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…影?
飛んでくる闇というのも、珍しいな。
[すと。
イレーネから逃れるように塔から降りると、塔に手を当てて]
構成せよ。光る煉瓦!
[塔自身が淡い光を放つようにすると視線をゼルギウスへと向けると]
それはどうも…って!
[竜の咆哮とともに繰り出される吹雪に身を捩って逃げ]
危なっ。
構成せよ!聳える塔!
[今度は自身の目の前に塔を聳えさせる]
気分よ。
偶にはそういうのも良いじゃない。
……そう思うのは、私だけ?
[くすり、笑えば手を引かれて駆け出す。]
まるでカップルが逃げているみたい。
[駆けながら、どこか場違いにそんなことを呟く。
手が離れないように、五指を絡めるようにして強くアルトの手を握り締め歪みに入る準備を整えた。]
[何度か聞いてはみましたが、教えてくれる気配はありません。押しが強い方ではないのもあるのでしょうが。]
ひとと話す時は目を見てくださいね…。
[半分諦めたように呟いて頭を上げると視界に狼が見えました。]
あら…? 狼さんも鬼探しですか?
あ……。
[くらりと貧血によって視界がぐらついた。そのまま床の上に崩れてしまった]
う〜……。ちょっと血を使いすぎた。
[そう呟いた彼女の周辺には、百枚以上の新しい符が落ちていた]
とりあえず、少し休憩しないと厳しいかな……。
[そう考えて、襲われても仕方ない天球儀ではなくて、中立地帯である食堂へ移動しようと思い立った]
ま、そこらへんの有象無象にはこんな状態でも負けないか。
…… …相変わらず… かぁ…?
[狼の上で優しく揺れながらのんびりとぼやく中。主を乗せた狼は、人気が増えつつも殺気もないのを感じ取り悠然と歩いて]
「ブリジット殿。先ほどはどうも鬼は…先ほど食堂にいたようですな」
[礼儀正しくなんて律儀に狼はブリジットに答えつつ]
…よぅ… …林檎くれ…
「主っ」
[いきなり果物を要求したり、狼は申し訳なく何度もぺこぺこ頭を下げる]
[ウェンデルに向かった闇は壁に弾け。光と共に消えてゆく]
一番効果ありそうだもの?
[ゼルギウスに答えたまでは余裕。
直後の吹雪は異界の力もあるので]
――風乙女…。
きゃっ!
[耐え切れると思ったがシッカリとダメージを食らった。
凍てつく風雪に何箇所か肌が裂ける]
お返しするわ!
――世界巡る風よ、集いて嵐とならん!
[自分を中心として風が鋭さを持つ。
カマイタチをいくつも含んだ風が廊下一杯膨らむように広がる]
そんなもんなのか?
気心知れた奴らはみーんな対等だと思ってるよ。
仲良い連中の中で上下つけてもなぁ、って思うし。
[答えながらその足は空間の歪みへと向かう。握り返してくるゲルダの手の力が強くなるのを感じながら追手を振り切るようにして歪みの中へと飛び込んだ]
って、カップルに見えるのか、これ。
[言ってから、見えるかも、と思ったとか]
お祭りの中の気分転換の一種。
ごっこ遊びよ。
そう、深く考えなくて大丈夫。
見える人には――見えると思うけれど。
[歪みの中へ飛び込んだ事を認識すれば目を閉じた。
何処へ行くのか、離れ離れになるかどうかは運次第か。]
食堂に? すれ違ってしまったかしら。
やっぱり運がないですね…。
[思わず苦笑して]
今日は起きてらっしゃるんですね。
林檎を出すくらい簡単ですから、お気になさらずに。
[頭を下げる狼に笑いかけながら林檎を手の中に生み出して見せます。
手渡そうと足を踏み出した途端、膝がくだけよろけそうになり]
…あ、あれ?
[食堂を目指して歩いているものの……歪みの先にあったのは]
南館ですか……。
[これはもしかして一番最後に食堂か、もしくは到着できないんじゃなかろうか? と不穏な事を思いつつ、再び歪みに入って行った]
→{4}
……随分と、ガードが固い、な。
[聳える塔を見つつ、小さく呟く。
ならば、と思う、その矢先、襲い来るのは鋭い風の刃]
……ちっ!
異界に満ちし妖なる力、我が友を介し、我が力となれ!
そは映し、世は虚ろ、我は我にして我に非ず! 影鏡!
[とっさに紡いだのは、空間の位置を文字通りずらし、攻撃を避ける回避の術。
とはいえ、呪が完成するよりも先に風は到達し、左の上腕に深い傷を一筋刻む]
……やってくれる……こうでないと、な。
[それでも、口元の笑みは消えず。
新たに魔力を集中させつつ、未だ中空に留まる龍へ、真紅を向ける]
界と我を結びし我が盟友、我が意にそいて、翔べ!
異界龍・戦!
[鋭い声が響き、異界龍が降下する。
狙うのは、塔の向こうのウェンデル自身]
「そのようなことは…それにあそこは中立地帯。そしてここは次元が歪んだ空間。いずれ出会えることでしょう…ブリジット殿?」
[なんてもう一度頭を下げながら慰めの言葉をかけつつ。
林檎を出してからふらつくブリジットを狼は頭で受け止める
ついでにマテウスは林檎を受け止めたりする」
「大丈夫か?ブリジット殿…っと、主は林檎食べないっ」
[心配する狼を余所にしゃきしゃき。マテウスは林檎を食べていた]
[歪みを使い跳躍した先は見慣れた西館の廊下。
アルトの姿は無く、握り締めていた手、温もり残滓だけが残っていた。
ふ、と溜息を漏らし前髪をかきあげる。]
[何か一瞬追いかけて来る参加者の後姿が見えた気がするがキニシナイ]
[次に歪みを抜けた先はもう何度か立ち寄った第二別館]
─食堂外→第二別館─
[もふっ]
[何か柔らかい白い毛のようなものの中に埋まったよ?]
……どこだここ。
しかもゲルダ居ねぇし。
[白い毛に埋まったまま、先程までゲルダの手を握っていた手をわきわき動かした]
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