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[エーファの呟きは近くにいた自分には断片的に聞こえて、猫に何かを尋ねるような言葉、
それから人間とか守ってとかそんな言葉が聞こえたような気がする]
エーファ…
[その様子と、胸の中で何かがあいてしまいそうな感覚が生まれて。
目の前のものを失わないように、そのまま腕を伸ばして抱きしめようと。
そのままエーファがこちらに反応を示すまでは一緒にいて、着替えに二階に上がるよう提案することになるだろうか**]
―二階/自室―
[おとうとの優しい笑みが女は好きだった。
義兄と同様に悲しませたくない相手で
失いたくないと思っているぬくもり。
彼の眸に映りこむ自分の表情が何処か縋るようにも見えた]
……うん、嬉しい。
同じなら良かったのにね。
[過去形の言葉に微かな翳りが過る]
ラーイが何より大事で大好きだから……
私をあなたにあげる。
[儚い笑みを浮かべ彼の手へと自分の手を伸ばした]
―二階・ナターリエの部屋―
[占われなければいいと。知られたくないと。
そう思っていたのは深緑にも浮かんでしまっていただろうか]
ナータ…?
[思考としては考えたくないその可能性を排除して見ない振りで。
伸ばされた手を受け止めながら、不思議そうに名を呼び返す]
大丈夫。
さっき、お薬ものんだところだし。
[発作が起きていないかと案じるアーベルに、心配はいらないと微笑んだ。
彼から双子のこと、フォルカーは大丈夫だと聞くと、彼を見つめ。]
それでも。
あの子たちは…フォルカーちゃんは、女の子なのよ?
[つい先日と同じように、ただそう言った。
彼女が彼をどう想っているか、推測でしかないそれは言うつもりはないけれど、それでも気にかけてあげて欲しかった。
こんな時に、使用人の立場を守ってほしくはなくて。]
― 広間 ―
[アーベルの了承を受けて、口許が持ち上がった]
ありがとうね。
じゃあ、よろしく。
ブリジットも、あったかくして、ちゃんと休んでね。
[そっと、先まで重ねていた手を、彼女の頭に。
一度、なでて、離そうか。
それから、掃除を始めようとしているエルゼリートの方へと行った。
その頃にはゼルギウスは外していただろうか。どちらにせよ、近づくのに躊躇いはなく]
手伝うよ。
─広間─
[掃除に集中してたのと、声が小さかったのもあってアーベルのエルザ呼び>>82は耳に入っていない。
それはアーベルに取って幸いだったかもしれないけど、聞こえたところで声を荒げる余裕は無かった気がする。
結構、血の匂いにも参っていた]
ん、あ。
いや、汚れるから離れとけ。
[ゲルダから手伝うと申し出があっても>>85、何となく血に触れさせるのは嫌だったから一旦は断りの言葉を紡ぐ。
それでも、と言われるならこちらが折れることになるけども]
[姉はどんな顔をしただろうか]
[不思議そうな表情のままで、抱き締める腕は受け入れる]
うん、……あ、でも、
先に、洗ってあげなきゃ。
[着替えの提案をされたなら、腕の中の猫に目を落とし]
水、嫌かな。
タオル濡らして、拭いてあげたほうが、いいかな。
[首をかしげながら、意見を求める]
[惨事の後だと言うのに、それが夢ではなかったという証拠を抱えているのに]
[怯えた様子は一切見せなかった]
―二階/自室―
[深緑の眸に宿る感情にへなりと眉尻を下げた
ライヒアルトの手を支えるように自らの胸元へと誘い]
ラーイの秘密を覗いてごめんね。
もっと早くに私の秘密を言っていれば良かったね。
[鼓動刻む音が彼にも伝わるだろうか]
ラーイにならたべられてもいいよ。
[義兄が居る時には言えなかった言葉。
何度紡ごうとしたかしれぬそれを紡ぎ変わらぬ笑みを向ける]
ねぇ、アーベル。
私、ほんとに大丈夫なのよ?
もう少し休めば、普通に歩けるわ。
[誰とは知らずとも夫となる人がとうの昔に決まっている自分は恋をしてはいけないと解っていたから。
だからこそ、自由に恋ができる彼らを妨げてはいけないと思い、アーベルをみた。
ゲルダの手が頭を撫でてくれるのを目を伏して受け入れて、離れる彼女に会釈をして。]
汚れるとかは、気にしなくても良いよ。
エルが一人で掃除するのも、大変だろうと思うから手伝ってあげようって言ってるんじゃないか。
[どう?と、いつもの調子でゆるく首を傾げる。
それから、少し言葉を止めた後に、そっと手を伸ばして、頭を撫でる。
手はいらない言うのなら、それ以上は言うつもりはないが、じっと、心配そうにエルゼリートを見た]
―二階・ナターリエの部屋―
[誘われた手を振り払うことが出来なくて。
当然のようにドギマギと、別の意味でも挙動不審になっていたが]
っっっ!!
[深緑を大きく見開いた。
暗色の虹彩の奥に、金の光がちらつく。
掌からはその下に命の果実があると知らせる波が伝わってくる]
そん、な。
話す前からずっと、知っていたの…!?
[掠れ声で呟いて、続いた言葉に何度も首を振った]
食べない。ナータは食べない。
たべたくなんか、ない。
[それ以上は言わせまいと、押し倒すように覆い被さって。
手は出せない。大切すぎて。鼓動の上に顔を押し当てて抑えきれない涙でそこを濡らした]
─広間─
んー……。
[>>90 赤を吸ったタオルを布袋に詰めながら、オレは曖昧に返事をする。
血の匂いで少し意識が揺れていたのと、やっぱり触れさせたくないしと言う思いが出てたんだけど。
ゲルダの言葉が止まった後に頭に触れる感覚を覚えて、オレは下を向けていた顔を少し上げた]
…なに?
[少しきょと、となっていたかもしれない。
何で急に撫でられたんだろ?]
[浴室の方へ向かうにせよ、先に着替えてくるにせよ]
[広間を出る直前に、ゲルダのいるほうに歩み寄る]
[エルゼとの会話が切れるのを、少し待ってから]
……ごめん、なさい、
せっかく、もらったのに、食べられなくて。
[冷めてしまったスープを示して、申し訳なさそうな表情をした]
あとで、片付けます。
……えっと、それと……
エーリッヒさんの、部屋って、どこだったか、分かります、か?
[疑問を一つ]
[彼女からか他の誰かからか、答えを得ることができたなら]
[今日は白猫とそこで寝るつもりだと、フォルカーには告げた**]
―広間―
[手伝いの言葉は重ねない。
ただ、不思議そうな様子に、瞬いて]
……仲がよかっただろう。
[ほんの少し言いよどんだ後に、そう言った。
心配しているとかは、口には出さなかったけれど]
― 広間 ―
そだけどさ、やっぱ心配はするヨ?
[見つめられて改めて言われれば、うーんと頭の後ろを掻いた。]
まぁそれはこの間、再認識した所だけど。
[女の子と言われれば、先日のあれそれをかっつり思い出したが、感想は多分ヴィリーと近い。
でも全部見えてなかったのはいいツボ押さえてたよね、とか余計な事もついでに胸中で思ったが顔に出ることはなかった。
立場や、付き合いの長さが、体に染みたようにそうさせる。
前に体質だと言った事は、あながち嘘ではなかった。
そのおかげで、より人間味のある自分でいられるのだが。]
[それから、エーファの言葉に、ゆるく瞬く。
随分と印象が変わったと思う。フォルカーへと視線を向ける。
この状況が起きた中で、スープという、現実的な話。
だけれど、――それはある種、似たような血かと、どこかしらで納得はした]
良いよ。
明日とか、また別の時に、違うのを食べなね。
体力が持たないから。
……エーリッヒの部屋は。
[もちろんわかるわけもなく、視線を室内に迷わせた]
―二階/自室―
[子供達に触れられてもあたたかで嬉しくなるだけだが
今、おとうとに触れさせた場所は早鐘を打つよう。
ずっと教会で過ごしてきたからこの感情の意味を女は知らない]
知ったのは今朝――…
うん、……知っていたけど誰にも言えなかった。
言いたくなかったから……おにいさまにも伝えてない。
[ライヒアルトにこくと頷き素直にそれを打ち明ける。
横へと振られる首とその言葉に困ったような表情]
でも、たべないと苦しいって伝承にあったわ。
ラーイがくるしいのはイヤだから……。
[根本的な解決にならないことを女は知っていて
それでも自らを捧げることを選ぶのは彼が何より大事だったから]
─広間─
───……っ。
[返って来た言葉>>96に、オレは眉尻を下げて噤んだ口を歪めた]
……そりゃ、仲悪いわけじゃ、なかったよ。
[上げた顔はまた床を見詰める。
仲悪くは無かったけどさ。
…でも、オレ少し疑ったりもしちまったから。
だから、ゲルダに返した言葉は少し歯切れが悪かった]
…エーリッヒの部屋?
それだったら、左側の、奥から三つ目の部屋だよ。
[エーファ>>95がゲルダ>>99に訊ねる言葉を受けて、代わりにオレが答えた。
さっきクレメンスに教えて貰ったからな、これは間違ってない]
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