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……?
[声が聞こえてきた。
少しだけ虚ろな目をそちらに向け、悲しそうに笑った]
やあ。ひふみん……やっほ。
[声もいつものような調子は出ない。
日頃、色々なモノを見ていたとはいえ、そのものずばり死体を見ることなんて現代ではまずありえないから。
それに加え、このスプラッタな死体はさすがに心にきた。
それでも、なんとか現実逃避はしない程度に、精神は持ちこたえているはずだ]
あやのっちがね……死んじゃったの。
無残な顔していたからさ。その目を閉じてあげたかったの。
お疲れ様って、言いたかったの。
今まで、一人で頑張ってきたんだろうね。一緒にお茶でも飲みたかったねって。痛かっただろうね。苦しかっただろうね。ちゃんと楽になれたのかな。今はもう大丈夫なのかな。ああ。ごめん。何を言っているのか自分でもよくわかんなくなってきちゃった。
― 少し前 住宅街・路地 ―
それもありえる。
……何もかも、おかしい。 狂ってる。
[黒江さんのおまじないはよく効いたようで、
千恵ちゃんを追いかけていた男の声は遠くで響いている。
移動しようかとの問いかけに口を開いた瞬間]
あぁっ!
[突然姪が走り出す]
伽矢? いるの?
[声は聴こえないけれど、千恵ちゃんがあの子の名を呼び走り出した。
慌てて黒江さんと二人で追いかけると、膝をついた伽矢が姪を抱きしめていた]
伽矢。 それに……良かった。
[駆け寄ろうとしたけれど、伽矢の前には私だけが通れない壁があった。
黒江さんが何か呟いている。きっと、おまじない]
千恵ちゃん。 もう一人で走り出しちゃ駄目。
お願いよ。
[姪は私を煩く思っただろうか。
けれど、言わなくては。普通の状況じゃないのだから。
顔を上げた伽矢が目を潤ませ、ほっとしたような顔をする。
この子のこんな表情、いつぶりに見ただろう。
人前で強がる姿は、若い頃の旦那とそっくりだった]
[皆が名乗りあうのを眺めていると、後から来た雪のような男性に目が留まる]
アルビノ……?
[店の客が熱帯魚を扱う人で、そんな話を聞いたことがあった。
生まれつき体内の色素が欠乏している、とか。
千恵ちゃんが彼をうささんと呼ぶのが言い得ていて、
私はつい感心してしまった]
……やっほ、じゃねぇだろ。
[凄惨な骸。
日常生活では死体慣れなど当然してはいないから、長時間の直視には耐え難いのは確かだが。
過去の記憶と、超常体験は、最低限の冷静さを保たせた]
……確かに、疲れてたかもな。
[張り詰めていた様子を思い出し、は、とため息一つ]
けれど、死んでそれで救われるかどうかなんて……当人にしか、わかんねぇだろ。
それに……この、死に方だと。
あんまり、安らかだったとは、思えんよ、俺。
…………喰われた。んだろ。『憑魔』に。
[最後の言葉は、やや躊躇いがちに、声へと乗せた]
[伽矢の申し出に手を離して千恵を促す。
千恵を伽矢がおぶる様子を少し眺めた後、その後ろからついていく。]
はぁ…
[思わずその二人を羨ましいと思う自分にため息が出た。
前を歩く二人には気づかれないだろう。
しばらく行くと桜が見える千恵の呟き、そっと後ろからやさしく頭を撫でた]
うん、さくらだね。
─住宅街→中央広場─
[抱き上げた小さな身体。
小さな手が蓬色のマフラーを握る。
背中を軽く叩く仕草を続けながら、オレは周りと一緒に歩き続けた]
[各所から移動すると通らざるを得ない中央広場。
桜が眼に入ったのか、従妹の呟きが聞こえた]
────………。
[つられるようにしてオレは桜を見遣る。
異変の象徴でありながら、静かに座すだけのそれにオレは軽く睨みを向けた。
全ては桜の開花から始まったのだと、そう思うが為に]
[オレは桜に近付きたくなくて、広場の隅を歩いて移動する。
少し前、その桜の樹の下で惨劇が起きていたことなんて気付かないままに]
─ →繁華街─
うん。分かってる。
安らかじゃないってのは、分かってる。
それでも、全てが終わった後は、お疲れ様って、送ってあげたいの。
悲しみに沈み、地に縛られないように美しい華を咲かせてあげたいんだよ。
[じっち綾野の顔を見つめながら、そう告げた]
……うん。憑魔に食べられたんだろうなって思った。
そういう感じに「視えた」から。
ねえ。ひふみん。
あやのっちの体、消してあげてもいいかな。
みんなにこの姿あまり見られたくないと思うから。あやのっちだって女の子だもん。恥ずかしい姿、あまり見られたくないよね。
[問うその姿は、相変わらず綾野に向けたままで]
百華よ。伽矢の母。で、この子の伯母。
[と、雪の男を見ながら千恵ちゃんを指す。
瑞穂ちゃんが家へと誘ってくれた。
私は家へ戻れないから、ありがたく申し出を受ける事にした]
本当に、そっくり。
[傍の者には聴こえているかもしれない。
伽矢が千恵ちゃんを抱えて動くのが、やはり旦那そっくりで……
私はぺろりと唇を舐めた]
桜、気味悪いくらい綺麗ね。
……文字通り、最期の一花、ってわけか。
[小さく呟き、視線を上へと。
舞い散る花弁は、薄紅の雪さながらに舞い落ちる]
……消す、って。
[それから、向けられた言葉に再び神楽へと視線を戻す。
さほど多くが知るはずもない、『憑魔』という言葉をあっさりと受け入れた事と、今の言葉。
そこから、導きだされる結論は端的]
お前……お前、も。
『力あるもの』?
[無意識、紡いだ言葉の意味は。
神楽には、どのように伝わるか]
そっくり?伽矢くんのお父さんにですか?
[百華の声にそう疑問の声をあげる。
自分の記憶にある伽矢のお父さんの姿を思い浮かべながら。
視線は伽矢達の方に向いていたので唇を舐める様子には気づかない]
綺麗か…、
私は少し怖いです。あの桜がすべての原因なのだとしたらそれは私たちを魅了してとりこにしようとしてるんじゃないかって。
―公園前→繁華街―
[瑞穂のため息には気づかないまんま。
さくらだねと、告げる声と撫でてもらう手にちょっとだけ目を細める。
それでもじーっと桜を見る。おうかの姿は今は見えない。
伽矢が睨んでいるのは、顔の位置が悪くて見えなかった。
気味が悪い、そう言う百華の声も聞こえて。]
……おうかが、おうちに帰れなくしたのかな?
[呟く声は小さくて、周囲には聞こえただろうが、きっと桜には届かない。
うさぎはそしらぬ顔のまま。]
おうかにお願いしたら、おうちに返してもらえるかなぁ…。
[そんな事を考えていたら、ようやく繁華街までついた。]
……察しがいいのね。
あの子は姿形はともかく、心は旦那にそっくりよ。
知りたい? あの子の……あの子の、父の事。
[少し笑って、隣の娘を見る。
若い。美しい。綺麗。
そう、この娘はあの桜より綺麗。
私よりも、余程。
唇をぎりと噛む]
私達を、とりこに?
……確かに、吸い寄せられるよう。
[私は桜に吸い込まれていった童女を思い出し、
彼女が現れてから起こった異変を思い出し。
慌てて首を振り、頭の中を満たす考えを追い払った]
―回想・移動する前―
[百華と雪夜が提案を受け入れるのに頷いて、黒江はどうだったか]
それじゃあ行きましょう。
[千恵の本に気づき問いかけ、千恵が答えるのに補足するように。]
私の家、本屋なんです。
氷雨さんも本は好きなんですか?
ひふみんの言う『力あるもの』が『司』を指すんなら、そうだよ。
私は霊能者。
はは……あんまり、今までと変わらないけどね。
やれることだって、変わらない。
いつもと同じことだけだよ。
[そんなことを言いながら、ゆっくりとした動作で立ち上がり、懐から扇子を取り出して、綾野にかざすように突き出して、ぱっと開く。
その開いた扇子の上に、桜の花弁が一つ舞い降りた]
黄泉桜。私の代わりに泣いて。
嘆いて、逃げ出すことも許されない私の為にも。
[ひらり舞い踊る。
それは今までと同じようで、更に神秘的な舞だった。
遥か黄泉国まで辿り着けるように、御霊が迷わぬように、神楽が舞う。
その神楽の周りを、桜の花弁が散り、まるでこの世の光景ではないほど美しく見えたことだろう]
おうか?
[少し前を行く伽矢の腕から聴こえた声]
おうか……桜花?
[けれど、こんな小さな子供が何を知っているというの?
私の目は少し彷徨い、傍に居る雪の男――雪夜君の髪に留まった]
貴方の髪も、綺麗。
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