺れる 影がひとつ]
ん、そか、やっぱり違うよな。
ありがと、またよろしく。
姉ちゃんじゃなくてゴメンな。
[呟くと ぱたり 布団に突伏して、泥のように眠った]
─翌朝/館内・廊下─
[目を覚ますと犬小屋から出てぐーっと伸び。
筋肉を解してからぶるぶると身体を振って、寝てしまった毛を立ち上げた]
おなかすいたー。
[目覚めて直ぐ思うのはやはりそれ。
食堂へ向かうべく部屋を出て、しばらくすると廊下で話をするナターリエとマテウスが見えた]
おはよー。
何かしたの?
[様子がおかしい事を見て取り、こてりと首を傾げる。
ベアトリーチェの姿が見えないと聞くと、驚くように金の瞳を丸くし、耳をピンと立てた]
えぇ、ビーチェが?
…………この近くには居ないみたい。
匂いしないよー。
[くんくんと鼻を動かし、廊下の窓から外も探ってみたが匂いはせず。
見つからないと言うことにぺたりと耳を垂らした。
姿が見えない可能性として、騎士団長と同じ可能性を出されたなら、驚きと共にほんの少しだけ困ったような表情に*なったか*]
[耳や尻尾をたらしてお座り状態だったエーリッヒ>>44の頭を軽くなでて]
誰が犯人なのかわかる術があったらよかったんでしょうけどねえ。
[ほう、と残念そうに答える。
マテウスとベッティのやりとりは、物騒なベッティ>>46に苦笑したりしながら聞いているだけで口は挟まない。
ビーチェをつれて友人>>49が二階へ上がるのには手をふって見送っておいた。
ゲルダ>>50がリディがいたと言う場所に触れるのには不思議そうな視線を向けて]
それはリディさんが秘宝を隠していないようだ、と言うことでしょうか。
[ふと思いついた事を、ゲルダに尋ねた。
その返答がどうであれ、そうですか、と何か考え込むように黙る]
[信じるものがどうこうと話しているベッティとマテウスにちらりと視線を向けるけれど、告げる言葉は浮かばなかったからなにも言わないまま。
榛名がよっていく頃にロビーから離れて部屋へと戻るのだった]
私は先に休ませてもらいますね。
[そして水の流れる部屋の中で何事か考えつつ休み]
―回想終了―
―朝―
[なんだかんだとやる事を済まして眠りについたあと。
昨夜のエーリッヒの遠吠え>>81には気づかないほど熟睡していたようす。
そして起こされたのは、廊下での話し声と、壁を叩く音>>93のせい]
――なにか、あったんですかね……
[寝乱れた髪を手ぐしで好きながらあふ、とあくびをひとつ。
もそもそと青のローブに袖を通して、水の気配のする布はベルト代わりに細くまとめて腰に巻いておいた。
そして廊下に出たらイヴァンは立ち去り、友人>>83とマテウス>>76が話しているときだった。
エーリッヒ>>91もいるのならおはようと声を掛けつつ]
ビーチェがいないんですか。
散歩にいった、という――にはちょっと時間が早すぎますかねえ……
[うーん、と考え]
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