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─ 街中 ─
[親子を送り出した後、殺気立つ群集相手に銃撃戦──なんて事はせず。
牽制数発撃ち込んだ後、裏通りの仕事でトラブった時に使う煙幕弾を使ってその場を離脱して。
落ち着けそうな物陰に飛び込むまでの間に、シリンダーは空になっていた]
予備弾もらっといてせーかいだったなぁ。
[なんて妙にしみじみと呟きつつ、空薬莢を弾丸に入れ替え、シリンダーを銃身に戻す]
……ってぇと。
……だいぶ、静かになった、な。
[ここに飛び込んでしばらくは響いていた銃声も、今は聞こえない。
とはいえ、沈静化したとは思えない──と。
思った矢先、聞こえたのは淡々とした放送。>>#1]
…………マジで?
それっきゃ残んなかった……っての?
[知る名前、知らぬ名前取り混ぜてはいるが、余りにも少なすぎる、と。
浮かんだのは、そんな思考]
っかし、メイン破壊された、ってどーゆーことよ。
そんな簡単に潰せるセキリュティでもねぇだろうに……。
[ぼやいてみた所で、状況は変わらないのだろう、多分。
と、なれば、やるべきは決まっている──と。
すんなり理解できるのは、古巣での経験の賜物か]
……とにかく……行くっきゃ、ねぇ、か。
[ここでぼーっとしていても仕方ない、と。
立ち上がり、歩き出す。
目に入る光景は、以前に見たものと良く似ていて、それが、僅かに気を滅入らせた]
……あんときゃ、エライさんが意図的に起こさせたわけだが。
今回はホントに……なんだって、なあ。
[問うた所で答えなどは見えず、倒れる死者は突っ込みも入れない。
嫌な静けさを振り払うべく、ポケットから煙草を出して火を点けて。
血の匂いのする大気に紫煙の香を溶かしつつ、指定された場所へ向けて歩き出した]
[>>111小さな声が聞こえると、振り返って首を振った。]
気にしないでいーよ。
そうだ、手かして?
[危なっかしい足取りを心配して。彼女が手を差し出してくれたなら、そのまま繋いで歩いてゆく。
さっきまで騒がしかった街は、今は静かで一層不気味だった。
雑貨屋にたどり着く少し前に>>#1放送が流れて足が止まった。]
え…… えっ?
[無機質無感情な放送が淡々と読み上げた名前と事柄に、何の冗談かと一瞬思った。
自分の名前と、手を握ってるカレンの名前、フラン以外は全員知らない名だった。
エリカは単に名前を知らないだけなのだが。]
打ち合い?
何すんだ打ち合いって…?
[文字通りの事が行われるという予想はつかずに、自然手が強張りかけたが。]
ふーちゃんは無事らしいけど……
[名前が読み上げられただけで、真実無事かは分からない。
顔を見ないことには安心できず、読み上げられた名前に、彼女の祖父の名前が無い事に気づけば、軽く唇を噛んだが足は止めなかった。]
ごめんカレンちゃん、ちょっと急ぐね。
[カレンに断り一ついれてから、雑貨屋へと急いだ。]
― 雑貨屋 ―
[雑貨屋に辿りついていたのは、エリカが先だっただろうか。
フランがまだシャッターの前にいるようなら、後ろからカレンを連れたまま声をかけた。]
…ふーちゃん大丈夫?
[声がこわごわとした物だったのは、彼女の元気が無いからか、あるいは先ほどの放送に彼女の祖父の名が無かったのを気遣ってからのどちらか、あるいはどちらものせいだった。]
─ 雑貨屋・店外 ─
…ちょっと、待っ、て。
生存者、って…え、なに、どう…
[理解できない。
理解したくない。
読み上げられた名の後に続けられた内容も、信じたくなどないもので。
放送が止まり、静寂に包まれた中で身動きを取れずにいた。]
―街中―
[ケイジの後についていきながら目指す方向はよくわからない。
地理にも明るくないので黙ってそのいく方向についていく]
えうっ……ふぇ……
[大泣きすることはなかったが、しゃっくりをあげながら目元を擦っていた]
─ 雑貨屋・店外 ─
ケイジ、さん。
怪我、した、の?
[そう問いかけて、彼の後ろに赤に染まった小さな女の子がいるのにも気付いて。
何も映していなかったような瞳に、感情が戻った。]
…二人とも、すごい、血…
って…大丈夫ですか!?
そんな血、いっぱい、怪我…痛いところは!?
すぐに、手当を、
[青と赤、違う色ではあれ二人を染めているのはまぎれもなく血の色で。
悲痛に眉を顰めて二人に問いかけた。]
―雑貨屋―
[手を引かれて雑貨屋にたどり着くと知らないお姉さんがいた。
悲しそうな様子とか、ケイジが心配する様子をつないだ手から感じて、よくないことがあったのだと思う]
おじゃま……します……
[自分も悲しかったりしたけど、挨拶はちゃんと忘れなかった。
さっきの放送の中に、やっぱりは知った名前が二つあったけども、両親の名前はやっぱりなかった]
あ……
[いわれてようやく自分がひどい状況名ことにも、そして自分を連れてきたケイジの青いそれが血であることにも気づき]
私は……大丈夫……胸のところちょっと痛いけど……
[子供なので別に恥じらいとかもなく服を捲ると、胸のところにちょっとした傷跡ができていた。
血は止まっておりたいしたケガではなく、ほとんどが返り血であることがわかるだろうか]
― パトラッシュの家→雑貨屋 ―
そか。じゃあ後で、議事堂でね。
パトラッシュ。
[パトラッシュと別れて静かになった街へと出る]
生き残ったんは、6人。
そんだけか。
[同僚や、珈琲店の女の子や、何人かの顔が過ぎっては消える。
楽しくはなかったけれど、それだけだった]
……薄情だね、私は。
[まだ一人、カレンという名前は知らないものだったから。
警戒は解かないまま雑貨屋へと向かい、小走りに移動していく]
─ 雑貨屋前 ─
[お邪魔しますという声に、女の子の方を見て。
座り込んだままだったから目線は合わせる必要もなく、ぎこちなく微笑んだ。]
ごめん、ね。
お店の中、入れてあげられないの。
[ケイジが施した細工はまだ健在で、閉められたままに見えるシャッターを指さす。
荒れた状態の店内に小さな子を入れるのは危ないとも思ったし、それに中で一人倒れているのを知られたくもなかった。]
─ 雑貨屋前 ─
ケイジさん、怪我はどこを…
[カレンを染める赤は、他者のものだと解ったけれど。
ケイジを染める青は、ケイジ以外のものとは思えない。
頑丈だと言ってはいたし、治癒力が高いらしいのは先だってのことで察せはしたけれど。]
ごめんなさい、私が行けば良かったのに…
[自分が祖父を探しに行けば良かった。
探しにいくべきだったのに、怖かったからケイジに押し付けて。
ケイジが血に染まっているのは、自分のせいだと思った。]
─ 雑貨屋・店外 ─
うん……大学の奴らの名前もなかったよ。
でも、呼ばれなかっただけって可能性もあるから…さ。
[>>124壊れてしまったように細く呟くフランに眉を寄せる。
それが薄い可能性なのは理解しているが、言わずにはいれなかった。
他に慰めの言葉が見つからないのだ。]
……俺も、 、してきた。
そうしなきゃこっちが殺されてたし…。
[殺したとはどうしても言い難くて、喉に骨でもつまったような声でぽつりと零した。]
仕方がなかった……って言っても許されるかな。
わかんないけど。
[うっかりおかしくなりそうな意識を、頭を振って呼び戻した。]
─ 自宅 ─
[うろうろと実験室を彷徨う最中、犬の足に床に置いた袋が引っかかる。
躓いて転ぶなんてことは無かったが、代わりに袋の中身が床へと散らばった]
…… わぅ?
[床に散らばったのはペンのようなものが数本。
良く見れば円筒の部分にボタンが一つついている。
更に袋を漁ると、取扱説明書と書かれたチップが出て来た]
わふん ……
[不思議そうにそれらを眺め、チップを器用に銜えると、壁に埋め込まれた端末に挿入してみる。
右前足を変形させて端末を操作すると、先程床に転がったペン型のものの説明が表記された。
どうやらこれは使い捨ての小型レーザー銃らしい。
飼い主が出した「操作が簡単で軽くて威力のあるもの」と言う要望に一番該当するものがこれだったのだろうか。
少なくとも操作が簡単で軽い、と言う点はクリアしていた]
くぅん
[取扱説明書に眼を通し、犬は使い方を把握する。
この簡便さならば、犬も扱うことが出来るだろう。
人間並みの知能が意外なところで活かされた]
わふん
[端末の操作を終えて、犬の視線は床に転がる小型レーザー銃へと移る。
両足の付け根のボタンを押して収納スペースを開くと、そこに3本ずつ、計6本の小型レーザー銃を収納した。
数に限りがあるために無駄遣いは出来ないが、残り人数も然程では無いため、足りなくなると言うことは恐らく無いだろう]
……わぅ
[決意するように鳴くと、犬は四肢で床を蹴り、家の外へと飛び出した。
向かう先は、指定にあった中央部にある議事堂]
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