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マイコ、知ってる?
[雷鳴]
雷は「稲妻」って言って、
稲の恋人って昔の人は言ってたんだって。
そういう風に考えたら駄目か。
[小さな頭を撫でる。]
[片づけを終えて、窓越しに雨を見つめる。
さすがに、この雨の中を駆け抜けるのはまずいか、などとふと考えながら]
……雨……か。
[ぽつり、と呟いて。
ポケットに入れたミッドナイトブルーの携帯、そこについた小さな鈴に視線を向ける。
でも、それは一瞬の事で。
視線は再び、*雨の帳と雷光へと向けられて*]
そう。
[顔を上げて目を瞑ったマイコの額を撫であげる。]
だから、えーと
あー……ほら。こう、何て言うんだ
雷が空から地上に嫁入りしてるとか。デートに行くとか。
[こういう話は好きでは無いしフユにとってはロマンチックすぎて気恥ずかしい。]
だから会いに来る、とか ね。
[胴のあたりで、マイコの細い腕に力が篭り、
落ち着いたらしくまた少し緩まるのを感じる。
雨音に紛れるくらいの声でフユは呟く。]
嗚呼
好きな人の事を悪く言われたり……からかわれたり
その人と、他の誰かが喋っていたりしたら
嫌なものかな。
……?
[なにを言っているのかわからずにか。
じぃと彼女を見上げて]
好きなひとがしあわせになれないなら、いや……ですよ、きっと
かみなりも、いや、なのかなぁ……
[だけれどまた完全には離れられず]
…………かもね。
[見上げてくるマイコの額にぺたりと手を載せた。
呟き。]
んー。
まあ、ちょっとモモの好きな奴のことからかったら、
アイツ怒らせちゃって。
あとで謝りに行こうかな……夜にでも。
ほら、
そろそろ部屋戻るよ。
どうせ宿題とか、やりっぱなしで逃げて来たんでしょう
雷よりそっちのほうがよっぽど怖いと思うけど。
[*雨音*。]
モモせんぱいの?
[思いあたるふしはなく、きょとんとして。
だけれど続いたことばに顔色がまた悪くなった。]
ど、どっちもこわいですよ!!
[促され、うなずき進みかけた時。
自分を呼ぶ低い声]
あ、わたる!
[まだついていた手がほどけ、]
ごめんなさいフユせんぱい!先帰っててください!
[宿題は次の機会です!なんて言いかけてゆく。
雷はいつのまにか少し遠くなっているようだった。
義兄の手を取って、共用スペースへ
フユせんぱいが助けてくれたんだよと、*嬉しげに彼女は言った*]
[風邪以前に、フルート死守するより自分の身体を庇えとか、言いたかったのかもしれないが、勿論それは言えず、やっぱりフルート優先で擦り抜けていったフユを黙って見送る。そのまま、自分は、再び空に目を向けて、降りしきる雨をじっと眺めていた]
校門の前に、厳つい車が一台。
その周辺には、学長を始めとする教師たちの姿がある。
「では、留守は頼むぞ! 生徒たちもだいぶ残っておる様子、くれぐれも、事故などなきようにな!」
学長の言葉に、教師たちは頷いた。
空手部の名誉顧問という立場にもある学長は、長期休暇の間でも滅多に学園を離れる事はないのだが。
今夏は、所用で数日学園を離れる事になったらしい。
休みなしの空手部の夏期休暇に、槍の雨でもふるんじゃないか──そんな言葉が飛び交ったらしいが、それは幸いにして、学長の知る所ではなく。
黒塗りの厳つい車に、同じくらい厳つい身体を押し込んだ学長が走り去った後、留守を預かる事となった教師たちも校舎へと戻って行き。
静寂。
それを打ち破るように、リン……と小さな音が響いた。
鈴の音を思わせるそれは、桜の大樹の辺りから響いたもの。
その時、樹の辺りを見た者があったなら。
ふわり、翻る桜色の影を目の当たりにしただろうか──。
やがて振り出す雨に包まれた桜の大樹は、青々とした葉を雨に濡らして静かに佇む。
何事もなかったように、そして、何も変わらぬように。
―午後・皐月の部屋―
[あれから食器の他に鍋その他も洗うのを手伝って。
ちょっといいかしら、と誘われて皐月の部屋に入った]
「ねえ、寂しくなったりしていない?」
[少し考えた後、皐月は正面から切り込んできた。
小さく息を呑んで、けれどヨウコは首を振った]
そんなことありません、ここにも慣れましたし。
[勿論それには渋い表情が返る]
「そんな優等生の答えが聞きたいわけじゃないの。
恵子さんの代わりになんてなれないでしょうけれど、もっと頼ってくれていいのよ?
私はみんなの、もう一人のお母さんなんだから」
[その言葉はジワリと沁みこんだ。
ゆっくり話すことなんて滅多に出来なかった母。
けれどやはり遠く離れて心細くないなんてことはなかったから]
はい、頼りにしてます。
[普段よりも柔らかな笑顔が浮かんだ。
それを見た皐月も満足そうに微笑んだ]
[それからもう暫く話をして。
皐月の部屋を辞すと校舎の方へと向かった。
途中、例の桜の樹へと視線を向け]
え?
[足を止めて目を瞬く。
一瞬、桃色の影が見えたような気がした。
けれどそれは瞬いた刹那で消えうせていて]
…気のせい、よね。
昨日みたいに誰かいるとか。
[結局気になってそちらへ向かう]
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