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期待って。
ただ、上から見て誰かいるな、って思った程度ですから。
[冗談めかした言葉には、こちらも冗談めかした口調で返し。
それから、投げられた問いに、微かに翠を陰らせて]
……ああ。
あの後……部屋に戻る前に、立ち寄って見た……からね。
複数の魂が奪われるのは、過去にもなかった訳ではないようだけれど。
……正直、驚いた……。
[あと数冊、まだ読み終わっていないものも残っているけれど
既に読み終えた書物だけでも、早々に戻すべきだろう。
…何より、丸一日部屋に閉じこもっていた事も相まって
気分転換もしたいと言う気持ちの方が大きいのだけれど。]
[邪魔にならないように、サイドテーブルの脇に寄せられた
三冊の書籍をを掻き集め持ち抱え]
音色…ぐらいだよな。やっぱ目的っていったら。
にしてもそこまでして聞きたいものなのかね。
燃費悪すぎ。まだネジ巻いてなるほうが可愛げがある。
[自分なりに考えながら、軽食に手をつけつつぼやく。]
音に興味があるやつって誰かね……
もしくはオルゴールそのもの…っていっても外観だけのものにそんな興味あるとは思えないんだよな。
雰囲気やら魂食うやら音色までは無理だけどそれ以外なら作ろうと思えば作れるだろうし…となるとやっぱ音色だよなー……そんなすげぇのかな
[そっと近づいていき…花達の影に隠れるように身をかがめ]
…オトフリートさんと…エーリッヒさん…?
[こんな所で何をして居るんだろう。
少女は自分のことを棚に上げ、そんな事を考えていると]
フラウ…キアストライト…?
[聞き慣れない名前に一つ瞬きをするが、エーリッヒの言葉に、出そうになった声を無理矢理抑える]
誰か…魂、取られたの…?
[だから慌ただしかったんだ…でも、誰の…?
少女は耳を傾けている]
[翳る瞳をじっと覗き込むように、緑の眼差しを向ける。
返って来た言葉には、口許に手を当て、僅か首を傾けた]
そうですか。
なかった訳ではない……と。
それにしても、今回のケースでは些か違和感がありますが。
[最初は一人、一日置いてから二人。目的が読めない、と呟く。
近づく少女の気配には気づいていたか、いないのか]
―1F―
……なんか、今日も今日で騒がしいなー…。
[邸主の件は、既に耳に届いている。だからこそ室内の探査が行われた筈で。
それでも…先日程では無いものの、何処か慌しい邸内に眉を寄せる。
まさか、再び犠牲者が…1人ならず2人までも出たとは思わず。
慌しい中書庫へ向かうのも気が引けて、
書籍を抱えたまま、ふらりと何気なしにホールを覗き]
……ユリアン?
[中に居た人物に気付けば、僅か驚いたように声を掛け]
[覗き込むような眼差しをつと避けるように僅か、目を伏せて]
ああ、何度かあったようだ。
しかし、全てがオルゴールを手にした者の意思だとしたら、目的がよくわからないし。
……そうでないなら……状況は、どんどん悪い方へ向かっているのかも知れない……。
[それから、ため息と共にこんな呟きを。
こちらも、少女に気づいているのかは定かではないものの、肩の妖精は不思議そうな様子で真紅の瞳を背後に向ける]
んあ?
[自分の名を呼ぶ声に考え事をしていたためか間抜けな声を出して顔を振り向き]
アーベルか。こんばんはーっと
ってなんだその本?
[挨拶をしつつ、持っている本に目を向けた]
・・・違う。
ザムエルさんは、同じだけど・・・
[別の部屋の扉を振り返って、それからまた目の前の扉へと向き直る。]
おじいの時より、もっと・・・・
[小さく呟くその声は、後ろを通る者がいたとしても、聞き取れたか如何か。]
そうですね……
ならば、急がなければいけません、か。
[そう呟くと、ふ、と執事の方から視線を逸らした。
中に戻りますと一礼して、踵を返す――
と、丁度、少女の潜む花々の傍を通りかかる事になるか]
…
[この二人の話は難しい。
そう思いつつも話を聞いている]
…犯人の、仕業…なのかな?
[まさか、オルゴールがひとりでに歩くワケ無いだろうし…
そうだとするなら、突然歩いてやってくる死神みたい。小さく呟き]
…ん?
[二人には気付かれていないと思っていたのだが…なんだか、ふわもこローザがこっちを見ているような…
…少女はゆっくりとローザから見えない様に動く]
!?
[ぁ。あれ。なんだかオトフリートさんがこっち来る…?
目を丸くし、どうしようかと迷ったあげく…]
…
[その場にうつ伏せになる。
これで、覗き込まれたり、こちら側を通らない限り、見つかることはないはずである…
少なくとも、少女はそう信じていた]
あ、わりぃ。驚かせた?
[相手の上げる声に、ひらりと片手を返して謝罪を述べつ、
続く問いに、左腕に抱える3冊を見やれば、あぁと声を上げて]
昨日、クリューガーさんに手伝ってもらって
ちょいとね、オルゴールに関する文献を借りたんだ。
せめて逸話に関する知識だけでも詰め込んどかんと、
何か起こったときに、対応できねーかなと思ってさ。
ああ……恐らく、時間はそんなにない。
オルゴールを見つけて……とめ、ないと……。
[掠れたように呟きつつ、また、胸元を押さえて。
邸へと戻る、という言葉に頷いて、その背を見送り]
……どした、ローゼ?
[一点を注視している真白の妖精の様子に気づいて、きょとん、と首を傾げる]
[微かに揺れる、花。
それに少女は気配を隠している訳でもないのだから、
そこにいる事は既に理解していたのだろうが]
フロイライン・エイム?
……お召し物が汚れますよ。
[普段通りの様子で、声をかけた]
いや、別に驚いてもいないが
[ただ急に思考から現実に戻された感からぼけっとしていただけだが、それについてそれほどこだわることでもないだろうとこれ以上は何も言わず
そして本の関する説明をされれば感心したように]
やるな。アーベル。
まあ俺も似たようなこと考えて読んでみたけど半分ぐらい読んで飽きちまった。
[アーベルは三冊も読んだのか。と続けつつ、恥ずかしげにいうこともなく堂々と言う。
そしてその後屋台料理の本を読んでいたとかあったのだが、当然口にはしない]
−客室−
[いつものように開け放たれた窓。
重たげに瞼を伏せて深紅を隠し、ぼんやりと煙管をくゆらせる。
その様子からは、庭園での遣り取りが魔である女の耳に届いているのかどうかはわからない]
………ハァン…、どうしたものかしらネェ…。
[皆が寝静まれば、オルゴールを持って逃げるのは容易い。
けれど、そうしてしまうにはナターリエの事が気にかかり躊躇う]
…アァン、ここでこうしていてもォ、仕方ないわネェ。
オルゴールを見ればァ、わかるかしらァ…?
………今はァ、無理ですけどォ。
[ちらりと庭を見下ろせば、執事とエーリッヒ、ブリジットの姿。
女は微かに目を細めただけで、腕を伸ばして窓を閉める。
そのまま、煙管を手にふらりと部屋から出て行こうとした]
あー……。
[オトフリートの言葉に、相方が何を見ていたのかを理解して、思わず惚けた声を上げる]
と、いうか、隠れてないで出てくればいいのに……。
[別に、聞かれて困る話はしていたつもりはないので、思わずこんな呟きを]
[…大丈夫。ばれてない。
エーリッヒの声にひやひやしつつも、ふわもこがこっちに来たらばれる…
そう思い、ヒヤヒヤとしていたのだが]
… … …
[オトフリートに、ずばり名前を呼ばれると、驚くどころか、なんだかこうしているのも虚しくなってくる]
…
[しょんぼりしながらゆっくりと身を起こし、服の埃を払った]
なんだ、驚かせてねーなら良いけどさ。
似たよーな事は考えてたんだな。
[青年の言葉に、ほっとした表情を浮かべ。相手への近くへと歩み寄りつつ
続く言葉に、あぁ、判る。と小さく頷いて。]
しっかし、この三冊だけでも大分気が滅入った…。
小説読むのとは全然感覚が違うしさ。
…まだ部屋に借りたままの本が数冊残ってるけど。
[正直もー限界。と肩を竦め。]
コレ読んで、楽しいとか言えるにーさんとか、マジ尊敬。
…だって…
なんだか、難しそうなこと、話してるんだもん…
[…一番の理由は夜に外に出ることをとやかく言われたくないからなのだが。
払い終わると、溜め息をつき…思い出したように顔を上げ]
って、それより、誰か、魂、取られたんですかっ!?
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