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[ハインリヒの詰問を黙って見つめる。人である少女への問いは、同じ人である男に任せた方がいいと思ったのか、それとも、ただ状況を把握するのに勤めているのか]
う、ん。
って、あ。
< 手がぐるーん。おもいっきり振られて、猫は慌てます。とりあえず >
誰か、つかまえて……!
< 離れちゃったみたい。 >
俺の護法天陣は、あくまで物理防御だからね。
[イレーネの言葉に、苦笑して]
本調子なら、もう少し色々と弾けるんだが……今の状態じゃ難しいから。
[言いつつ、手は無意識に痛みを感じる呪印へと。
幼き頃を知る精神の竜には、呪印の存在は知られているやも知れず]
うん、そうだよね。
[そういえば昨日重なった声があったっけと。
納得して、置かれた手にもまた少し落ち着きを取り戻して]
機鋼竜に協力してる…?
[小さく小さく呟いて。
常にない態度のハインリヒとミリィの間を視線が彷徨う]
……?
[伏せていた睛が、開かれた。]
すぐ、食べれば好いのに。
ひとりでも。
また、新しいもの、採れば好い。
[一緒に食べる]
[その意味がわからなかったのか]
[問い返す声は不思議そうに]
……どうしても、知りたいと望むなら。
やれん事もないけどね。
[俯く様子に、小さく呟く。
それによる消耗は、確かに大きいのだけれど。
彼の過去が気になるのもまた、確かな事だから]
そっか。
物理じゃ――流石に転送は防げないね。
[難しいなと、オトフリートの答えに小さく苦笑して。
はたと、手が触れる場所に気付いて僅かに目を細める。
その場所にあるモノを識っていたから、安易に予想がついた。]
――…、本調子どころか、随分と調子が悪そう。
[小さく、溜息を零す。
相変わらず無理したり、押さえ込むのは変わらない。]
何でそう言い切れる!
[怒鳴り返しにはやはり怒鳴り返す]
風は偽らない。
俺が得た情報は正しい。
[心の声は嘘をつかない。今信じる一点はそこにある]
……はは。まあ、ここなら、色々と調整もかけられるから、それでも大分楽なんですよ、と。
[ため息をつきながらの言葉に、苦笑しつつこう返し。
……それから。響くリディの叫びに屋敷の方を振り返るだろうか]
……ところで。
今、響いた声に関しての見解を聞いても、いいかな?
[問いかけは、恐らく相当に唐突なものと思われるだろうけれど]
…ううん、それは、やだ。
[アーベルの言葉に、困ったように首を振る。
すぐに食べたら美味しいだろうけど、でも]
自分で採るリンゴとは、違うから。
だからアルと一緒に食べるの、待ってる。
[だって「誰か」に、何かを貰ったことなんて、
オレは初めてだったから。大事に食べたい。
…傷んだら、食べれないけど。
やっぱり、困った。上手く説明出来ない]
ミリィからは機鋼の感じなんかしないよ!
ぼけは人間相手じゃないとお手上げって言ってたじゃないか!
風なんかに機鋼のことが判るわけ?
今は、か。
んじゃ、やるべき、と思える時が来たら、言ってくれればいい。
それまでに、体調整えておくから。
[くすり、と。笑いながら返す言葉は、どこか冗談めいた響きを帯びたか]
[投げられた声]
[引き寄せられかけた意識]
[けれど、]
[精神の竜の説明に戻される]
……?
林檎は、林檎。
誰が採っても。
形も、何も、
変わりはしない。
[ ―― わからない ]
[また、その言葉を呟いた。]
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