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[生命の海に沈みこんで数分。
やがて、琥珀が全て溶けて消え去れば、ナターリエは全裸でうつぶせに倒れていた]
……んん……ん。
[妙に悩ましげな声を上げて、ナターリエが目を覚ます]
ここ……は?
……ってか、なんで裸なのかしらぁ?
[サービスカットです]
……ま。いいわぁ。
えーと、確か流水の気配を感じて……く!
[思考の海に溺れようとすると、ひどく頭が痛み、ナターリエは思わず、手で抑える]
……駄目ね。何も考えられそうに無いわぁ。
―――?
[ふらり立ち上がると、前方の壁にクレメンスが横になっているのが見えた]
……すごい所で寝ているわねぃ。
ま。生命のならおかしくもないか。
それに、人を心配しているような状態でもないしねぃ。
私も、自室に戻って、横になりましょうか……。
[ナターリエはあっさりとクレメンスを放置して、自室に戻り、頭痛を癒すために、丸まった状態でベッドに*倒れこんだ*]
―東殿・回廊遠方―
[座り込んだ状態で、暫く体力の回復を図っていた。
下ろしたベアトリーチェが、心配そうに背中などを撫でてくれると]
ありがとう。大分良くなったわ。
[何とか微笑み、そう告げる。
事実、先程と比べると頭痛が大分引いてきている。
先程遠くで大きな力の流れが感じられたが、それからだ]
クレメンスが、なにかしたのかしら……。
[そう呟いたところで、ゆっくりと立ち上がる]
[穏やかに首を振った。その後はナギへと向けて]
もう、大丈夫です。
ただ……少し状況が気になりますから、ちょっと戻ってみます。
もしかしたらまだ危険かもしれませんから、リーチェと一緒に……
[そこまで言ったところで、翠樹の仔が服の袖を、きゅっと掴んで来た]
―東殿・回廊遠方―
……私が守れば……ううん。
私とナギさんで、きちんと守ってあげれば、大丈夫ですかね。
[その言葉に、翠樹の仔は微笑んだだろうか。
抱えようとしたが、疲れているのを察したのか、手を繋いで歩き出す]
―東殿・回廊 焔が居た側―
流水の姿は無い、か……。
[そう呟いたところで、壁に沿って倒れている命竜の姿を見つけて]
――クレメンス!
[急いで駆け寄り、息があるか確かめた。
その間、心配そうな顔でベアトリーチェが命竜を覗き込んでいたが]
……息はあるけど、大分お疲れみたいね。
[安堵の溜息を零すと、さてどうしたものかしらと思案顔。そこで翠樹の仔が、
「おじちゃん、こんなところでねてたら、かぜひいちゃうよ?」
と心配げな声を発し、ブリジットを見上げている]
……運んであげよっか。
[どこか困ったように笑んで、呟く。こくり、素直に頷いたベアトリーチェは、
うんしょ、うんしょと首根っこを掴んで]
まあ、それで良しとしましょう。
[首が絞まらないように、両手で引きずっていく。
命竜の個室まで引っ張るのには、それなりに時間が掛かった]
……ふう。お疲れ様、リーチェ。
[命竜をベッドへとなんとか運び終え、今度は翠樹の仔の部屋へと向かう。
あんなことがあったばかりで心配だったということもあり、
今日もまた翠樹の仔が寝付くまで、ベッドの端にでも腰掛けているだろう。
もっとも、ブリジット自身、疲れと頭痛の所為でベアトリーチェよりも先に
ベッドへ倒れこんでしまうかもしれなかったが*]
― 回想/東殿・回廊 ―
< 響き渡る呻き、唸り。
感情の昂りは容易に知れる。
音を頼りに最後の一歩を踏み込み見つけたのは、噴き出す水から逃れる、機構の仔竜を背負った大地の老竜の姿 >
ザムエル殿、何が、
< 吐き出された疑問を含んだ声に、黒を見開く >
……ダーヴィッドが、じゃと?
< 名を聞き留め、視線を意識を失った仔竜に注ぐ。
彼に対応策があるならば火炎の竜を護るだろう。虚竜王の不機嫌か。
荒れ狂う海、糾弾の叫びと共に流れ行く波に、それ以上の思考は遮られた >
< 後に、と言う老竜の言葉に頷き、精神の竜には跡を追う事を告げ、流れの行き着く先を求める。
途中、散らされた影ならぬ影が消えゆくのを認め、痛みを覚える訳でもないのに無意識に腕を抑えた。
立ち止まりかけた瞬間、視界を覆う白き光――ならず、琥珀の粒子。影に紛れる間もなく、否、影すら包む奔流に流されかける。
それは、物理的にのみではない >
…、…………っ
< 息を呑む。影たる仔には憶えのない感覚。
事の所以と顛末を知る由もなく、還る琥珀に似た様相で、その場から*消えた* >
―回想―
[気を失う前、ナターリエの声は辛うじて聞こえた。
顔の位置が固定されていたので、足の先しかサービスされなかったのは置いておいて。
よく分からないが暴走は止まった。思考面に関しては不明瞭、といった見解ではあった。
それだけ確認してから、すぐに意識は闇の中。
次に目を覚ました時に変わっていた景色に、数度瞬く。]
―東殿・自室―
…誰か運んでくれたのか。有り難い。
誰なんだろうな。
とりあえずナタとオトは違うだろうが。
[残り気から探る、などという器用な事は難しかったので、真実は闇の中なのだがここ2つは確信した。
ごろり、上を向く。
解放の疲労感はまだ残ってはいる。あまり無茶な動きはできないだろうが。]
慌しかったが…結局、向こうにゃ焔と風がいったんだっけか。
[雷竜の事はまだ聞いていない。]
―東殿/回廊―
[青年は騒ぎにも黙して全てを見聞きし記憶へ刻んでいた。
流水の津波を見送り、後程と断りを入れ去る大地に視線を流し、影輝が追うと告げる言葉に頷く。
そうして皆がその場にいなくなってから、口元の笑みを深くした]
そう、若焔殿が。
――…賭けに勝ったな。
[青年が零した言葉の意味を知るものは少ない。
そして迷走する大地竜の気配に目を細めながら影輝の後を追い、生命の竜の琥珀の光に還るかの如き姿と倒れたニ竜を回廊の角から見て取った]
………。
[しばしの逡巡。だが、此方へと歩き出す流水の竜を避けるように*踵を返した*]
―東殿・食堂―
[中に入れば何人かの配膳係りが食事を作っていた。
ひらと片手を上げて、火にかけられている寸胴軍に近づく。]
えーと、どっちがカレーだっけ?一個もらってくな。
あ、これも。
[置いてあったリンゴを一つ手にし。
カレーをよそおうとした係りを制し、鍋の方に触れると、鍋ごとその場から*消えた。*]
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