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[繁華街─特に人の賑わう界隈─から離れる方向に歩いていく。
その間にも遠巻きな好奇の目は、容赦なく彼に降り注ぐ。]
…………………。(いらっ
[その事に、イライラとして自然足運びは速くなる。
周りへの注意も僅か散漫になっていただろう。]
─繁華街・スナック『桃』─
生? ああ、ストレート。
お酒強いのね。
肉じゃが二人前ね、少し待っててね。
[二人の掛け合いがじゃれあっているように見え、
微笑ましく思いながら酒を用意する。
作り置きの肉じゃがを器に盛ると、酒と共に差し出した。
仕事に疲れた男たちには、なかなか肉じゃがは評判が良い]
煙草が生命線……何か創作なさってるの?
[と、先程の上司と部下らしき二人に呼び出され]
はーい、すぐいくわ。
呼ばれちゃった。 ゆっくりしていってね。
[若い二人に声をかけると、呼ばれた方に小走りで*向かった*]
─繁華街─
[指導員に見つからないようにしながら。
変なものに目をつけられないようにしながら。
ハンチング帽を目深にしながら通りを歩く]
………ぁ。
[その途中、人混みの中で一際目立つ存在に気付いた。
光を反射する白銀の髪。
他とは違う雰囲気を感じて、オレは思わずその後を追った。
繁華街から足早に立ち去ろうとしているその人物を追いかけ、自然と小走りになる。
悔しいが、コンパスの違いからそのくらいが見失わず追いかけるのに丁度良かった]
―スナック『桃』―
[注文が来る間、テレビの中の芸人たちを横目でちらちらと見ていた]
あ、ありがとうございます。
[注文の品が来れば礼を言う。
酒を一口飲んだ後、割り箸を割って]
……賑やかだな。
[主人が呼ばれて行く先にいる2人を何気なく見ながら、肉じゃがをつつく]
仲が悪い、と思った事はないけどな。
[返す言葉はどこまでもさらり。
それでも、掛け合いを楽しんでいるのは表情から伺える]
まあ、強いというか、なんというか。
弱くはないですが。
稼業は、雑文書きを少し。
[のんびりとした態度は変わる事はなく、返すのはぼかした答え。
突っ込んで聞かれなければ、答えないのもいつもの事。
もっとも、相手によっては、名を聞かれただけですぐにわかりもするのだが]
……と、いうか。
大分、忙しげだな。
[立ち回る女主人を見送りつつ、呑気な口調でこんな事を*呟いていたり*]
[そうして、繁華街を足早に抜け、帰路についていたのだが、丘の斜面に石段と鳥居がある場所でふと足を止める。]
(……神社、か。そういえば、神楽とも久しく会ってないな。
相変わらず、サボってお茶飲んでるんだろうが……まあ、今度茶菓子でも持って遊びにいってやるか。)
[石段の先を見上げながら、ぼんやりと物思いに耽っていた。]
ホンットつれないなーあやみんは。
[大袈裟に溜息を吐いてみせた]
あー。
そーいや前は他に従業員いた筈だけどな。
休みかね。
ん、美味え。
[礼斗に返事をしたり食べたりしながらも、自然と目はテレビのほうへ*向いていた*]
─ →神社前─
[白銀の髪を持つ人物を追いかけ。
中央広場を少し抜けたところで、オレは足を止めた。
神社に繋がる石段の前で、例の人物は立ち止っている。
繁華街ではネオンの光を反射していた白銀の髪は、ここでは月明かりで淡く光っているように見えた]
……ひと、なのか?
[今まで見えぬものが見えたことがあるわけではないが、その人物が持つ印象は人間離れしているように思えて。
ぽつりと、小さく声が零れた]
8人目、少女 千恵 がやってきました。
ん?
[ぼんやりしているとふと聞こえた声にそちらに目を向ける。
その先には年の頃15,6くらいの人影。]
………………何か?
[そう問いかける目はスッと細められていた。]
え、あ。
[急に振り向かれて、うろたえた声を出してしまった。
言い繕おうとして言葉を探す]
え、と。
用って程のことじゃ、ないんだけど。
……髪、珍しいな、と思って、つい。
[細められた眼はサングラスで良く見えなかったが、雰囲気で睨まれていると感じ、オレは軽く身を竦ませる。
ハンチング帽のつばの影から、相手を窺うように翠の瞳を覗かせた]
[じぃっと細めた目で伽矢を見ていたが、「珍しい」の一言にピクッと反応すると]
珍しい、ね。……言われ慣れた言葉だ。
[そう呟きながらサングラスを外す。出てくるのは細められた紅い目。]
それで……キミは俺を「異常」と見るのかな?
[そう言って、ジッと伽矢の翠の目を*見つめた*。]
9人目、高校生 瑞穂 がやってきました。
[夜になり客の入りもまばらになった店内、本棚を見て回りながら手持ちのノートに書き込んでいく。
売れた本と在庫のチェック、父親は新刊の発刊予定日をチェックしながら次の入荷予定の本を決めていく。]
お父さん、今月もなんとか黒字になりそう。
[カウンターにいる父に話しかけると「そうか」と短い返事が返ってくる。。
なぜか商店街ではなく繁華街にある書店、そのおかげか人通りは多くそれなりに売れている。]
私はそろそろ上がるね。
[一通りのチェックを終えると自分は2階にあがり夕飯を*すませた。*]
─神社石段前─
[様子を窺っていると、相手がサングラスを外した。
見えた紅い瞳に、オレは軽く翠の瞳を見開く。
訊ねられて、勢い良く首を横に振った]
へ、変だとは思わない。
ただ……綺麗な髪だな、と思って。
………妖精かなんかの類なのかな、って、思っ、た。
[見つめられる瞳を隠すように俯く。
声も段々と小さくなって言った。
現実的な考え方じゃ無いな、と*思いながら*]
[勢いよく首を横に振る様に、少しホッとした顔をする。
そして、妖精という単語に一瞬きょとりとするが、すぐに複雑そうな笑いを浮かべると、]
綺麗とか妖精とか……そんないいもんじゃないさ。この身体は。
[そう呟いて、ついと視線を*外した*。]
─繁華街・スナック『桃』─
へぇ、物書きさん……。
手が空いたら読んでみたいわ。
[H.Aに、誘うように僅か口角を上げ、流し目を向ける。
話の途中で奥の客に呼ばれ、内心舌打ちしたけれど……
作り笑顔で奥へ向かう。大切なお客様だから。
解放されてカウンターに戻ると、二人の話に割り込まないよう、
グラスの手入れをする。
もちろん、耳はしっかり*傾けて*]
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