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(本番前?…あくまでこれは余興だ、ということか)
(こいつを殺せば、あるいは失敗したとしても、世界最大の組織を敵に回すことは避けられないと考えていたが…)
(今なら刃を引けばいい、か)
(…馬鹿な考えだ。敵の言葉を信じられるか)
(そもそも依頼を果たせなければ依頼者側に消される)
悪いが、ショーダウンは今だ。俺とお前のは、な。
ピクニック気分で地獄へ落ちろ。
[言いながら、再び姿勢を低くして疾走、肉薄する]
(次は動けなくしてから、首を落とす。必要なら何度でも)
―一階広間・端末前―
『―――よっと、大体データ回収したよん。
まぁ大した事あるような無いような微妙な所だけど。』
…なんだそれ。
『んーまぁつまり、ここの施設やら状況?についてはだーっと十分すぎるくらい入ってたから大したモン。
大したことナいってのは…まー組織そのものについての情報?あわよくばお土産に持って帰ろっかナ、って思ってたんだけどやっぱりそういう大層なモンは無いねー。』
別に不要だろうが…下手に余計な事する必要は無いからな。
『まーまー情報って、多すぎても困るモンじゃないよ?処理する能力さえあればネ。』
[へろんと笑うように飾り紐が揺れて、するりと端末からその先を外そうとして、再び動きは止まった。]
─中央ビル一階・モニタールーム─
そうですわね……あまり表立って行動することも少ないでしょうし。
接することが少ないとなれば、尚更。
[どこか含むような物言い。記録映像について訊ねられれば]
そちらのモニターから呼び出せるはずですわ。
こちらはリアルタイムの映像のみですの。
[目の前にしているモニターとは別の、部屋の後ろ側に備え付けられた一つのモニターを示す]
…今度は何だ?
『んー流れてる映像データに面白いモノが入ってたから見てたトコー。後で旦那にも臨場感たっぷりに聞き語りしたげるよん。もちょっと待ってて。』
お前また………ちっ、長くは待たないからな。
[剣と主。使い使われる関係ではあるが、呪い呪われた関係でもあり、完全な主従ではない。
グリズがデータに噛り付いた時は、本人が納得するまで梃子でも動かないの嫌という程知った事だった。
軽く舌打ちしながら、結局待っている間する事のない事にまた苛立ちを覚え始め。気を逸らすために窓から外の景色を見た。]
――中央エリア・ビル街――
(あれが……『総帥』の、武器)
[ふわり、と浮かぶようにして主の手に収まったその武器を、少し離れた所から凝視する。
向こうがこちらに気付いているかは定かではなかったが、少なくとも今は『青の死神』の方へ意識を向けているように見える]
……まだ、行くだか? 『死神』さ。
[小声で独り言つときゅっと鉄槌の柄を握り、尚も『総帥』へと向かっていく『青の死神』に視線を注いだ。
彼の『力』と思惑の一端を見定めるように]
おやおや、まったく。
……これが、若さ、というものか?
[再び接近する様子に、零れるのは嘆息]
だが……。
[詰まる距離。しかし、有効距離に達するより先に黒衣が翻り、その身は宙へと舞う]
私が望むのは、『先』を欲する者たちの数多の『交差』。
それを生み出す者を、始まりの前に消すのは本意ではないのでね。
[足場のない中空に浮いたまま、楽しげに言い放つ。
手にした剣はどこか不満げな音を響かせているが、それは取り合わず]
……私を消したくば、己が魂を賭ける覚悟で来るがいい。
もっとも、それで成せるとは、言い難いがね。
[それまでと一転、静かな声で言った後、周囲を見回す。
その場にいる者、一人一人を見回すように、深紫をめぐらせた後、再び青の死神を見やって]
……君が最後の刻まで崩れぬのであれば。
今一度、対する事もあろう。
……そのために、良き『交差』が織り成される事を、期待する。
[一方的に言い放つのと、黒衣が翻るのはどちらが先か。
文字通りの瞬きする間に、その姿は*消えうせた*]
─中央ビル一階・モニタールーム─
確かにお友達なれれば接することも多くなりますかね。
[含む言動に対しては触れず、言う言葉は口元に指を当て考えるようにしながら。
質問に返された返答には顔をうれしそうに輝かせて]
ありがとうございます。
それでは……、
[後ろのモニターを見る前に、オクタヴィアと共に見ているモニターには、総帥に飛び掛るアーベルの姿が映っていた]
おや、再戦ですかね?
えぇ。
一応、止んだみたいやね。
[椅子から降り、歩き出す足は食堂の外へ]
余程自信があるんか、ただの向こう見ずか――
どっちでもうちには関係あらへんけど。
[のそりと虎が後を追う]
まぁ、ちぃと散歩でもしましょか。
─中央エリア・屋外─
……おーやまあ。
[再び『総帥』に挑みかかる『青の死神』の様子に、鴉は一つ、息を吐く]
……『先』を欲する者たちの、数多の『交差』……ね。
とにかく、やり合えって事ですかい。
[言い放たれる言葉に思わず零すのは、ぼやくような呟き]
……っと。
[まるでそれに答えるかのように一瞬だけ向けられる深紫。
常磐緑は一瞬だけ鋭さを帯びてそれを見返すが、果たして向こうは気づいたか。
確かめる暇もなく、その姿は消えてゆく]
─中央ビル一階・モニタールーム─
[お友達、との言葉には何も返さず、クスリと僅かに嘲りを含んだ笑いが掠める]
…再戦は、持ち越しでしょうね。
[言うと同時『総帥』の姿がモニターから掻き消えた。アーベルの相手をしたのも気紛れと考えるが故]
それではわたくしは失礼致しますわね。
用事も終えましたので。
[扉へと足を向けながらエルザへと言葉を向ける。シャラリと、アンクレットが音を奏でた]
[宙に浮かぶ標的を隙あらば襲撃せんと睨んでいたが、その姿は忽然と掻き消えてしまった]
[再び立ち会いたければ、勝ち残れと言い残して]
…くそ!
[標的が消えた後もたっぷり数秒、何も無いその中空を睨みすえてから、一言、悪態を漏らした]
―中央エリアビル街―
[ビルの間から戦場を覗く。
着いた時には戦闘は殆ど終わっていた。
深紫はこちらにも向けられ、薄く微笑んだ。
総帥の姿が消えると小さく息を吐く。
深紫が向いていた他の方向にも意識を配りながら、何よりも相対していた青年がどう動くのかに注意していた]
─中央ビル一階・モニタールーム─
[モニタには、アーベルが飛び掛った後、総帥がその姿を消す様子が映し出され、残念そうに見ていた。
オクタヴィアに感じた僅かな嘲りはそのことを意味してだろう]
オクタヴィアさんは総帥に近しいようで。
[笑いかけてから]
次に会えそうなのは勝ち進んだ時くらいですか、厳しいですね。
[参加者のデータのことを思い出しながら呟く。実際に会った様子からも皆相当の実力があることがわかった。
背後のモニタの方の操作を始めて目当ての映像記録を探し始めながら、立ち去るオクタヴィアに返答を]
はい、私はここで少し見ていきますね。
また後で機会がありましたらお会いしましょう
あ……
[黒衣の男が中空へ浮かび、そして何処かへと消え去るその刹那。
彼の瞳が、確かにこちらを向いた、気がした]
……っ
[思わず一歩退いて姿勢を正していた。
錯覚のような視線の交錯でさえ、そうさせるだけの力がある。
惹き込まれそうで、けれど底冷えするような恐ろしさを孕むその瞳]
……戦いを勝ち抜けば、あそこに辿り着ける?
[口に出し、そしてはっと我に帰ったように首を振った。
辿り着いて何をするというのだろう。
自分の目的は、『Schwarzes・Meteor』とも『総帥』とも関係のない場所にあるはずだ]
あー、もう……帰って休むだよ。
[結局『青の死神』の能力も再びは見られぬまま、踵を返した]
─中央エリア・ビル屋上─
……さて、と。
[『総帥』が立ち去った後の場を見下ろしつつ、軽く、腕を組む。
自分を引き寄せたものは、既に終わった状態。
ならば、ここに用はないのだが]
……他の皆さん、どーなさりますかね。
[その場に集まっている他の気配を辿りつつ、ぽつり、と呟く。
広げたままの片翼が、ばさ、と音を立てた]
(…失敗した)
[胸中に浮かぶのはこんな一言]
[一度は倒した、というような充足感は皆無だ]
[技も武器もスタイルも隠し玉も。全て晒して戦い、『仕留め損なった』]
[二度目に飛び掛ったのも、腕に自信があったからではなく、それ以外の選択肢が無かっただけだ]
[ふ、と周囲に注意を向ける]
[気づいただけでも直接観戦していた者が数人、カメラを介してみていた者の数は、想像もしたくない]
[と、直接観戦していた者の1人が目に入る]
…………ここでご退場ですか、と。
もう少し見せてくれても良かったと思うけど、ね。(くすくす
さて、わたしも楽しませていただきましょうかぁ。
[そう呟くと、肌を這う舌はつつつと首筋へと滑り、其処を念入りに舐めていたが、]
……いっただっきまぁす♪
[あーんと開いた口の中で、鋭く尖った犬歯が濡れていた。]
―一階広間―
………参加者…か?
[窓の外、丁度見てとれたのは消えてゆく姿だった。もう一人、気配はするがこの位置からは見えない。
ちりと、張った糸が弾かれるような緊張と緩みの後、それらはゆっくりと大気に紛れるように消えてゆく。]
もう殺り合ってたのか…?
…なんだそれ。始まったなら始まったって告知しとけっての…!
『まぁまぁ今のは前座試合みたいなモンだからサ?
嫌だって言ってもすぐ始まっから、もうちょい我慢してればイイさー。』
[主の憤りが何処にあるのか、承知している剣はやんわりのほほんと宥めた。]
― →一階・広間―
[数刻後、辿り着いたのは広間の前。
話し声とにおいから、そこに先客がいるのは分かっていたが、躊躇無く中を覗き]
あら、こんにちはぁ。
[緊張の感じられない声を届かせる]
─中央ビル一階・モニタールーム─
[エルザに向けたのは微笑みのみ。『総帥』に近しいと言う言葉には何も返さなかった。そのままモニタールームを出て行く]
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