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まあ。
多分、アーベルがやったんじゃないか。
[声にはまだ、憮然とした色が残った]
っぽいな、あの通り。
[顔を出したミリアムに、ひらひらと手を振って、妖精を指し示した。
そして昨日の様子は何処へやら、元気に歩み出す老婆を追う]
……本当、爺婆元気だよなぁ。大人しくしてろって。
何がふーんじゃ、まったく。
[冗談への生返事に悪態ついて、ミリィに手を振り。婆ほどの年にもなれば混浴への抵抗もなく、服のまま踏み込んだ。
湯船の周りを見て歩くがそれっぽいものは転がっていない]
やっぱり、湯船に落ちたかなァ。それっぽい音聞こえたしのぅ。
しっかしもう一度脱いで探すのも大変じゃなァ。
わたしゃ湯あたりしちまいそうじゃし、若いもんに任せるか。
[さくりと見限って露天へと戻る]
[他に、誰もいないらしい様子に、よいしょ、と岩を超えて妖精の側へ]
……ほんとに、捕まってるですねぇ。
[小さく呟き。
元気良く混浴方面へと向かうヨハナと追うエーリッヒを見送る]
ほんとにお元気というか、御婆様、まだ無理してはダメですよぉ。
[一応、声はかけた。
届くかどうかはわからないが]
[ヨハナとエーリッヒのやり取りの様子を眺めつつ、シェリー・コートをどうしたものか、と思案する。
そこに近づく気配に気づき、紅はそちらへと]
あ、ユーリ。
ユーリも、カラカラさんを追いかけて?
なんじゃ、ありゃ偽物なのかね?
妖精らが取りあっとったからてっきり…いや、しかしそう簡単にあれが見付かるわけも無いか…うゥむ。
[後半以降はどんどん小声になりながら、考え込んで唸る]
そもそも、あれは安全な……ぅむゥ……
[エーリッヒの言葉にきょとんとしつつも、とりあえずついてゆく。]
[温泉に行き、しっかり捕まった妖精を見て、]
もってないね。
んん、混浴?
[ヨハナが入っていくのをみた。]
[しばらくして追った。]
[カラカラ、という言葉に首を傾げた]
声が聞こえたから。
[言いつつ、視線は転がった妖精のほうに。
これが件のカラカラかと、指差してもう一度首を傾げた]
大方、きらきらしたのに目が向いただけなんじゃない。
[人騒がせな、と吐き出す溜息はやや重い。
唸る老婆の様子に、やはり視線を注いだ]
……ヨハナ婆、本当に何も知らない? 像について。
声って……ああ、妖精さんの、ですかぁ?
[一瞬、何のことかと思ったものの、ふとそちらに思い至り]
ええと、正確には、シェリー・コートというらしいですけど。
カラカラ音が鳴るからカラカラさん、と。
[短絡なネーミングにシェリー・コート、一応文句は言っているらしいです]
――もしも、もしもじゃよ。
偽物であの状態なんじゃとしたら…本物がわかりやすいところに出てきたらどうなるんじゃろう?
探したら、見付かったら、ものすごくまずいんじゃないじゃろか。
[ふと顔を上げて、じっと見てるアーベルと目が合う]
なァ、アーベル。難しい探し物をする時、お前さんならどうする?
コッソリと一人探すか、皆で手分けして探すか。
なら誰が探したがった。探す事に熱心じゃったのは――誰じゃ?
[低く呟いて、いつの間にか集まっていた面々を見回す]
え?
難しい捜し物するなら……んん、そうだね。
危険なものなら一人で探すよ。
でも、そうじゃないならみんなに頼む。
探すことに熱心だったって……
いる?
[不思議そうにした。]
それに、天使って危険じゃないんじゃない? そんな名前だし。
だったら、たぶん、考える事じゃないと思うな。
こっちと、あと叫び声が。
[一度頷いた後、付け加えた。
絶叫の元を辿って辿り着いたのがここ。
それから何かあったのかと問いを発し掛けて。
ヨハナの言葉に振り返った。
文句を言うシェリー・コートが動けないことを良いことに、瓶詰妖精さんは何やらからかっているようです]
……ええと。
一番、熱心に?
[ヨハナの言葉に、こてり、と首を傾げる。
何故か、嫌な予感がふと過ぎり、手のひらに呪文の式を一つ書き付けた。
老婆の指摘が正しければ、一番危険なのは、多分、そこだから]
[危険云々と考えてはみても、一番危険というか読めないのは、妖精王かも、とかも考えているのはさておき]
んん、危険というよりは。
『強すぎる』と考えるべきな気もしますねぇ、天使は。
ほら、強すぎる力って、こわいものですし?
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