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『ライヒ、符が来てる』
ベル頼んだ!
[肩で後ろを確認して居た灰銀の龍が声をかけるも、自らは対処せずに盟友へと任せる]
『…仕方ないわね…』
[巻き込まれるのも、と思い灰銀は迫る符に向き直ると、サマーソルトの要領でくるりと一回転。尾で符を叩き落とすのであった。その間にもライヒアルトはメモボードの傍から離れるべく人混みを駆け抜けて行く]
『ねぇライヒ、いくら幼馴染でもあれは無いんじゃない?』
幼馴染だから遠慮なく言えるんだろ?
[そう灰銀に返したライヒアルトの表情は楽しげだったとか]
……うむ。あらゆる意味で、頼もしいな。
[ちら、と聞こえたミリィの絶叫に、ぽそ、と呟いていたり。
一体何がか、は謎ですが]
稀少価値が高いからこそ、あれだけ周りを引っ張り込むんだろうし、悪い事ではないと思うが。
[乙女心をわかっているのかいないのか。
思いっきり、他人視点の評価をさらりと。
水晶龍は楽しげな様子でふわり、下へと降りて]
『楽しいかどうかは、わかりませんけれど。
三年前に鬼になった時……』
……ラヴィ、いらん事を言うな。
[なんか逸話があるようです]
さて、真実なのかどうかは誰にもわからんしな。
少なくとも、俺は実証しそびれたクチだし。
[ライヒアルトを逃がしてしまい、符によって怪我を負った学生に治癒の符を貼って(効果は不明)ブツブツ言いながら戻ろうとして――]
……雪女もどきに……ゼルギウス先輩?
[何でこんなところに? と思う前に、今のライヒアルトとのやり取りを見られたのではないかと瞬時に思い立ち、顔を瞬間湯沸かし器のごとく赤くした]
ま、まさか……ねぇ?
[ここでも変な噂をされていないか心配だ]
ん。
[真っ赤になっているミリィの視線が、こちらに向いているのに気づき、真紅を一つ瞬かせ]
どうした、そっちも熱気に当てられたか?
[的外れな事を、軽い口調で問いかける。
傍観者、立場は気楽、お気楽モード]
い、いや、別に、熱気なんてものは、感じもしない、訳でして……。
[言いながらも、その言い方に一部始終見られていたのではないかと、体から湯気が上がってるんじゃないかと思うくらいに沸騰中]
そうか?
そういうわりに、熱そうだが。
なにせ、この空間は今、熱気だけなら有り余ってるからな。
皆元気で、何より、という所だが。
[一部始終を見てはいないものの、大体聞こえてはいたわけで。
どこまでも楽しげ様子は、崩れる事もなく。
にしても、物言いが年齢不相応なのはどうなのかと]
そ、そうですよね。みんな元気が一番ですよね〜。あ、あはははははははははは〜。
[強引にゼルギウスに合わせて笑ってみた。勿論、乾いている]
だ、大体みんな伝説やら何やらに頼って、恋愛成就させようなんて魂胆からして、もうダメダメなんですよね。そういうのこそ、体当たりして自分言葉で伝えないと意味ないじゃないですか。うんうん。それなのにみんなしてああやってボードの前でキャアキャア騒いでいて、本人が隣にいても何もしないなんて本末転倒もいいところです。大体ライは元々鈍感というかそういう感情が抜けているというか、そんな奴なんですから、爆発していくくらいでちょうどいいのに。情けないですよね。これで花の女子高生? とか言われちゃってる年代が揃っているんですからダメダメですよね〜。
[いつの間にかライヒアルトに恋愛感情を向けてることに関しての講釈になっていたりいなかったり?]
うむ。
ま、祭とも言うべきイベントで盛り下がるのは、侘しいからな。
[なんだかんだで騒動は好きらしい。
自分が当事者でなければ]
まあ、あれか。
「想うだけでは想いは届かない」
というヤツだな。
恋愛感覚……か。
ヤツがそこら辺抜け落ちている、という点には大いに同意しよう。
[早口の講釈を、楽しげに聞きつつ、さらっと酷い事を言っていたり]
『……馬鹿は風邪引かないはずだけど』
それは三回だろ。
[くしゃみで少し詰まった鼻をずび、と軽く啜り上げ。肩の上の灰銀と噛み合ってるんだか噛み合ってないんだか分らない言葉の応酬]
噂されるとか、俺って人気者?
『悪い噂の間違いじゃないかしら』
それってくしゃみ二回じゃないっけ。
[そんなどうでも良い討論をしながらしばし中庭をふらふらり]
ゼルギウスさんが鬼をして?
[ちょっとワクワクしていたのに、本人に止められてしまいました。残念そうに、また後で?なんて水晶龍に向けて精霊語で言ってみたり。通じるのだろうか]
実証できなかったんですか。
今年はできるのかしら。
…もどきって、酷いなぁ。
熱出てるよ?
[ゼルギウスに言いつつも
やってきたミリィにも軽く手を挙げご挨拶]
ミリィさんなら、突撃する?
さっきみたいな勢いで。
[それはとっても尊敬に値します。
でもちょっと暑いから立ち上がったりもして]
うん、ミリィさんってライヒアルト君のことに詳しいよね。
[幼馴染だからかな。それとも…?
ちょっと気になるお年頃でもあるにはあるんです]
……何となくどっかでライがくしゃみした気がするわ。
[言い訳という名の弁解を中断して、ふとそんな事を感じた...は、再びイレーネの言葉に沸騰した]
と、突撃なんて……! 何で私がしなくちゃいけないんでぷか!
[二度あることは三度ある。再び舌を強打し、その場にうずくまって涙した]
だ、伊達に十年以上……幼馴染やってないもふ……。
[しびれる舌と、涙目ながらもしっかりとイレーネの質問には答えていた]
『どうせ、ちょっと調べられたらバレるでしょうに?』
[止められた水晶龍は、くすくすと笑い。
精霊語の呼びかけには、機会があれば、と返していたり]
全勝して、逃げ切ったからな。
実証のしようがなかった。
[つまりは伝説狙いも告白すべく突撃してきた相手もまとめて爆砕した、という事らしい。
逸話もそこらが関わりある様子]
……ほんとに、若いな。
[それから、ミリィの様子に、ぽつり、とこんな呟きをもらしていたり]
だってミリィさんがそう言ったじゃない。
誰か好きな人がいたらそうすべきなんだって。
あらら。大丈夫?
[半分確信犯なのは、口元が笑っていることからも明らかですが。
涙目で蹲ったのを見れば流石に罪悪感が]
――小さき命の精霊よ。
[そっとミリィに手を伸ばしてヒーリングの呪文を使ってみた。反射的に抵抗とかされないといいけれど。
やっぱり熱い、なんて思ったのは心の中にしまっておいて]
10年以上。うん伊達じゃないね。
[幼馴染がどんなものかは実感が持てないけれど。
まあさっきのやり取り見てても気安い間柄なのは一目瞭然だし]
…それは。
是非とも検証してみたいものです。
[暫し悩んでからそう答えた。
口元は変わらず笑っているけど、ちょっと目が真剣だ]
年寄りくさいですよ、それ。
[そんな年じゃないでしょう、とは少しだけ呆れたように。
逸話はとっても気になったので、コクリと水晶龍に頷き。後で絶対に機会を作ろうと決心した]
まあ、頑張って検証してくれ。
[そこだけ真剣な目の様子に、楽しげに言って]
そうか?
ま、年齢のわりに枯れている、とはよく言われるが。
[呆れたような言葉にもさらりと返す。
頷きに、水晶龍は尻尾をゆらり。こちらも、違う意味で楽しげだったり]
余裕ですね。
そうなったら全力でいきますよ?
[検証云々には小さく頷いたのみ。そりゃまあどうせなら効果を望んで、ここに居るわけでもありまして]
よく言えば落ち着いている?
でも何か今のはちょっとなしだと思います。
[水晶龍には、約束ねと隠れてサムズアップ]
喉渇いてきちゃった。
ちょっと調達してきます。
[別にミリだけのせいじゃないのです。その前は女子輪の中に巻き込まれてもいたわけでして。
二人にひらりと手を振ると世界樹の仔の傍を*離れてゆく*]
[イレーネの力で痛みが引いた...は丁寧に礼を述べてから、どうも若年寄という印象のゼルギウスを眺めてから]
……年齢のわりに枯れているとか言うのなら、若いと思う人と付き合っちゃえば若くなるかも?
ま、何にせよ、全力で頑張るといい。
[検証に関してはそれ以上は触れず]
そう言われてもな。
実際、見ていると微笑ましいから、そう言っているに過ぎんのだが。
[なし、と言われれば、どこか困ったように言って。
水晶龍はどこまでも楽しげな様子でこく、と小さく頷き、それぞれイレーネを見送る]
……いや、別に、そこまでして若くなろうとは思わんが。
[ミリィの提案には、苦笑を一つ。
そこにやって来たのは、祭事実行委員]
……今度はなんだよ。
あー、わかったわかった、行けばいいんだろ、行けば。
[ため息混じりに言うと、ミリィにそれじゃ、と軽く手を振り。
ふわり、長く伸ばした銀髪をふわりと揺らして、*委員会のテントへと*]
[ぷらぷら歩き回って、辿り着いたのは友人数名が集まって何やら話し合っている場所]
何してんの?
「おー、ライヒ。そうだ、お前はどの子が好みだ?」
好み?
「そそ、このイベント女子参加者半端ねぇからさ。
好みの子が居るか、って話してたんだわ」
ふーん。
で、どの子がお前らの好みなんだ?
[逆に友人達に訊ね返すと、口々にあの子かな、などと女子の中から選んで行く。その場に居るライヒアルト以外の全員が一通り好みを口にすると]
「で、ライヒはどの子が好みなんだ?」
んー………。
「渋らねぇで教えろよ」
んー…………。
「おいライヒ」
「いい加減教えろ………って」
「「「「「寝てんじゃねぇよ!!」」」」」
[傍にあった木の根元に座り、寄りかかっていたライヒアルトはすぴすぴとお休み中。友人一同、ライヒアルトへ視線を向けずに声をかけていたために寝ていることに気付かなかったらしい]
「だーめだこりゃ、しばらく起きねぇぞ」
「コイツ危機感ねぇなー。結構人気あんだろ?ライヒって」
「ここで放置したらどうなるんだろ」
「「「「「……………」」」」」
[誰かが発した一言に、友人らはしばし沈黙。その後皆一斉に無言のまま良い笑顔でサムズアップし。ライヒアルトを放置してその場を離れる]
[眠るライヒアルトの頭の上で丸まっていた灰銀は、処置なしと言いたげに尻尾をぱたりと*揺らした*]
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